この記事より。
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'The Making Of Star Wars: Return of the Jedi'
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リベンジ・オブ・ザ・ジェダイ(『ジェダイの復讐』=ダース・ベイダーの報復)
ストーリー会議 議事録 1981年7月13~17日
出席者/ジョージ・ルーカス(総指揮・原作) リチャード・マーカンド(監督) ローレンス・カスダン(脚本)ハワード・カザンジャン(製作)
パークウェイハウスにて
アナキンの物語
ルーカス「まずはアナキン・スカイウォーカーが皇帝とつきあい始める。この時点では、後に皇帝になるこの人物が悪人だとは誰も知らない。彼は正当な手続きで選ばれた公人だったからだ」
カスダン「彼もジェダイだったの?」
ルーカス「いや、彼は政治家さ。さしずめニクソン大統領みたいなね。元老院を転覆させて、権力を握り、帝政を敷く。あくどいヤツとはこいつのことだ。善人を装い、ルークの父を悪の道に引きこむ」
カスダン「フォースは、その存在を知っていれば、誰でも使えるわけ?」
ルーカス「そうとも。誰だって使えるよ」
カスダン「ジェダイでなくても?」
ルーカス「ジェダイだけが、熟練のために、みっちりと修行を積む」
マーカンド「技として使いこなすというわけ?」
ルーカス「ヨガと同じだよ。真面目に取り組めば誰でも出来るが、その道を究めたいと思うものこそが、求道者としてふさわしい。空手とかの武道もそうだね。もう一つ誤解があるけど、ヨーダはジェダイの技の手ほどきしたりしない。彼は至高の存在だから、俗世と隔絶していて、誰とも戦わないよ」
カスダン「ジェダイマスターだって、ジェダイには違いないんじゃ?」
ルーカス「彼は教えを授ける立場で、ジェダイそのものではない。わかるかな?」
カスダン「頭では理解できるけど、ショックですんなりとは受け入れられないよ」
ルーカス「だけどそれが厳然たる事実だからね。別にストーリーには影響ないじゃないか」
カスダン「ヨーダには剣の腕前はないと?」
ルーカス「ダース・ベイダーと戦えるかといったら、どだいムリな話だね」
カスダン「わかった。一応そういうことで話を進めよう。気に入らないけど」
ルーカス「話を戻せば、ルークの父は皇帝にかどわかされる。家庭での様子もおかしくなって、彼の妻は原因を探った挙げ句、ベン(オビ=ワン)に相談する。彼は夫の師だからね。
アナキンは任務で銀河を駆け巡りながら、ジェダイの任から外れることが増えて行き、一方で多くのジェダイが殺されていく。油断していたところを背中から不意打ちされたわけだ。
時の政府の最高位に上り詰めていた権力者は皇帝の座を手に入れる一方で、
ルークを身ごもっている母は夫の変心を案ずる。
アナキンの素行は悪くなるばかりで、とうとうベンは対決やむなしとなり、火山に弟子を投げ込む。
これでベイダーの下地が出来上がる。
火口に落ちていく過程でアナキンの片腕はちぎれ、皇帝の配下が彼を回収した頃には、胴体と片脚がかろうじて残るのみ。
ベンはベイダーが救出され、皇帝の手下となったと知り、これを憂慮してベイダーの妻に、アナキンは悪に堕ち、ジェダイを粛清していたことを打ち明ける。
この頃にはすでに、スカイウォーカー夫人は、生後6ヶ月ほどの双子の母となっていた。
スカイウォーカーの家系はフォースが強い。
ベンはこう言う。『子供達は人目を避けて守りながら育てなくては。父が銀河にもたらした災厄に手が打てるのは、他ならぬこの子たちかも知れないのだから』
こうしてベンは、双子の片割れのルークを連れてタトゥイーンに向かい、里親夫妻に預ける。
自分は高台の隠れ家に潜み、成長を見守る。ベンは今やおたずね者の身なので、ルークを自分で育てる事は出来ない。
ルークの母と、もう一人の双子のレイアはオルデラーンに行き、この星の王、ベンの友人に引き取られる。
母親はほどなくして亡くなり、以後はレイアは養父母に育てられることになる。
レイアは実の母が亡くなった事実を知っている」
カスダン「レイアは、はっきりと認識してるわけ?」
ルーカス「そうとも。だからルークから母について問いかけられた時、レイアははっきりと言い切れるのさ。『私が2歳の頃に死んだのよ』ってね」
分析はまた後日。
The Making of Return of the Jedi: The Definitive Story Behind the Film
posted with amazlet at 13.06.08
J. W. Rinzler