これ(ポピー用ウルトラマンジョー)の続きで、
今回も「恥ずかしい写真」満載でお送りします!
本来はアニメ2Dキャラのはずの、ジョーの実物3Dスーツ、タイプAのお披露目は、
「ザ☆ウルトラマン」放送開始と同じ、1979年4月。
しかしこのスーツは、もっぱらポピーの商品用で、
他で見かける機会がなく、
次の実物スーツ、タイプBは、
3ヶ月後の7月21日に出番が訪れた。
その作品は、
『ウルトラマン怪獣大決戦』(1979年7月21日公開)
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この映画が公開される夏休みの時期に、
ちょうどテレビで現役だった最新ウルトラマンのジョーニアスを、
「アニメだから」
「光の国の戦士ではないから」
というだけでハブるわけにもいかず、
窮余の策?で、
ジョーニアスは宇宙警備隊員に暫定的に編入された。
同映画の主題歌「ウルトラマン物語」(※1984年の同名映画とは無関係)にも、
“ウルトラマンジョーニアス”という歌詞が存在している。
ちなみにテレビで「ジョーニアス」と呼ばれるのは、
1979年8月15日放送の「ザ☆ウルトラマン」
第20話 「これがウルトラの星だ!! 第2部」からなので、
映画でのジョーニアス公表が、1ヶ月先行したことになる。
ウルトラマンが地球へ旅立つ際に、ウルトラの星の銀の広場にウルトラマンキングによって招集され、他のウルトラ兄弟と共に、新しい戦士として紹介される。
ジョーニアスのタイプBスーツは、タイプAの改造再利用ではなく、新たに製作されたもの。
↓ポピー商品写真の反省もあり、
↑他のウルトラマンとの集合写真で、ジョーだけ浮いていた。
歴代ウルトラマンたちと並んでも違和感がないように、
頭部形状がタイプAのホームベースみたいな“五角形風”から、典型的なウルトラマン風、タマゴ形の面長に変更。
↓目ののぞき穴も、タイプAの目の下辺から、中央の寄り目に移動している。
↑「怪獣大決戦」劇中の、ジョーニアスのスーツ(タイプB)の画像は少なく、あってもほとんど正面を向いている。
これについては、「ある事情がらみ」と思われるので、後でまた述べる。
ウルトラ戦士各人が、自分の技を見せる過去の回想シーンが予定されていたため、
ジョーニアスもそれに合わせて、ベドランとの戦闘シーンが新規撮影された。
↓アニメでは四脚型だった(右)ベドランは、実写(左)では二足歩行型で、着ぐるみは『恐竜戦隊コセイドン』(1978-79)のスーパーザウルスの改造だった。
↑対決シーンの撮影、ジョーニアスの技、セットや怪獣造形は、
ウルトラシリーズよりも、「ファイヤーマン」(1972)に、雰囲気がより近かった。
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このタイプBには、
↓屋外セットで撮影された、目の全体に、多数ののぞき穴が開けられたタイプもある。
↑タイプAのスーツを引っ張り出して、マスクをBにすげ替え、スーツの模様(ベルトのバックルのとんがり)を若干塗り直した
……のかと思ったが、後述するように、
タイプAは1989年まで、無改造で現存していた
ことが判明したので、
このスーツも室内撮影用のタイプBと同時に作られたのだとわかる。
さらにこのタイプAマスク、
タイプB屋外用マスクと同様に、目の全面にたくさん穴を開けられ、
2002年に宝塚ファミリーランドで開催された、
ウルトラマンスペクタクルワールドに展示されたので、
きっと今でも現存している。
タイプBに話を戻すと、タイプAを引き継いで、ポピーのプロモーションにも使用された。
↓よく見りゃこれも、タイプB。
プレイド・スタリオンズ(Plaid Stallions)という、
70年代や80年代の文化タイムカプセルのようなサイトで、
当時のオモチャ屋さんの店内風景を集めたページに、
2014年5月3日に公開されたのが、
↓このタイプBジョーニアス。子供たちの服装から、撮影された季節は夏だったとわかる。
これ以降、
雑誌展開用や、アトラクション用のジョーニアスは、
タイプBを基本型に、全体形や目の形、取り付け位置等を改修しながら、
現代まで生き延びている。
スーツのジョーニアスの体の模様は、タイプAから一貫して「手抜き」
膝から下は銀一色で、山型の膝当ての下辺を描かず、赤いブーツの上端の山型で代用
……するはずが、きちんとそういう形のブーツがあてがわれたことが、ほとんどない!
『新世紀ウルトラマン伝説』(2003)
で、のぞき穴の位置が、上まぶたのふちに移動したマスクは、
「無謬(むびょう=infallibility)の権化(ごんげ)」(笑)、
映画評論家の町山智浩氏や、
『HEROES/ヒーローズ』 のヒロ・ナカムラ役だった、マシ・オカ氏に似ている。
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翌年の『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』でも、
同じ「マシ・オカ」スーツが、引き続き使用された。
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さて、今回タイプBスーツの画像探しで、
↓1989年の怪獣倉庫に横たわっていた、
2着のジョーニアスのスーツで、
↓手前の方は、どうやら目の全面にのぞき穴が開けられているタイプAだと判明した。なので奥は当然、タイプB。
↑左中央の不鮮明な画像は、『怪獣大決戦』予告編映像より。
右下2点の和服姿は、2009年末から始まった「お正月だよ!ウルトラマン全員集合!!」からなので(年度は不明)バリバリの最新スーツでも、変わらずカギ鼻だと判明。
↑ご覧いただいて、どなたも気づくように、
ジョーニアスのスーツの横顔は、タイプのA、Bや、現役の時期を問わず、
かなりヘンなことになっている。
なるほど、横顔のアップ写真が公表されなかったのがうなずけてしまう、
鼻筋からデキモノが飛び出したみたいなワシ鼻、鉤(カギ)鼻で、
これはもう、ウルトラマンではない!
↓タイプAは、まるで小頭症かノーム(ヨーダやドビーやゴラムの元ネタ)だし、
↑タイプBは、サイボーグ005(ゼロゼロファイブ)ジェロニモか、
DJ KOO(ディージェイ・コー)としか思えない。
結局、円谷プロの公式造形だから、アニメの設定に忠実な立体なんだろうと、
誰もが疑わず、検証作業を怠っただけで、
↓こうして改めてつきあわせてみると、正面形の再現もいささかアヤシク、
↑今回の記事の、ジョーニアスのマスクのドアップ画像は、実物を所有しているスゴイ人のサイトから、勝手にパクってしまいましたとさ。
ましてや横顔など、似せる努力すら怠っている。
「アニメのデザインに忠実」と位置づけられたタイプAマスクだって、
耳たぶが顎下のラインまでダラ下がりで、色々と雑で急ごしらえが目立つのに、
タイプBもこれを手直ししたのが、今もってジョーニアスのマスクがブサイクなのにつながっている。
というわけで、今回はどれが「恥ずかしい写真」だったかは、
あなたの判断にお任せします。
ジョーニアス立体の話は、あっとビックリ、まだ続く。
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