「失恋ショコラティエ」は、
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今期(2014冬1月~3月・全11回)のドラマでは抜きんでて面白く、
ずっと見続けるに堪えるもので、
原作漫画(※未読です)が未完の物語に、
テレビドラマがどういう結末を迎えるのか、
とても楽しみにしていた。
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ああ、それなのに、それなのに。
最終回、
特に最後の10~15分ほどの崩壊ぶりには、
ほんとにガッカリさせられた。
それまで丁寧に積み上げてきたものを、
自ら土壇場でガラガラとぶちこわすなんて、
クリエイター(創作活動を生業/なりわいとする人)
の風上にもおけないよ。
そこに至るまでは、
ラストの大逆転劇に持って行くための伏線なんだろう
と思って見ていて、
そう思う限りはけっこう良く出来ていて、
結末に大きく期待を抱かせた。
ところが、
主人公(松本潤の演じる小動爽太=こゆるぎ・そうた)が、
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ヒロイン(石原さとみの演じる高橋紗絵子←結婚前/吉岡紗絵子←結婚後)
を公園に呼び出して、
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延々とたわごとをまくし立てはじめ、
「こいつ、何言ってるんだ?」
と、全く頭に入って来ない一方、
ヒロインがただ黙ってそれを聞いてることにも、
「お前も何か言えよ!」
とイライラ。
結局「なんだよ、それ?」
というグダグダな破綻状態のまま、終わってしまった。
オレの11時間(全11話ぶんの放送時間)を返せ!
犯人は、もっぱら最終2話ぶんの脚本を担当した、
越川美埜子
とかいう人に特定される。
そのデタラメぶりは、さしずめ、
「失ショコ」(※そう略すかどうかは知りませんが、勝手に呼びます)
界の小保方さん
だよ!
この人、ドラマ構築の何たるかと終わらせ方を、
まったくわかってません。
その意味ではプロとは呼べず、
アマチュアの見習いレベル。
11週分の放送まるごとぶちこわしておいて、
いくらもらってんの?
それまでの展開を生かすなら、
「失ショコ」最終回は、かくあるべし。
(以下、青字部分は全て私の妄想です)
紗絵子は、爽太のことをあきらめきれない
加藤えれな(水原希子)の、
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切ない胸の内をぶつける場面に、
偶然出くわしてしまう。
そこで、
自分以外の女性との未来だってあるはずの爽太に、
自分がどれだけ妨げになっているかに改めて気づき、
これ以上迷惑をかけられないと、
身をひく決心をする。
おりしも紗絵子の妊娠が発覚。
夫婦仲が冷め切った夫、
吉岡幸彦(眞島秀和)の子供のはずはなく、
ここしばらく愛を確かめ合い続けた爽太の子供なのだが、
紗絵子は、
「爽太クンの子供じゃないよ」と、あえてウソをつく。
紗絵子はしかし、賭けにも出ていた。
自分が爽太を愛する気持ちは、誰にも負けないつもり。
もしも爽太が、
それでも(=自分の子供でなくても)二人と子供の3人で、人生を歩んで行こう
と申し出てくれれば、受け入れることにしよう。
一方で爽太の方は、もちろんそのつもりなのだが、
自分以外に時期的に重なる別の男が、
(紗絵子の夫以外に)いたことに動揺を隠せず、
なかなか踏ん切りもつかず、
心ここにあらずで、仕事がおろそかになり始める。
これを見かねた、爽太の妹の
まつり(有村架純)と、
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まつりと紆余曲折の末に恋人同士になった
オリヴィエ(溝端淳平)は、
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あえて事情を聞かずに、
自分たちが今恋人でいるのは、
爽太の姿勢や生き方を見習ったからこそで、
今爽太が悩んでいることや、この先に待ち受けている困難にも、
必ず答えを見つけられる力があるじゃないかと励ます。
この言葉を得て、爽太は覚悟を決めた。
1年後。
空港には、新天地に旅立つ爽太と紗絵子、そして二人の間の子供がいて、
門出を祝しに皆が駆けつけてくれていた。
っていうのが、
それまでの展開を順当に引き継いだ、まっとうなエンディングだと思うし、
自分が原作者だったら、そうするね。
それより、自分が原作者だったら、
最終回を見てテレビの前でひっくり返り、
「オレの大切な作品に、なんてことしてくれるんだ!
