これの続きで、
CGエンプラについては、今回で終了です。
『スタートレックVI 未知の世界』(1991)
本作でようやく、邦題もアメリカ本国と同じ、ローマ数字(Ⅵ)になった。
「新たなる未知へ」(原題は“The Final Frontier”)の次回作が、
「未知の世界」(“The Undiscovered Country”)って…。
日本の宣伝サイドの,スタトレへの熱意の無さがよくわかる。
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ポスターのアーティストは、「1」~「5」まで連投だったボブ・ピークから、ピーク以上に映画ポスターを多数手がけた、ジョン・アルヴィンに交代。
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アルヴィンへのインタビュークリップ。
↑くしくもクリップ3で、ボブ・ピークに言及している。
ピークは翌92年没なので、この時期には引退だったのかも。
アルヴィンは代役を意識したのか、前作までのピークの作風を踏襲している。
一方でアルヴィンも、2008年に59歳の若さで、心筋梗塞で急逝している。
アルヴィンが多数手がけたSWポスターの、おそらく最初(左・1978)と最後(右・2007)の作品。
これまで日本版スタトレ宣材(ポスター、チラシ、パンフレット)は、1作目をのぞき、独自の写真コラージュで展開することが多かったが,ここに来てアメリカ本国のアート1点に揃える形に戻った。
↓チラシ
↑パンフレット表紙
ところで、テレビシリーズ(TOS)からの、オリジナルキャストによる映画6部作は、
奇数エピソード(1・3・5作目)が奮わず、
偶数エピソード(2・4・6作目)の評価が高いが、
功労者はニコラス・メイヤー(発音は「マイヤー」)に尽きると思う。
そこで寄り道を承知で、前にメイヤーについて書いたものを転載しておくことにする。
(青字表示・紫字は追記部分)
日本ではニコラス・「メイヤー」と表記されるマイヤーは、劇場映画『スター・トレック』シリーズでも、評価の高い初期の偶数回、すなわち『Ⅱ/カーンの逆襲(82)』で監督と脚本、『Ⅳ/故郷への長い道(86)』で脚本、『Ⅵ/未知の世界(91)』で再び監督と脚本を担当し、いったんは沈没しかけた同劇場版シリーズを見事に建て直した、いわばスタトレ映画の救世主といえた。
ところがマイヤー本人は、『カーンの逆襲』に参加するまで、映画版の元になったテレビシリーズ、日本では『宇宙大作戦』(69~70)『宇宙パトロール』(72~74)という題名で放送された元祖の番組を、一本も満足に見たことがなかった。
マイヤーは1976年に、自著の映画化『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』の脚本でアカデミー賞にノミネートまでされたが、その後は『タイム・アフター・タイム』(79)を監督しただけで、仕事はぱったりと途絶えていた。
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ある時、知人の女性からホームパーティーに招かれ、そこで「作家は新作を作り続けてこそ作家なのよ」と前に踏み出すことを勧められた。
「何かきっかけやチャンスがあれば、ぜひ」とマイヤーが話に乗ると、友人は、「今、スタートレックの次回作の脚本家を探してるのよ」と教えてくれた。
「スタートレック? あの耳のとがった宇宙人が出てくる奴?」というのが、マイヤーがスタトレについて把握している、ささやかな手がかりだった。
大学時代に寮で同室の学生が、再放送を熱心に見ていたのを横目で見ていたからだ。
映画界の巨匠、ロバート・ワイズが監督した劇場版の1作目(79)は、伝説のテレビシリーズの続編と言うことで、トレッキーと呼ばれる熱狂的なファンやマニアへの気配りに終始してしまい、それ以外の一般観客に向けた視点が欠けていた。スタトレ門外漢のマイヤーが参加したからこそ、『Ⅱ・Ⅳ・Ⅵ』はトレッキー以外にも楽しめる、「まともな」劇場映画に昇格したのである。
でもって、ようやくここからが今回の本題で、今回CGで再現すべき課題の、本来の特撮パートはこちら。
画像が鮮明なのは、すでにILMが、『ターミネーター2』(1991)以降は、合成がデジタルに移行していたため。
これを再現したのは、本ブログでは日本で唯一(?)、すっかりおなじみの、CJCA915で、
まずは、映画版初代エンプラ、NCC-1701から、
後継代理艦NCC-1701-A(アルファ)への、微妙なマーキングと色彩の変更を、デニス・ベイリー作の決定版CGモデルに反映し、
(詳細なプロセスを解説した動画はこちら)
「Ⅵ(6)」だけでなく、「Ⅴ(5)」のカットまで含めた、そのアルファ版デモ映像に、クリンゴンのゴーコン宰相を乗せた領事艦クロノス・ワン(Ⅰ)の再現までを含めた動画が、こちら。
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映画本編の後半場面、チャン将軍が駆るバード・オブ・プレイ対エンプラ&エクセルシオの、実写も含めたクリップはこちら。
こちらがその、CG再現版。
バード・オブ・プレイは、「Ⅲ」再現映像と同じFabio(ファビオ)作、
エクセルシオは新たにIgor Bremec(イゴール・ブレメック)作のものを使用している。
これまで同様、劇中同様のサウンドトラックが効いている。
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音楽担当は、この1作のみのクリフ・エデルマン。
この動画にも、高解像度変換(? max conversion)で参加している、Mylex67は、HIKE ANIMATIONとして、ラストで恒星を目指すエンプラの勇姿だけを発表。
ただし認識番号は、先代の「A」抜きのまま。
ここのところ好調で、HIKE ANIMATIONに対して、がぜん巻き返し気味のCJCA915は、余勢を駆って?、1作目の、エンプラがドライドックを出航するシーンに、
地球の夜の部分に、都市の灯を加えた決定版を発表している。
↓劇中本編(上)、HIKE ANIMATION版(中)、CJCA915最新版(下)を並べて見ると、
真ん中のHIKE版のみ、ワープナセルの画角や、ディフレクターディッシュの発光色が異なるのがわかる。
CJCA915版は、わざわざ劇中本編と画角が一致するように、事前に航跡の調整まで施している。
ホント、よくやりますよ!
なによりこの情熱が、いつまでも持続していることが素晴らしい!
というわけで、CGエンプラの話は、これにておしまい。
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究極のエンプラ像の再現は、並みいる達人にお任せして、
私は他の人がおいそれとはできない、物語作りにいそしむことにします。
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