コンフィデンスマンJP
毎週月曜夜9時
コンフィデンスマンとは、コン=マン、つまり詐欺師のこと。
これにJP=JAPANがついて、さしずめ「日本の詐欺師」
本作の脚本、古沢(こさわ)良太は、
きちんと新しい物語を紡いで、
テレビ視聴者や映画観客を飽きさせず、
立派に通用するプロの脚本家である。
「リーガルハイ」(2012〜2014)
「デート ~恋とはどんなものかしら~」(2015)
古沢良太の前に、脚本家で同業の三谷幸喜
たとえば、
やはり脚本家の三谷幸喜(みたに・こうき)は「ウルトラマンジード」に心酔だったらしいが、
だからといって彼の作品の質が向上することはない。
円谷プロも、間違っても三谷脚本のウルトラマンなど考えないで欲しい。
なぜならこいつはビジュアル要素を徹底無視した、
映画/テレビドラマとは見当違いのあさって方向の脚本しか書かないからだ。
『ザ・マジックアワー』(2008)のハズレっぷりと、
現場映画スタッフへの過剰な媚び売りにはウンザリだった。
〈過去記事2013/11/11のコピペ〉
『ザ・マジックアワー』(2008)は、もっとひどかった。
「古き良き映画職人への賛歌」みたいな筋立てだったが、とても公開年に現役の映画監督の感覚とは思えない徹頭徹尾のアナログ志向に、そういう現実と乖離したおべんちゃらは、昔ながらの映画屋にも、かえって失礼で無責任ではないかと感じた。
どうやら映像感覚とか作品観とかが、映画というメディアが発明される以前の、前々世紀的で舞台演劇感覚どまりなところが、この人ならではの売りらしい。
とにかく近年の三谷作品の混乱ぶりはひどいもので、
どうして「古畑任三郎」(1994〜2006・「古畑中学生」2008)みたいに
「わかってる作品」をものにした人が、
「さっぱりわかってない」脚本を書き、
「ちっともわかってない」作品を監督するのか?
わかってたのは「まぐれ」じゃないのか、
脚本家は向いてるけど、映画監督はどうなのかと疑問符が浮かびまくり。
だいたい作家としてのコツをつかんだら、
新作の方が出来が良くなるはずでは?
一説には、1995年10月に電撃入籍した前の夫人、小林聡美がバックアップブレーンで、
三谷の原案をリライトしてまともな作品に化粧直ししており、
それが三谷の、
(オレの方がうまいのにという)不満と
(そのうちバレるんじゃないかという)不安につながり、
2011/5/23に離婚したんではないかというウワサがある。
↑そう考えると、なんとなくうなずける。
三谷と小林が結婚中の
1995年から2011年までの三谷監督映画には、
- ラヂオの時間(1997年、原作と脚本と監督・未見)
- みんなのいえ(2001年、脚本と監督・未見)
- THE 有頂天ホテル(2006年、脚本と監督)
——があり、下段三作は見たが、さっぱり感心せず。
それでも離婚後の2013年に『清須会議』(原作と脚本と監督・冒頭数分のみテレビ視聴)
歴史を知らないと面白くないと、
「裸の王様」的な言い訳が横行した、
歴史を知っててもクソつまらないドブ映画。
「オレの方がうまいのに」は証明ならず。
2015年にとうとう次の『ギャラクシー街道』(脚本と監督・未見)で“やらかした”ので、
それ以降、三谷映画は公開されていない。
『笑の大学』(2004・監督は星護)で稲垣吾郎メンバー(笑)、
『ステキな金縛り』で草彅(なぎ)剛メンバー、
『ギャラクシー街道』で香取慎吾と、
後の「新しい地図」3人組を起用しながら、
キムタクと中居クンは組んだことがないのが象徴的。
もっともSMAP起用のきっかけは「古畑」だから、
『ギャラクシー』がコケなかったら、
残りの二人と組んだかもしれないが。
とにかく『有頂天ホテル』以来、
なぜか観客に好意的に受け取られていた三谷映画が、
『ギャラクシー街道』で一変したから、
やっぱりバカと天才とは紙一重。
「裸の王様」三谷の真価を今でも見抜けず、
名脚本家、名映画監督だと思い込んでいる人も多いんだろう。
かくして『ギャラクシー街道』の醜態でわかるように、
三谷幸喜には
SFセンスもビジュアルセンスも皆無なんだから、
ウルトラを手がけるなんてもってのほか、
絶対にやめてほしい。
ようやく古沢良太について
ええっと、
古沢良太の脚本作に話を戻すと、
1作ごとに別のジャンルをものにし、
致命的な駄作がないのは、大したものだと思う。
一部には、
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あたりが大キライなラジオパーソナリティが、
