これ(定説の見直し・Ⅱ/ガラモン→ピグモン〈その6〉/ふぞろい怪獣・9)の残りで、
③ガラモンを演じた高橋実氏が病気でピグモンに再起用できず、
④改造は首部の延長と、脚のじゃばらの数が2列増えている。
という定説を検証する。
「ウルトラマン」8話「怪獣無法地帯」には、
小型怪獣を意味する、ピグミーモンスターの略称、
ピグモンが登場。
同じ回に、
①レッドキング
②チャンドラー
③マグラー(マグラ)
④スフラン
⑤ピグモン
————と、5体も一挙に登場するため、
完全新造は①と④のみ。
小怪獣ピグモンは、
もともと着ぐるみが小さかったガラモンを再利用する
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…はずだったが、
この記事によれば、
1966年5月27日。
レッドキングとベムラーの縫いぐるみ製作に勤しむ高山良策のもとに、
円谷プロから1本の連絡が入った。
ピグモンを演じる予定であった元・ガラモン役の高橋実が病気のため降板、
急遽子役の藤田修治が代役として決まったということだ。
この急報によって、
単に傷んだガラモンを補繕し再塗装するだけでは済まなくなった。
いわゆる小人であった高橋に比べて、小学生の藤田は20cmほど高い。
つまり寸法が合わぬということ。
高橋の背丈に合わせて作られたガラモンのままでは、
代役の藤田が中に入って演技することなど到底適わないのである。
以上のような経緯でガラモンは、短躯だったそのシルエットを若干変えることと相成った。
しかも多々良島のロケ(裏磐梯か三浦海岸か)は、二日後に迫っている。
時間が無い。という訳で、レッドキング・ベムラー製作と並行して、
ガラモンからピグモンへの修補作業が急ピッチで進められたのである。
————とのことである。
ただし、
赤字部分の、
高橋実の病気降板
(③ガラモンを演じた高橋実氏が病気でピグモンに再起用できず)
は誤報。
この記事づたいで、
ヤマダ・マサミ「ウルトラQ伝説」(1998.4 アスペクト) によれば、
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ピグモンに高橋実が入らなかったのは、
ロケ撮影に彼の体力が耐えられなかったから。
病気のためではない。
————とのこと。
元記事では、この後、
改造箇所(首の延長/脚部分の延長/塗装色)と延長寸法
の具体的記述があるが、
小学生の藤田は20cmほど高い
ともども、
前回の写真解析の結果(ガラモン=125cm/ピグモン=130cm)とは一致しない。
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さて、1966年5月27日に高山氏が連絡をもらい、
29日の撮影に使われたピグモン(改造ガラモン)のスーツは、
この記録のように、
(1966年)5月
5月から6月にかけて向ヶ丘遊園、谷津遊園、小田急デパートにおいて「ウルトラQ大行進」というイベントが開催される。
出演したのは、ピーター、ラゴン、カネゴン、M1号、モングラーで、ラゴン、カネゴン、M1号には、人が入って園内を行進した。
なぜかガラモンの名前が抜けているイベントに、
↓こうして飾られていた証拠写真が存在する。
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正しくは「大会」ではなく、「大行進」
時期は当然、
撮影翌日の5月30日以降のはずである。
今回は、ここまで。