これ(〈補足情報〉カットモデル壱號・弐號艦/蒼きヤマトへの憧憬・62)の続きで、
まずはまたまた、その補足から。
日比野さんから、
カットモデル二号艦が、
1997年に岐阜県の各務原航空博物館(松本零士氏が名誉館長)に展示されていた時点での、貴重な写真を提供いただきました。
ここに慎んで公開します。
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この時点で、艦首の錨マークはなくなっている。
艦長室上のアンテナは、中央の1本が破損。
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カットモデルについての話題は尽きませんが、ようやく本題。
船舶図面を立体化した模型の第2弾は?
ヤマトのプラモといえば、TV1作目(1974)のゼンマイ版からバンダイが定番のところ、
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テレビ「宇宙戦艦ヤマト2」(1978~79)のスポンサーだった、
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野村トーイが、1978年11月に発売した、
1/1200スケールのプラモデル。当時売価は、500円。
〈パッケージ〉
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(下)このページの画像を統合、再構築しました。
※この方のブログ記事で、バンダイ版との箱の大きさの対比がわかります。
野村トーイは、ダイカスト玩具こそ、当時のバンダイ製プラモの造形を踏襲したが、
↓野村トーイの「ダイキャスト」玩具は、球形のパルスレーザー等、若干の改良をしながらも、
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↑(ゼンマイヤマトの小改造で当時流通していた)バンダイの銀河モデル(1978年3月発売)の基本形状を、ほぼコピーしていた。
さすがに自社のプラモは別設計の必要に迫られ、
(そもそも野村トーイとしては初のプラモなため、
おのずと設計、製造が外注だったことも手伝い)
元図はバンダイに頼らず、件(くだん)の船舶図面を使用することに決定した。
〈パーツ構成〉
本ブログのアルカディア号の記事以来、エンプラの記事でもたびたびお世話になっている、絶版キットの所有数とネット公開頻度では他の追随を許さない、じうこ氏のブログより。
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↑このページより。
〈組立説明図〉
以前にこの記事を書いた時に使用した画像を、分割を変えて元画像のサイズで、ここに再公開。
もはや入手の経緯すら忘れたが(※一時期、キット実物を所有してました)、今回、意外な形で役立つことに。
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〈各部ディテール〉
↓(上1点)またまた、じうこ氏のブログ記事より。
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↑(下4点)原型師の真鍋正一氏より提供いただいた、キットの各部写真。
部品の各所に、船舶図面の痕跡がしっかりと残されている。
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設計図面だけに特有の、砲台から上方へと放射線状に伸びていく(赤で示した)ラインが、野村トーイのキットにもしっかり刻まれている。
なにぶん、現在プレミア価のついた高価なキットでもあり、
未組立の状態で所有している人はいても、
完成状態の画像には、なかなか行き着かない。
そこで、困った時のいつもの拠り所の、このサイトから。
〈完成見本〉
「Bクラブ」誌37号(1988)に掲載された、
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MAX渡辺氏の個人コレクション。
↓最大画像表示は、こちらで。
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サイズが最も近い、バンダイの1/1000ファイナルヤマト(下)と比較すれば、
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↑この作例の元画像はこちらより。各所、細部が改造され、キットのままではないので、参考までに。
まったく別の設計にもとづくことは明白だが、
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ならば設計図面や、その立体再現模型と並べて見ると、
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野村トーイのプラモは、横方向に寸詰めされていることがわかる。
これは伝聞で、自分で実際に読んだのではないが、
かつて模型誌(たぶんホビージャパン)で、
野村トーイの、ヤマトプラモ設計担当者にインタビューしていて、
当初は船舶図面どおりに立体化を試みたものの、
1/1200スケールでは、あまりにも各部が小ぶりになったため、
形状が特徴的な部分を温存、目立った構造物のない途中をまびいて、強引につなぎあわせるという、
一種のデフォルメ処理がされているんだそう。
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↑黒いシルエットは組立説明図より。
設計図面と重ね合わせると、中央はほぼ一致するが、先端と後端が大きくずれている。
これが、現在入手できる画像で可能な、検証の限界だす。
よって、野村トーイのヤマトプラモについては、この1回限りです。