古沢良太にも完全な拒否反応と嫌悪感を示し、
『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)
シリーズ『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007)
『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(2012)の評価もビミョーで冷笑的、
世評の良かった
『キサラギ』(2007)も否定的。
とどめは『エイプリルフールズ』(2015)で、
たしかその年のワーストだった。
それもあって、フジテレビ放映時にはスルーして見ていない。
私は『ALWAYS 三丁目の夕日』には感心したし、何度も見た。
『キサラギ』にも、思わず途中でしかけに気づいて「地震!」とつぶやいた時点で、やられたと降参した。
何しろ全作、
先例のまるごとマネやパクリでないから評価している。
たまにハズレもあるにせよ、
「こいつ、なんにもわかってないな」とまではドン底にまで失墜しない。
だから三谷幸喜とは脚本家の格が違うし、比べるのも失礼というもの。
古沢脚本のテレビドラマは、
「よくこのクオリティで毎回趣向を変えて、毎週続けるよな」
と感じるし、古沢作品に出演したい俳優も多いのではないか。
「リーガル・ハイ」は何作でも量産できそうだったが、
加賀 蘭丸(かが らんまる)役の田口淳之介が、
2016年3月31日付で、KAT-TUNを脱退し、ジャニ―ズ事務所を退社。
同年9月1日、自身の公式サイトにて活動再開を発表。個人事務所の株式会社Immortalを設立(時期不明)。11月2日、インディーズシングル「HERO」でソロデビュー。
2017年2月14日、ユニバーサルミュージックとアーティスト契約をしてメジャーデビューを発表。
——というわけで、出演不可能。
「デート」もつなぎ感覚で、とりあえず完結したので、
特番「デート〜恋とはどんなものかしら〜2015夏 秘湯」(2015年)があったものの、
これ以上の展開は無理がある。
やっと「コンフィデンスマンJP」
フジの凋落と月9の不振が続く中、
派手な打ち上げ花火として、鳴り物入りの最新作「コンフィデンスマンJP」だが、
残念ながら、あまりいただけない。
第1話は本放送を見のがし、同日に無料配信で鑑賞。
画面を食い入るように飽きずに見はしたものの、
鑑賞中に?の部分は、翌週の1時間バージョン短縮再放送でも同じ印象で、
すぐにネット記事でも矛盾が指摘された(後述)。
詐欺師3人組、
ダー子(長澤まさみ)、
ボクちゃん(東出昌大)、
リチャード(小日向文世)が、
1話では江口洋介(赤星栄介)をひっかける。
隠し資産を海外に移す目的で、
貨物船の船長を装ったリチャードが赤星に接触。
しかし偽装が発覚してリチャードは仕返しにあって重症を負い、
意識不明で入院のハメに。
冒頭の未唯mieをカモにするエピソードは、
映画『スティング』(1973)が下敷きだが、
視聴者は、だましだまされの連続展開にすっかり疑い深くなり、
すべてを疑心暗鬼の目で見るようになっている。
冷酷非情の江口/赤星が、
リチャードの裏切りに気づいて、
意識不明の重体で済ませるだろうか。
と思ったら、見込んだとおりだった。
一番マズイのは飛行機のくだりで、
これは後ほどわかるが、
わざわざ飛行場まで偽装し、
そこに長大な滑走路があって、
チャーター旅客機を着陸、離陸させること。
ホンモノの飛行場以外に、
日本のどこに、そんな設備がある?
とにかく機はマニラに向かうが、
バードストライクに立て続けに2回出くわし、
機体を軽くするため、
手荷物に持ち込んでいた現金入りのケースを、
搭乗ドアをこじあけて、機外に放り投げる。
ここまでの展開がウソ臭さの連続で、
実際に起きているとは信じられず、
このくだりがまるごと偽装ではないのか、
飛行機は本当は飛んでいないんじゃないかと疑っていた。
なにしろ、
状況の推移は、長澤/ダー子が扮したCAが
セリフで説明するだけで、
バードストライクの機外映像は一切ないのだ。
ところが
江口/赤星は現金を追って、
パラシュートを背負い、機外に飛び出す。
ってことは飛行機は実際に空を飛んでたわけね。
降り立った鳥取砂丘で江口がケースを確認すると、
中身は紙幣から紙切れにすり替えられていた。
(ダー子がケースをすり替えて捨てていた)
「これはアカン」
すぐに批判記事が出た。
2018/4/16
江口洋介の行為は即死モノ!
