※毎週、本ブログの
「宇宙戦艦ヤマト2199」
関連記事のみ閲覧の方は、
本日の記事を読んでいただく前に
こちら(訃報:吉田昌郎氏)もついでにお読み下さい。
それから、すでに前回からそうなってますが、もうこれまでのように、各話の「感想」という形はやめることにします。
というのも、この作品(宇宙戦艦ヤマト2199)全体に横たわる問題は、各話の個々の事象を列挙するだけでは見えてこず、半分を過ぎたことだし、そろそろ(さすがに)総合分析に移りたいからである。
その分析の端緒として15話に触れておくと、
けっこう起伏に富んだ内容のはずなのに、
タイクツきわまりなく、途中で眠りそうになった。
とにかく、作り手が持って行きたい話の方向に興味も持てず、そもそもの「持って行き方」にも、きわめて不満。
人工食糧合成装置(オムシス=どうやら排泄物から食べ物を作ってるらしい)の不調で、クルーの士気が低下。
得策でない戦いを回避するためにワープで逃げるが、
中性子の影響?で、よりによってドメル艦隊の只中に身を投じてしまい、必然的に総力戦に。
ガミラスの仕掛けた罠に落ちるのではなく、ヤマトの方からまんまと火中に飛び込んでくれたのは、覚えているだけでも、次元断層に続いて二度目である。
討伐必至なヤマトの側の、「たまたま偶然」なしには、接触や交戦の機会が得られないんじゃ、智将も歴戦の勇士もへったくれもないんでは?
ストーリーテリングのまずさに話を戻すと、
「2199」の話の持って行き方は常日頃から強引な反則技で、流行りのケータイメール詐欺に通じるところがある。
はんにゃの金田が引っかかったヤツに、
「私がマネジャーをしているタレントの誰々が、あなたに相談したいことがある」
というのがあった。
話が進んでいくうちに、「これ以上の情報を得るには、通信料の3000円を振り込め」ってやつ。
一般人でもけっこう被害があるそうだが、金田は芸能人だから、そういう相談に疑問を抱かなかったわけだが、とにかくこの詐欺の特徴は、カモにする相手をジェットコースターに乗っているように、次々に極端な非日常で徹底的にゆさぶって、そもそものきっかけ(相談したい某タレントからの依頼)に意識を戻さないところにある。
ジェットコースターに乗ってワーワーキャーキャー言ってる時に、
乗るかどうか迷っていた時を思い出す人なんていない。
「2199」も、
「もう話はここまで進んじゃったんだから、“とっかかり”(=話し始め)を蒸し返さなくたって、いいじゃないか」
的な、できれば視聴者に、そもそもの出だしの部分は忘れてもらいたがっている雰囲気がプンプンしている。
ひるがえって、天海祐希が犯人役だった、先日の「ガリレオ」の最終回。
したたかな天海に、さしもの湯川(福山雅治)も、検挙はムリとあきらめかける。
だが、形勢を逆転したのは、
美人の天海に、鉢植えの水やりを頼まれて、愚直にその務めを果たしていた、ハライチの澤部だった。
ちゃんとしたドラマなら、ただ単に愚かな振る舞いのようにちりばめられていた澤部のこと(前フリ)を、お客にしっかり覚えておいてもらわなければ、オチにつながらない。
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反対に、話し始めを客に覚えててもらわれると都合が悪い「2199」なんて、「詐欺」とか「ポンコツ」「イディオットプロット」とか「反則技」と呼ばれても仕方ないのではないか?
次回は、「なんでこんな無神経なことを、平気でできてしまえるのか」について、分析する予定。
明日は
キミもMay J.と握手!〈その2〉
ですので、お楽しみに!
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