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映画『蜜蜂と遠雷』(2019)鑑賞記

『蜜蜂と遠雷』

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2019/10/8 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン3 H13

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本作を鑑賞した動機は、

前日の「しゃべくり007」に、本作主演の松岡茉優がゲスト出演し、

かいまみたこの映画の予告編に期待が持てたから。

 

 

でもって実際に映画本編を観た感想は、

予告編から受ける印象とは違ったが、

それでもかなり満足。

 

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最初から最後までじっくり見入り、

存分に堪能しました。

 

そういえば、執筆時間が限られ、

同じ日に観た

『見えない目撃者』について、書き漏らしたことがあった。

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↑今頃でてきた試写状の表と裏

 

この映画を高く評価したのは、

他作品との比較という意味合いもあった。

 

私は吉岡里帆について、

テレビCMで見かける程度しか知らず、

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 』(2018)

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で、初めて映画で接し、

大スクリーンで彼女の顔をじっくり拝めるだろうと楽しみにしていたが、

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ほとんど大映しにならず、

映画自体もクソつまらなく、

ホントに期待はずれだった。

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『見えない目撃者』は、

そんな『音タコ』と比べたら…

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いや、あんな駄作と比べるのが失礼で気の毒なくらい、

面白く引き込まれたし、

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吉岡里帆の表情もたっぷり拝めて大満足。

 

それから、『見えない目撃者』について感想を聞きたい、

と書いたら、

記事の公開たちまち、以下のコメントをいただいたのでここに転載。

 

トシ
 
面白かったです(^^)
いつも痛快なレビューをありがとうございます。
この映画を酷評したら、日本ではもうエンタメ系作品は成立しないのではないかと感じました。
日本映画というだけで、かなりハードルを高くしてしまってるのかもしれないですね。
昨年の↑『累-かさね-』と
↓『響 -HIBIKI-』に対する扱いも同じかもしれないですね。
『蜜蜂と遠雷』も良かった、というご感想にも私は同意です。(^^)
 
トシさんは、
じっくり私のブログを読み込んで下さっているみたいで、
ありがとうございます!
 
邦画ってだけで、たちまちダメと決めつける感覚は古いですよね。
 

というところで、

話を『蜜蜂と遠雷』に戻すと、

やはり他作との比較で語りたくなる。

 

満足感を持って見終えはしたが、

鑑賞中にはいくつか疑問があり、

まず第一は、出演者の演技力への疑問視があった。

 

審査員役で斉藤由貴が登場。

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近年の彼女の出演作と言えば、

『空母いぶき』の悪夢がよぎる。

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斉藤由貴とラーメンズ片桐仁が、コンビニ?おにぎりを取り合うシーンが不用な地獄展開。シナリオにあるからって、演ずる役者はお気の毒。

 

しかも今回は、斉藤は英語のセリフが多く、

「大丈夫なのか」と緊張感を持って映画を見つめた。

 

英語しゃべりがひどい女優と言えば、

『テラ戦士ΨBOY』(1985)の

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sai

早乙女愛にとどめを刺すが、

どうして同作脚本の原田眞人は、

1980年上映の『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』、

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1982年上映の『スター・ウォーズ』の

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びほん

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1982

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しろわく

日本語吹替版の翻訳監修と演出を担当。

その後で、

『ガンヘッド』(1989/監督・脚本)と、

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heddo

関わった作品のほとんどで、

自分が英語が堪能だからと、

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『ラストサムライ』(2003)

つたない役者連中にも、

平気で英語セリフをしゃべらせたのか?

 

あの居心地の悪い感覚が、

『蜜蜂と遠雷』の斉藤由貴で蘇るんじゃないかとハラハラしたが、

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今回は無難に切り抜けていた。

 

そのことからも、『蜜蜂と遠雷』の、

ホンモノっぽさ、ウソ臭さやインチキっぽさを払拭ふっしょくした雰囲気が伝わっては来るが、

とにかく私はピアノのことを知らないために、

演奏シーンがサマになっているのかは見抜けないし、わからない。

 

最近の映画だと、

『グリーンブック』

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ピアノ演奏シーンは、

他者の吹き替えを演者とデジタル合成でしのいだっぽいし(※未確認)

『この胸いっぱいの愛を』(2005)では、

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ミムラのバイオリン演奏シーンは、

ホンモノのバイオリニストの顔だけを彼女にすげかえていた。

 

『蜜蜂と遠雷』のピアノ打鍵シーンは、

松岡茉優の指は短めなので彼女本人の演奏に思われるが、

とにかく私は門外漢なので、

その筋の目利きの人の意見がぜひとも聞きたい。

 

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さて、『蜜蜂と遠雷』をみていてその他の疑問は、

映画オリジナルではなく、

原作があることは容易に察しがつくものの、

それがエンドクレジットで恩田陸の小説だったと知って驚いた。

 

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ピアノコンクールの話だったら、

小説や漫画は、

演奏を再現できないんだから不向きではないだろうか。

 

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かくいう私も、

小説を何本も書きためた経験があるが、

この『蜜蜂と遠雷』という映画を、

「自分なら絶対に小説に選ばない題材だなあ」

と思いながら観ていたのだけはたしか。

 

それぐらい映画向きの音楽映画にはなっていて、

反面、構成上そうするしかないにせよ、

ミュージカル映画から引きずる、

現実にはありえない、

「んなわけねえだろ!」な場面は、

上出来の『蜜蜂と遠雷』にだって、あるっちゃある。

 

それは栄伝亜夜(えいでん・あや=松岡茉優)が、

風間塵(かざま・じん=鈴鹿央士/すずか・おうじ)と、

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月に触発されて連弾する場面。

↓動画があるけど、

これを見て、「あれ?」と感じませんか?

 

最初にドビュッシーの『月の光』を2人で弾き、

これがフルでなく短縮バージョン。

続いて「ペーパームーン」が弾かれてますが、

これって即興ではありえず、

事前に打ち合わせて、練習してなきゃありえませんよね?

 

いやつまり、

「じゃあ、『月の光』は短縮版で、次は『ペーパームーン』で行きましょう」って、

先に2人で話し合ってなきゃ、

実際に成立しないシーンでしょ?

 

 

 

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yuko

まあ、ミュージカルや音楽映画は全て、

綿密な打ち合わせと事前準備、

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たび重なるリハーサルと練習の積み重ねの成果を、

いかにも即興のように見せかけるのがお約束だから、

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『蜜蜂と遠雷』だけが、

取り立ててダメってわけじゃないけどね。

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それから、題名が『蜜蜂と遠雷』なのは、

映画を見ただけではよくわからず、

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そこらへんも原作が物語の核を突いているのか、

映画がそこをあえて外して改変したのかも示していて、なかなかに興味深い。

 

良い作品を見たなと言う満足感と充足感があり、

濃密な時間を過ごせました。

ぜひご覧ください。

 


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