「コンフィデンスマンJP」に航空関係者が激怒
「空港のシーンでは茨城空港が撮影に協力しており、リアル感はバッチリ。作中に登場する“ライジングエアライン”は実機の映像にCGで外装を描き加えたもので、視聴者には本物の機体に見えたはずです。
そして機内シーンも実機さながらのセットで再現性はバッチリ。
これらのシーンは航空マニアの間でも『あの機材の正体は?』などと格好の話題になっていますね」
その一方で、(中略)現実にはあり得ないシーンも見られた。
その中でも航空関係者が「たとえドラマでもこのシーンだけは許せない!」と激怒する場面があったという。
航空ライターが続ける。
「飛行中にエンジンが停止した場面で、長澤らが現金入りのトランクケースを『重量軽減のため放出します!』と機外に投げ出したシーンはいただけないですね。
というのも、旅客機では飛行中にドアを開けることは自死行為であり、絶対にありえませんからね。
そもそもドアには気圧差でトンレベルの圧力が掛かっているので人力では開けられませんし、無理やりこじ開けたら長澤は機外に吸い出されていたはず。
海外では飛行中にドアを開けようとした乗客が客室乗務員に取り押さえられる事件が何件も発生しています。
それが今回のようなドラマが放送されると、『飛行中の旅客機から荷物を落とせるんだ!』と間違った情報を視聴者に植え付けかねません。
たとえフィクションであっても航空の安全にとって脅威となる描写は、厳に慎んでもらいたいものです」
なお江口がパラシュート降下するシーンも、現実にはほぼ確実に命を落とす危険な行為だという。
コメディドラマゆえに現実にそぐわない場面は許容されがちだが、
命に係わる描写については細心の注意が求められるようだ。
さらに追い討ちをかけるように、
アメリカではこんな事故も!
窓割れて乗客が機外に吸い出されそうに 米機事故
2018/04/18 10:30
爆発音があった後、左側のエンジン周辺から飛び散った部品で客席の窓が割れ、
そばに座っていた女性が窓から外に吸い出されそうになったということです。
割れた窓は枠だけが残った状態で、衝撃の大きさを物語っています。
事故機は緊急着陸しましたが、この事故で吸い出されそうになった乗客1人が死亡し、少なくとも8人がけがをしました。
これに関するテレビ報道では、
事故機は高度8800メートルを飛行中で、
機外は0.2気圧。
機内は1気圧を保っているので、対比は5倍。
機内の気圧が、機体の内壁を外に向けて強く押し続けるため、
ハッチは人力では開かない。
もしも開いたら、機内の濃い空気は、機外の薄い空気の方にどっと流出するため、
解放口近くの人間は巻き添えで外に吸い出される原理。
というわけで、
「コンフィデンスJP」は、とにかく飛行機がらみの展開がデタラメ尽くしで、
もはやだます/だまされるレベルをどうこう言ってる場合じゃなく、
せっかくこれまで積み上げてきた、
古沢良太の信頼も一気に揺らいだ。
信用は勝ち得るには時間がかかるが、
失うときは一瞬だとよく言う。
毎週放送のテレビドラマだから、
予算と手間のかかる画像加工は“はしょられ”、
バードストライクが本当か偽装か示さず、
セリフでごまかしてるのも仕方ないんだろうが、
総合視聴率(リアルタイム+タイムシフト)で16.7%だったのが、
『コンフィデンスマン』面白いのに視聴率急落!
バカバカしすぎて視聴者が拒否反応?
私も第2話は緊張感が解けてしまい、
画面は時折眺める程度で、
セリフを聞いて済ませてしまった。
第3話「美術商編」も、
ながら視聴をしていたが、
どっこいけっこう面白く、
放送終了後にFODで改めて見なおしたが、これはよかった。
そんな振り袖みたいな格好で油絵を描いたら、服が汚れちゃうよ、
くらいは、大学が美術科で油絵専攻だった身としては感じた。
視聴率も盛りかえしたらしい。
あの馬場ふみかが出てたんで、点が甘いかも。
なんだかんだ、もっともらしく書いたが、
結局、吉瀬美智子や、
長澤まさみのように肩幅が広く、
四角く張った怒り肩の女性より、
スリムで華奢(きゃしゃ)で“はかなげ”で、
肩幅もやや狭めな、
※顔の大小や衣装で見え方も異なります。
馬場ふみかの方が、好みだっただけかもよ。
「ゴッドファーザー編」は、
第1話だからと気合いを入れすぎて、
しかけをデカクしすぎたね。
もう少し様子を見ようかな。
って、
観点がこれじゃあ、
脚本の善し悪しは、あまり関係ないような…。