はい、今週も火曜日がやってまいりました。
私の小説を売り込む日です。
先週の販売数は、残念ながらゼロでした。
トイレベンチャー
↑誰にも相手にされない、可哀相な小説…。
今週は、少しは挽回したいものです。
さて、先日、作家の村上春樹氏が、抽選に当たった500人に向けて講演したそうですね。
ニュースでも取り上げられて、氏の作品には常日頃から首をかしげるしかない自分としては、最初は「何言ってやんでえ!」と、その内容を斜に構えて聞いてたんですが、後で反芻して、「なるほどなあ」と考え直しました。
同氏は、19世紀の文学に、自分の作風に通じるものを感じて、その線で執筆を続け、やがてデビュー、多くの読者の支持を得ました。
だから、「私の小説を気に入ってくれたファンには,心から感謝している」と、その講演でも述べていたそうです。
ところで一方、同氏は原発事故の直後にスペインでのスピーチで、「原発に疑問を呈する人には非現実的な夢想家というレッテルが貼られた。私達日本人は核に対するノーを叫び続けるべきだった。それが僕の個人的な意見です」と語っていた。
これを聞いたとき、「わかってんじゃん」と思い、氏の次回作では、こうした見解が当然盛り込まれるのだろうと期待した。
一方で氏のファンの一部からは、「この発言を聞いて,氏にいたく失望した」という声も上がったとも伝え聞いた。
「これまでの小説で、それらしきことを何一つ語らなかった作家が、今さら何を言ってる?」
「そういう社会的な思想が全く盛り込まれていないことが、村上作品の魅力だったのに」
といった感じの意見だったようだ。
でもって、原発事故後の新作、
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
(※このタイトルからして、すでに「ダメだこりゃ」感ただよいまくりですけど…)
を取り上げる「とくダネ!」が、すごく面白かった。
同番組は、3年前の「1Q84」ですっかり懲りてるらしく、
一応世間で話題になってるから取り上げざるを得ないけど、
できれば関わり合いになりたくないといった感じで、
メインキャスターは誰も読もうとせず、
うんと下っ端に、「毒味」させる有様。
小倉さんは頭がいいから、
逆に「オレはバカだから」と前置きして、「村上春樹の良さがわからない」とはっきり言っていた。
もちろん私も、売り上げに貢献なんて意地でもしたくないから、「多崎つくる」を読んでないけど、
ネットのレビューはかなり的を射ていると感じた。
端的に言えば、
創作者としての進歩、成長がみられず、むしろピークをとうのむかしに過ぎて、質の悪いリサイクルに堕している。
----ことをズバリと言い切ったレビューが多かった。
それにどうやら
「効率第一主義が世の中をダメにした」
「原発へのノーを叫び続ける」
という主張も盛り込まれていないようだ。
こんなの、読者(や世論の期待)を公然と裏切る行為だから、私には到底考えられない。
たとえば私のベスト作は常に、(過去作の経験や反省が生かされた)最新作だと思いますよ。
なのになんだってまた、村上氏は平気でこんなことができちまうのか?
そこで、講演で氏がもらした、「私の作品を気に入ってくれたファンはありがたい」と言う言葉に立ち返る。
誰でも創作する時は、自分では良かれと思ってやっている。
同じところを、良いと共鳴してくれる相手(読者や観客)を見込みながら。
うまくいかないと、全てがダメだと思えてしまう。
反対にうまくいったら、全てが成功要因だと勘違いしてしまう。
1作目がウケたら、1作目まるごとがウケたんだから、2作目で少しでもどこかを変えたら、ファンの失望を買うかも知れない。
それは支持してくれる人に悪いから,自分の作品はいつでも、同じところにとどまっていよう。
かくして、金太郎飴みたいに、「どれを読んでも印象がまるで同じ」がくり返されてしまう。
作家が成長してしまったら、成長したくないからこそハルキストになることを選んだ人たちを裏切ってしまう。
ともあれ人間は成長するものだから、ハルキストの中には、いずれ卒業していく人もいるだろうが、きっと新しいカモハルキストが入学してくることだろう。
その人達のためにも,自分の作品は、いつも同じでなくては!
そう考えているのではないか。
以上、ダラダラと書いてまいりましたが、
私の作品は,想定読者層がそもそも異なる、
村上春樹や伊坂幸太郎や山田悠介や湊かなえや有川浩の愛読者には、「こんなの小説じゃねーよ!」と受け入れられない一方で、
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百田尚樹の小説、
つまりまともな映像作品に発展するドラマが好きな方には、大いに受け入れていただける可能性があると考えます。
今回の作品では、2007年のことを書き、このたび6年ぶりに読み直しましたが、執筆時に内容の吟味推敲を重ねただけに、細かな修正こそあれ、大意は変えずに再び世に問いたいと思います。
ハンディキャップヒーローズ
こちらも引き続き、どうぞよろしく。
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