ポピー用ウルトラマンジョー／恥ずかしい写真（15）

２回ほど、「恥ずかしい写真」に行き当たらなかった、
このコーナーですが、
今回は見つかりました！
（※と、まずは書いておかないと、つい話の方向を見失ってしまう）

これ（ジョーニアスとU40の仲間たち）の続きで、
アニメ「ザ☆ウルトラマン」のウルトラマンジョーニアス（1979）の、

↓左が設定資料用の色見本だが、ヒーロー性にイマイチ欠けるためか、

↑右の代表ビジュアルが描き起こされて、広報資料用に活用された。

「恥ずかしい写真」探しのため、
「絵」ではなく、「写真」に焦点をあてる。

ジョーニアスは、
他のＵ40のウルトラマン（妹アミア、戦士エレク、ロト、メレグ、ノア、ミゲル他２名）

——をさしおいて？、
彼だけが、人が着用して演ずる（実写用）スーツが存在する。

それもぜいたく？に、大別して２タイプも！

タイプＡは、
「ザ☆ウルトラマン」放送開始に合わせ、
玩具会社のポピー（バンダイのキャラクター玩具用レーベル）
の商品パッケージ用に製作されたもの。
なので時期的に、放送開始時の呼称「ジョー」であって、
「ジョーニアス」（1979年８月15日放送の、第20話「これがウルトラの星だ!! 第2部」以降）ではない。

だからもちろん、
↓1979年の「ザ☆」関連ポピー商品には、

↑ほぼもれなく、このタイプＡスーツの写真が添えられている。

この商品向け写真の撮影時に、スーツを着込んだ人の体格は、
お世辞にもナイスプロポーションとは言いがたく、
↓ポピー商品同梱のカタログ等の印刷物より、スーツの写真を抜粋。

↑写真によっては、胸のあたりでスーツをたぐり寄せて寸詰めをしていたりと、
苦心の跡がうかがえる。

だが、スーツ完成時の撮影では、手脚のスラリと長いアクターが着用しているため、
アニメの絵柄の脚長もかくやの、
理想のウルトラマンジョー像が出来上がっている。

元画像は、こちら他、現在はトレース不可な数ページより。

このポピー用タイプＡ、
造形とスーツ製作は、
円谷プロ主導だった。

だから「ポピー版」でも「ポピー製」でもなく、「ポピー用」

次回で詳しく触れるタイプＢの頭部原形が、
長い間、開米（かいまい）プロに保存されていたことからも推察できるように、
造形担当は、同プロダクションだろう。

タイプＡに話を戻して、よくいわれるのが、
頭部造形が、アニメ設定に忠実と言うこと。

たしかに正面形で、あごのラインが野球のホームベースみたいなその顔つきは、
ザブングル加藤歩や、
↓ＳＭＡＰの草彅（なぎ）剛に似ているが、

↑そもそもアニメ版のデザインがクサナギチックだったことからも、
逆説的に、それに忠実な造形と評価できよう。

——というのは、あくまでも“とおりいっぺん”の評価に過ぎず、
実はこの頭部造形、なかなかの“クセモノ”なのだが、
それについて語るには、
タイプＢ以降の画像も欠かせないので、
次回以降に持ち越しで。

とにかくタイプＡはポピー用だったため、
把握する限り、
それ以外の1979年当時の露出が一切なく、
グループ会社で、老舗「バンダイ」ブランドを堅持していたプラモデル
（現在の「ホビー事業部」）であろうと、

プラモの箱絵は常にイラストで、実物スーツの写真は一切使わなかった。
（社内機構的にも対外的にも、ポピーとバンダイは別会社という建前もあったにせよ）

また、話ついでに、スーパーマードックのプラモに、
プレゼント商品仕様の、ロッテ版の箱があることにも触れておこう。

ロッテと言えば、「W3（ワンダースリー）」「マグマ大使」と、
かつての「ウルトラ」シリーズの対抗番組のスポンサーだったので、
そのロッテが、ウルトラのスポンサー（数社合同だが）になったのは感慨深い
…とか思ったけど、
確認したら、
ロッテの「ウルトラ」シリーズ、スポンサー歴は、
●1971年～1975年（「帰ってきた」「エース」「タロウ」「レオ」のシリーズ第２期）
●1979年～1981年（「ザ☆」「80（エイティ）」のシリーズ第３期）
——となっていて、いわば「とっくの昔から」だった。

「ザ☆」からスポンサーに加わったのは、
江崎グリコの方だった。

↑グリコの販促グッズ。

ああ、そうそう、今回の「恥ずかしい写真」は、
次回に紹介予定の
タイプＢのスーツに取って代わられ、
今では完全に「なかったこと」にされて、
ウルトラマン史から抹消された、
いわば黒歴史の、
ポピー用タイプＡの画像すべて、
ということになります。