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ドラケンじゃないのよ、ホークは、ハッハー!

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成田亨作品集
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前に、
私のブログの「ウルトラ」関連知識と、
ヤマダマサミ氏のブログで情報が食い違う場合、
必ずヤマダ氏の方が正解

——と紹介した。

だけど、両方照らし合わせて、
時期の異なる記事情報に敏感で、
その差を自分で埋められる読者など、
どれほどいるのか。

ヤマダ氏は心優しいお人柄で、
私の記事が間違っていても、
「それは違います」
とは言って来ず、
後日さりげなく、ご自身のブログで修正記事を出してくれる。

それがここに来て、たまりにたまってしまった。

とても1回では紹介しきれないので、
小出しに要素を分けることにした。

その1回目は、
メカコレクション ウルトラマンシリーズ
が最近発売されて、
再び注目されている、
ウルトラホーク1号。



本ブログでは、ちょうど1年前の2015年3月8日に
ミクロマンのタワー基地(1974)
を語った
際に、
土台の戦闘機(ベース・ロケッター)は、
ウルトラホーク1号(1967)がデザインの元ネタでは、
タワーホーク
——と言う形で取り上げた。

そしたら、Twitterで、
「ホーク1号について語るなら、サーブ35ドラケンについて触れないのは片手落ち
という旨のツイートを見つけた。

mkmk

なるほど、それは気がつかなかった。

だけど、「エリア88」(1979~86)経由で、
サーブドラケン
を知ってたこっちは「なるほど」でも、


↓昔はこのキット(タミヤ 1/100)しかありませんでした。

当時の円谷プロのデザイナー陣、
といったら、成田亨氏になるわけだが、
ドラケンなんてマイナーな機体、知ってたのかね?

aaaa

ドラケンの初飛行は、1955年10月25日
運用開始は、1960年。
「ウルトラセブン」放送の7年前だから、
参考にできなくもないが。

というわけで、
生前の成田氏と面識のあるヤマダ氏と会った時に、
この件を訊いてみたら、
「成田さんはドラケンなんて知らないから」
とのことだった。

真相は、こちらを参照

ヤマダ氏のブログでは総論のため、省略されているが、
変更を経て、マイティ号(1968)や、
まいてぃ


ウルトラホーク3号にも転化された、
1234
『シスの復讐』(2005)のトライファイターは、ホーク3号にシルエットが似ている。でもパクリじゃないぞ!

1/72特撮シリーズNo.02 ウルトラ警備隊 TDF UH-3 ウルトラホーク 3号
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成田亨バージョンの空中戦艦の基本フォルムが、
ホーク1号だったなら、
「これのどこが、戦艦やねん!」
という気もするが、
実はトンデモ超兵器が装備されていて、
それはホーク1号のα(アルファ)号の機首、
つまり先端がガボラのヒレみたいに
mkm
パカッと割れて、
先割れの頂点部に装備されたビーム砲が、
デス・スターのスーパーレーザーみたいに、
っm
収束して放たれる予定だったそうな。

このぶっ飛んだ発想には、
サーブドラケンとの接点は何もない。

しかしこういう、物故者を知り、その意図を理解する、
ヤマダさんみたいな「手がかり」がないと、
単に形態の類似と、時期的な照合だけで、
パクったと断定され、
そのまま定説になっちゃうから、コワイよね。

↓もっとも、これだけ似ていりゃ、
いおいおい
デザイナー自身を知らなきゃ、
パクりと思われてもしかたない。

この、あまりにもソックリすぎるのも、
こと成田亨氏に限れば、
逆に参考にしていない証ともいえる。

成田氏ご本人が打ち明けているように、
既存デザインを参考にした例も皆無ではなく、
↓ギルマンが
ここ
↑ラゴン、
seisaku

↓ロビー(左)がユートム(右)、
ああああ
↑メタルーナ・ミュータント(左)がバド星人(右)
——と、「いわれてみればなるほど」から、
およそ元ネタが類推できないものまで、
とにかく、
並べて見ればたちまち、子供でもわかるような
比較
コピペ、
ボマー
トレース、
ガンシップ2種
丸パクリはしていない。

成田氏と、学生時代から亡くなるまで、20年以上の親交があった、
マーミットの赤松和光氏によれば、
それでも、バド星人をメタルーナから転用したときは
後悔しきりで、二度とやるまいと心に決めたという。

これは成田氏の画集にも言及があるそうだが、

忙しい時にヒントを他の作品から得てしまうのは、芸術家として負けであると考えていました。
引用していいのは、古典と自然だけで、
現代の他作品は一切見ないようにしていました。

——とも。

ほんと、
ダグ・チャンとか、
des
佐野研二郎みたいな、
となると
デザイナーとは名ばかりの恥知らずなやつらに、
聞かせてやりたいよ。


というわけで、
よい子のみんなは、
ウルトラホーク1号の元ネタは、
ききき
サーブ35ドラケン
なんて、もう言ってはいけないよ。


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