昨晩もイレギュラーに更新(【訃報】今井雅之)しました。
ご参考までに。
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これ(光の国に屈したヒーローたち〈マン系篇〉)の続きで、
円谷プロのヒーローでもないくせに、
あたかもそうであるかのようになりすましていた、
1970年代の特撮巨大ヒーローを振り返る第2弾。
前回は、眼球の中心にのぞき穴のないウルトラマン系を見ていったが、
今回は、のぞき穴から放射状に線が広がるセブン系を見ていこう。
アイアンキング(1972)
『アイアンキング』は、1972年(昭和47年)10月8日から1973年(昭和48年)4月5日まで毎週日曜日19:00 - 19:30に、TBS系で放送された、宣弘社製作の特撮テレビ番組(全26話)、および作品中に登場する変身ヒーローの名称。
『タケダアワー』の17作目。
アイアンキングの全身正面像を見ると、
このスタイルとカラリング……。
デジャヴ感がハンパない。
↓このセブンは平成版だから厳密には比較対象にはならないが、オリジナルの1967年版で、このサイズを発見できませんでした。
ウルトラ兄弟に紛れても、気づかれないんじゃ?
↑胸のパターンは初代マンか、その改造のゾフィーに準じている。
とにかくアイアンキングは、オリジナリティの無い、
全身がパクリの集合体。
マスクの基本形は、同じ宣弘社の前作、シルバー仮面ジャイアントで、
そこに寄り目がちだったウルトラセブンの目を、
色だけ青くしてロンパリ気味に貼り付けてある。
アイアンキングは、ウルトラセブンとシルバー仮面ジャイアントに似ているが、
ウルトラセブンとシルバー仮面ジャイアント同士は似ていない。
アイアンキングのデザイン担当は、池谷仙克(いけや のりよし)。
そう、「ウルトラセブン」のペロリンガ星人やガッツ星人、
「帰ってきたウルトラマン」の幾多の名怪獣のデザインを担当し、
ヒーローのデザインは、たしかシルバー仮面が初だった。
※帰ってきたウルトラマンの身体の模様をデザインしたのは、
池谷氏ではなく、高橋(井口)昭彦。
ただし「帰ってきたウルトラマン大全」で、本人は否定。
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そんな池谷仙克氏が、
過去作のしがらみのないはずの新ヒーロー、アイアンキングを、
なんだって流用デザインで、しのいでしまったのか。
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アイアンキングの原案デザインは、
↓これで、なるほどしっかり、「アイアンキング」(=鋼鉄王)している。
↑しかしボツになり、1話に登場する敵ロボット、バキュミラーに転用される。
なので、
↓アイアンキングとバキュミラーの関係は、
↑バルキー星人とウルトラマンレオの関係を、2年も先取りしていた。
2014年11月の、この人のブログによれば、
TBSの橋本(洋二)プロデューサーから、
「ウルトラセブンの要素をいれたい、体色は赤」
と指定があったので描き直した。
やり直したデザイン画では、
↓胸から下のボディにも、セブン同様にラインが走っていて、
↑これまた、レオを2年先取りしていた。
池谷としては、不本意なこと続きだったアイアンキング。
デザインとは関係なく、話は異色で面白かったが、
だからいいってことにはならない。
アイアンキングは、水をエネルギーに1分間だけ巨大化できるロボット
↑敵キャラの方が、よほど「巨大ロボット」している。
——と言う設定が、まるで伝わってこないスタイルこそが問題で、
本来なら当時の「ロボット」の概念なら、
宣弘社の次回作、
「スーパーロボット レッドバロン」みたいな、
レッドバロンのデザインは、野口竜。
硬質のボディこそが、ふさわしかったろうに。
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当時のウルトラの影響力、かくも恐るべし。
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グリーンマン(1973)
『行け! グリーンマン』は、1973年11月12日から1974年9月27日まで放送された特撮コーナードラマ。東宝企画製作。
日本テレビ系の『おはよう!こどもショー』の枠内、月 - 土曜日・7:25 - 8:15の時間帯内で5分間放映された。3回で1話構成、全156回52話。
↑大判元画像は、こちらより。
地球の自然を公害から守るために、金河系グリーン星からやってきた正義のロボット生命体で、自称「神の使い」でもある。
子供たちがグリーンマンコールを天にかざして呼ぶと、どこからともなく飛んでくる。
登場直後は等身大だが、怪獣が巨大化するとグリーンマンも「グリーンマン・ジャイアントマシーンチェンジ」の掛け声とともに巨大化する。
ロボット生命体という設定から、体内のメカニックは何やら60年代風のコンピュータや時計の中身を彷彿とさせる、アナログなメーターや歯車が見受けられる。
また、稼働電圧は100Vで、怪獣の攻撃を受けピンチになると電圧が低下する様子が電圧計の針が上下する映像をカットインさせることで表現される。
子供たちからグリーンマンコールでパワーを与えられると一気にパワーが回復し、ピンチを脱する。
グリーンマンの名は、『おはよう!こどもショー』の司会が海老名美どりであったことに由来。デザインは東南アジアの仏像がモチーフとなっている。
↑元ネタ隠しだろうか、ラーメンのどんぶりの中華風模様が、各所にあしらわれている。
グリーンマンの最大の問題は、
↓顔のパーツが中央に寄っていて、下ぶくれという、
↑ヒーローらしからぬブサ面なところ。
アイアンキングは、スピードワゴンの小沢一敬(おざわ・かずひろ)とか、
↓ラバーガールの大水洋介(おおみず・ようすけ)あたりに似ているが、
↑グリーンマンは、カンニング竹山とか、
ザキヤマとかチャンカワイ、フット岩尾や板東英二や蛭子能収に似ているから始末が悪い。
それとこれは、ある人の指摘だが、
↓レッドマンが、ウルトラマンに(目の周囲を覆う)ドミノマスクをかぶせたのだとすれば、
↑グリーンマンは、そのセブン版じゃないか、
——とのことで、言われてみればたしかにそういう構造だけど、
グリーンマンのあまりのブサイクぶりに、まったく気がつかなかった。
先頃、「行け!グリーンマン」の全怪獣もめでたく収録された、
「東宝特撮全怪獣図鑑」が発売されたが、
このブログによれば、
●『円盤戦争バンキット』
●『炎の超人メガロマン』
●1998年版『GODZILLA』
——が“大人の事情?”で、未収録なんだそうです。
その3タイトルのファンの方は、ご注意下さい。
以上で、「光の国に屈したヒーローたち」は、とりあえず終了。
現時点では、続編の予定はありません。
※「突撃!ヒューマン」は、円谷プロに屈していないため、
この項では取り上げません。
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白石 雅彦 荻野 友大 西村 祐次 円谷プロ=
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