こいつ(脚本家)、作品の内容をまるで理解してないじゃん!」
と、嘆きまくると思うぞよ。
かろうじて最後までブレなかったのは、
薫子(水川あさみ)だけで、
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あとは、
10話を重ねる中で成長していたはずのキャラがことごとく、
「それって、もう通過した達成課題のはずじゃなかったの?」
というデフォルト状態に逆戻りしてることにあきれ果てた。
紗絵子が自分をもの扱いする旦那にたまりかねて家を出て、
爽太に助けを求めるしかなくなり、
それがきっかけで、長年の二人の本心がわかりあえて、
心も体も結ばれた。
つまり、
もはや修復は完全に不可能だったはずの、
紗絵子と旦那の夫婦仲。
それが、
和解に至る納得できる描写もまったくないまま、
ラストで人が変わったみたいに仲良くなってると、
「あれ、オレって途中で寝落ちして、大事な場面を見逃しちゃったの?」
と我が目を疑ったよ。
「やっぱり不倫はいけません」ってこと?
いやいや、そんな原則論に今さら戻られたって!
爽太は散々、それに悩む時期を経て、
真の愛にたどり着いたはずじゃなかったのかよ!
おまけに、
ゴミみたいなラストに持って行く伏線のためにだけ、
爽太は男女の関係になってからも、
依然として紗絵子の本心を(不可解なまでに)疑い続け、
愛を原動力に、仕事に昇華させる術を身につけたはずだったのに、
どういうわけかその能力を失ってしまう。
長い迷いの時期を抜けて、
揺るぎなく前進する人間的成長を遂げたはずの爽太は、
なぜかそれ以前の心理状態のヘタレに戻ってしまっている。
だったらこれまでの、
「爽太の心の成長過程物語」は、
描いた意味がまるでなくなってしまう。
「失恋」がタイトルについてるから、
主人公は失恋で終わらせるべき?
いやいや、それは「ひっかけ」でしょ。
映画「モテキ」を見習って欲しいよ。
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冒頭に、
「この話は、結局最後はこうなります」
ってほのめかしておきながら、
最後がそうならないので、
「これは一本取られた!」と思ったよ。
それから、人は自己チューなだけの人間に、絶対に共感しない。
だから小悪魔で、
爽太の気持ちをもてあそぶだけの紗絵子キャラのままでは、
視聴者は彼女を受け入れてくれないはず。
実際に最終回の感想は、
「サエコ、魔物、コエー!」
と、完全に人智の理解を超えた怪物視しているものもあるし、
あんな描き方じゃあ、それも当然。
だからこそ、
えれなの気持ちをくんで身をひこうとする
(オレ様妄想バージョンの)紗絵子は、
血の通った人間になるチャンスだったのに…。
キャラに血が通っていないと言えば、
えれなも同じ。
あれほど思い詰めて打ち明けた末に、
ライバルが旦那と元鞘に収まり、
念願の爽太のカノジョになれるチャンスが到来したら、
「なんかどうでもよくなっちゃった」
と心変わりする理由は、
*もう放送時間が残ってないから
*爽太をふられキャラに特定するため
----の2点しか考えられず、
それは、
私のように、
こうしてドラマを真剣に見続けてきた視聴者をバカにする、
重大な裏切り行為にほかならない。
裏切られたのは、もちろん視聴者だけではない。
*作品の世界観をズタボロにされた原作者(水城せとな)。
*絶妙なキャスティングに応えて、好演を続けた主演の全員。
*手の込んだセットや、物語のキーとなる創作チョコを毎回整えた美術スタッフ陣。
*いつPerfumeの歌が入るのかと待っているのに、一向にそうならない音楽(これはあまりにパターンに堕したが…)
等々にも、顔向けできないテロ行為だよ。
えれな、まつり、オリヴィエに加え、爽太の父(竹中直人)、
仕事のライバル六道(りくどう)一派(佐藤隆太、加藤シゲアキ)等々、
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↑最初は爽太の仕事のライバルなだけでなく、紗絵子も奪い合うことになるかと思われた六道誠之助(りくどう・せいのすけ=佐藤隆太)。
しかし彼はゲイで、えれなの相談相手として機能した。
ただし薫子同様、六道もキャラがブレずに、最終回でもまともなことを言っていた。
↓しばらく出番がなく、突然はるか以前の薫子のメールに、「くわしく」と問いかける4文字だけで復活していた、関谷(加藤シゲアキ)。
結局最終回では、予定された役目(薫子の恋人候補)を演じるために顔出し復活したが、再登場が唐突すぎるんで、「おっと、このキャラ忘れてた。最終回だけ復活じゃあ、忘れてたのがバレバレだから、前フリしておかなくちゃな」が、前話でのメール復活だったのが、ミエミエ。
ほんと、ずさんな脚本家で、ひたすら呆れるよ!
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せっかく用意されたキャラが有機的にからみあわず、
存在意義もなく、無駄死にしていることからも、
原作者の想定する筋運びとは、
ドラマ版のラストが別方向なのは明らかだ。
長くなったので、今日はこのぐらいにしといてやろう。
後編は、また日を改めて。
↓最終11話の3/4あたりまでは、見る価値のある作品です。
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