『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』4DX
2021/3/6 ユナイテッド春日部 スクリーン6 F8
この日は用事で春日部に出かけ、
それが済んでから上映時間に間に合ったので、
先日『モンテッソーリ 子どもの家』を見た時に予告を見て、
「へえ、やるんだ」と印象に残っていた、
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の4DX版を鑑賞。
4DXの効果は、まあまあ。
何度も鑑賞した作品だけに、
現代の公開では4DXでハクをつけるのは意味があるだろうが、
それはあくまでもオマケの添え物で、
私はあらためて映画『レイダース』そのものの出来の良さに感心した。
要素にまとめれば、
- 映画としての骨格がしっかりしている
- 丁寧な作りで手抜きや妥協、観客への迎合がない
- 各スタッフが、自分の持ち場で最高の仕事ぶりを発揮している
- 役者の顔ぶれと演技が絶妙
- ローレンス・カスダンの脚本と、
- 彼が下敷きにしたジョージ・ルーカスとフィリップ・カウフマンの原案、
- スピルバーグの熟練演出、
- ダグラス・スローカムの撮影、
等々の総合力がすさまじく、先述のインディ・ジョーンズというキャラ名の信用度と同様に、
- カスダンの脚本なら、
- ルーカスやカウフマンの原案なら、
- スピルバーグとスローカムの演出と撮影なら、
——と記したばかりだったので、
改めて該当部分に注目してみた。
すると、
たしかにマーシャの進言前の構成どおりだと、
事態が落着して政府の使者とまとめの打ち合わせの席上、
「アークの調査に誰をあたらせるのか?」
というインディの問いかけに、
「生え抜きのトップだよ」と豪語しながら、
実情はまるで正反対で、
アークは人目に触れない倉庫にひっそりとしまわれてしまうという皮肉の対比は効きはする。
しかしここでインディとマリオンの和解が描かれなければ確かに物足りず、
「インディ・ジョーンズ」シリーズが、SWのように完全な子供向けでなく、
大人に向けた恋愛ドラマなことにも配慮が行き届いており、
なるほど、さすがはマーシャ・ルーカスだなと、思いがけず認め直した次第。
4.の配役については、
元来はトム・セレックのはずが、
またしてものルーカス作品再々起用の、
インディ役のハリソン・フォードはもちろん、
終始、瞳がウルウル気味の、極めて細見な女性のマリオン・レブンウッド役のカレン・アレン。
後続作は、『スターマン/愛・宇宙はるかに』(1984)以後は
とんと見かけなくなってしまった。
それから16年後の
『パーフェクトストーム』(2000)で、
実に久々に見かけた時には変わらず細身だったが、
8年後の『クリスタル・スカル〜』では、さすがに腰回りがダボつく服を着ていた。
↑細身には変わらなかったようだが…
ところで『レイダース』は、知らなくても映画本編を存分に楽しめる、
オマケの逸話や撮影裏話にあふれているが、
ベロック教授(ポール・フリーマン)が、口元にまとわりつくハエを食べてしまうと話題のシーン。
実際はハエは飛び立っていたが、編集でフィルムコマを飛ばしていた。
潜水艦に泳ぎ着いたジョーンズは、その後どうやってドックまでたどり着いたのかは、
映画では描写がなく、
到着時に服がズブ濡れなことしかわからない。
水面ギリギリで潜水中から突き出した海上の潜望鏡にしがみついて切り抜けたそうだが(…)、
それを端折って艦内の様子が描写される中に、
航海士が海図の上でコンパスを回す場面があるが、
演じているのはサウンドデザイナーのベン・バートっぽい。
(※色々調べても記録にはたどりつけないので、確証はありません)
アークを輸送予定の独軍全翼機の
パイロット役がプロデューサーのフランク・マーシャルで、
同氏は本作でスピルバーグのアシスタントだったキャスリーン・ケネディと後に結婚。
1991年設立のマーシャル/ケネディプロでは、
『シックスセンス』『ボーン』三部作などのヒット作を送りだし…
まではよかったが、
2012年にケネディがルーカスフィルムの社長に就任してからの惨状はご存知の通り。
「昔は良かった」と思い出させる、『レイダース』再見でした!