続々発売される、バンダイのSWプラモデル。
以前の3つ、
●Xウイング
●タイ・アドバンスト(ベイダー乗機)
●ダース・ベイダー
——に続き、
次の3種類、
●ストームトルーパー
●ATーST
●タイ・ファイター
——について。
ただしキットレビューでも作例記事でもなく、
私なりの製品についての感想です。
今回は、発売(2014年12月24日)から、けっこう時間の経った、
ストームトルーパー。
↓パッケージアートは、基本的にキット実物とは別物です。
いつもながらのバンダイ・クオリティで、
単品で見れば、単純にカッコイイ。
小顔でスリム、手脚が長く、フィギュアとして理想化されたプロポーション。
同じ方向性で造形(設計)された、
ダース・ベイダーや、
同商品のトルーパーを、数を揃えて並べるぶんには差し支えないが、
これまでに数多(あまた)ある、
各社のフィギュア商品との差別化を図るためもあり、
模型、つまり実物を縮小したものという視点は、思い切り後退。
ざっくりいえば、
人がシェル(外殻)状のアーマー(防具)を着込んだ、
“着ぶくれ感”がゼロで、
まるでアンガールズの2人(田中卓志と 山根良顕)のような、
貧弱でひょろ長い体格の人間が着ているように、スリムすぎ。
↓実物と模型が手にしているブラスターは試作品で、劇中では“酒場のブサメン”こと、ドクター・エヴァザンが、似たもの(SE-14C ブラスターピストル)を所持。
↑この画像のブラスター(小型連射式SE-14r)は公式資料写真ではなく、後年に個人が製作したもの。
↑厳密にはサンド(砂漠仕様)トルーパーと一般型ストームトルーパーの細部は異なるが、作例と通じるスチルはこれしかなかったので。
なので、
↓劇中場面の忠実再現は不可能という意味では、
↑最下段のみ、出典は『ジェダイの帰還(復讐)』(1983)
スケール表示のあるプラモなのに「実物の縮小模型」ではなく、
あくまでもイメージ優先の「フィギュア」商品。
——と、ここまで、
実部を手に取りもせず、
ネットに出回っている静止画だけを手がかりに、
エラソーに語っていたら、
偶然に、
↓この動画レビューを発見。
バンダイプラモのストームトルーパーは、
SWフィギュアで初めて、
個体の身長や体格差を再現可能な、
腕や脚のスライド機構付き
——と知る。
…そうなんだ。
だったら前言を撤回して、
「劇中のどのトルーパー登場場面も再現可能」とするかといえば、
どっこい、そうもいかない。
というのも、動画レビューで比較している、
今からちょうど1年前に発売された、
同1/12スケール、ほぼ同大(6インチ=約15センチ)の
ハズブロ社ブラックシリーズの方が、
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きちんと再現できている、
人が着込んでいるからこその、頭でっかち感や胴の太り具合は、
↓ブラックシリーズでもストームトルーパーは白眉で、同シリーズの他のフィギュアの全てがこのクオリティというわけではない。
それもそのはず、このフィギュアはハズブロ社の完全新規造形ではなく、マーミットの着せ替え式1/6フィギュアを元ネタに、サイズを半分に縮小、各所を手直ししたと思われる。
いかにバンダイプラモの腕や脚が伸び縮みしようが、
太刀打ちできるはずもなく、
小顔に佐野ひなこ(ウエスト51センチ!)ばりの細い腰という基本設計は、いかんともしがたい。
バンダイプラモと同じ過ちに陥っているのが、
1/12スケール、15センチより気持ち大きい、
1/11スケールで16センチの、海洋堂リボルテック。
こちらの外形は、自社の90年代の1/6ソフビ(原型:木下隆志)に準じ、
驚異の可動域でフルアクションを実現するも、
またしても、あまりにものアンガールズ体型にシラける。
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ショッカーの戦闘員(1971)を始祖とし、
↓黒装束で、個が否定された悪の集団、そのルーツは「マグマ大使」(1966)の人間モドキあたりか。
ショッカー戦闘員のスタイル変遷は、こちらで。
商品展開の、悲しいまでの不手際さについては、こちらで。
↓アントマン(左・72)とかヤプール(中・72)とかアンドロイドマン(右・72)とか
↑死ね死ね団員(左・72)とかデビラ(右・72)とか……
とにかく日本では、動きやすいタイツ姿で安普請(やすぶしん)だった
“その他大勢”の兵士だが、
ルーカスは上掲番組はハワイで放送していた「人造人間キカイダー」(72)しか見ておらず、
劇中のザコ兵士、アンドロイドマンにはまるで触発されなかったこともあり、
(マスクのみ、児童向けの図鑑に載ったマシンガンデスパーを参考)
それよりは『バーバレラ』(1962)の兵士に、よほど近い、
↑この兵士の甲冑(かっちゅう)こそ、ザクとグフの元ネタだが、大河原邦男が参考にしたのは、日本版スターログ誌に掲載された、ボリスの描いた、『バーバレラ』再公開版ポスターの絵柄だった。
↓この予告編には、件(くだん)の兵士はチラ見程度しか出て来ません。
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この手のジャンルムービー初の、
豪勢なアーマー(装甲服)をおごったところが、
ストームトルーパーの斬新さだったわけだが、
そうした、「ぞろぞろ出てくる使い捨て兵士」の人形を、
↓チープなセット売りでなく、
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できがよければ、単体売りをたくさん買ってもらえるんだから、
脇役、ザコ扱いせずに、最も造形に気合いを入れるべきなんだけど、
どの商品シリーズでも、当初からその腹づもりでやってる例が少なすぎる。
近年なら、コトブキヤARTFX+ の1/10スケール、PVC塗装済み簡易組立キットにその志(こころざし)が感じられる。
まあ、製品は「単品売り」ではなく、2体セットですが…。
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特にストームトルーパーは、
↓サンドトルーパー(左)やタイファイター・パイロット(右)、
↑AT-ATドライバー等の、派生型兵士の“原器”なんだから、
その原器が狂ってちゃ、
バリエーション展開が是正されるわけもないんで、
きわめて重要な出発点なのに、
そこまで理解して製品開発してるなら、
こんなストームトルーパーにはなってないと思うわけだよ。
そんなこんなで、
個人的には、このバンダイの1/12プラモデル、
ストームトルーパーをたくさん買い込んでズラリと並べたいかと言えば、
そこまで愛着は感じられず、ということざんす~。
もちろん、気に入ってたくさん買い込む人もいるし、
↓早速全身黒ずくめの、シャドウトルーパーを自作して並べるイギリス人もいて、
その気持ちはうなずけるというか、
そういう人に、いてもらわないと困るんですけどね。
バンダイのSWプラモ、次はAT-STを予定。
『スター・ウォーズ』【ハズブロ アクションフィギュア】6インチ「ブラック」#09 ストームトルーパー
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海洋堂 (2015-01-21)
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スター・ウォーズ ARTFX+ ストームトルーパー ビルドパック (1/10スケール PVC塗装済み簡易組立キット)
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