【SWココラジ#023】
『ブラック・レイン』
午前十時の映画祭13
TOHOシネマズ錦糸町オリナス スクリーン8 C-9
私は実は、これまでリドリー・スコット監督作の
※2012年ごろ
『ブラック・レイン』を未見のままだった。
初公開年の1989年(アメリカ本国9月22日・日本公開10月7日)といえば、
私は28歳!で、中学校の美術教師としての浦和での本格勤務の4年目。
当時の浦和には1985年に洋・邦東宝系封切館の浦和ヴェルデ東宝が
開館まもなかった(1985・昭和60年 - 2スクリーンで開業)が、
地元の草加にも東宝邦画封切館なら東武松原シネマ1もあったし、
『ブラック・レイン』ほどの東宝系洋画大作なら、
当時なら新宿プラザか、
有楽町の日本劇場で観るに限ると、
旧・日劇跡地に有楽町センタービル(有楽町マリオン/マリオン)が新築。
「日本劇場」は11階にあった。
浦和での鑑賞を避けていたら、いつのまにか気を逸していた。
これは今でもそうだが、自分にとって映画は映画館で観るものなので、
後年のテレビ放送版も「どうせ妙ちくりんな吹替版だろ」と、たかを括って未視聴。
テレビ放送
- 地上波全国ネット(フジテレビ『ゴールデン洋画劇場』)で初放送された際、吹替版ではなく字幕版で放映された。しかし同じ『ゴールデン洋画劇場』で3回目は吹替版が放送され(吹替版初回放送:1996年3月9日)以降テレビ東京『木曜洋画劇場』でも吹替版で放送された。出演した日本人キャストの英語台詞部分をキャスト本人が吹き替えるのが通例であるが、日本人キャストで本人が吹き替えたのは大橋役の神山繁(DVD版も担当)と佐藤の子分役のガッツ石松のみ。一方で吹き替え収録時、故人となっていた若山富三郎は小林勝彦(DVD版は藤本譲)が英語台詞の入る場面(ゴルフ場、菅井の自宅、ニックに散弾銃を渡すシーン)を日本語の台詞も併せて吹替え(吹替台詞も関西弁になっている)、日本語のみの部分は原音で対応した。松田優作は製鉄所内でニックに呼びかけるシーンで英語の台詞を言っているが、その箇所だけカットして対応した。
- 木曜洋画劇場で、製鉄所構内を走るダンプカーのアンドンに描かれていた『エンドレスナイト(当時関西テレビで放送されていた関西ローカル番組)』の文字と『フジサンケイグループの目玉マーク』は映像処理されず、そのまま放映された。
等の諸般の事情も全くあずかり知らぬまま、初公開から34年が経過してようやく、
私が見逃している数少ないリドリー・スコット作品の1本をようやく制覇。
残りは、
- デュエリスト/決闘者 The Duellists(1977年)カンヌ国際映画祭新人監督賞
- レジェンド/光と闇の伝説 Legend(1985年)/同・ ディレクターズカット Legend Director's Cut(2002年)
- 誰かに見られてる Someone to Watch Over Me(1987年) - 兼 製作
- テルマ&ルイーズ Thelma & Louise(1991年) - 兼 製作
- 1492 コロンブス 1492: Conquest of Paradise(1992年) - 兼 製作
- 白い嵐 White Squall(1996年) - 兼 製作総指揮
- G.I.ジェーン G.I. Jane(1997年) - 兼 製作
- マッチスティック・メン Matchstick Men(2003年) - 兼 製作
- キングダム・オブ・ヘブン Kingdom of Heaven(2005年) - 兼 製作/同 ・ディレクターズ・カット Kingdom of Heaven Director's Cut(2005年)
- それでも生きる子供たちへ All the Invisible Children(2006年)オムニバス映画
- プロヴァンスの贈りもの A Good Year(2006年) - 兼 製作
- アメリカン・ギャングスター American Gangster(2007年) - 兼 製作/同・ エクステンデッド・バージョン American Gangster Extended Version
- ワールド・オブ・ライズ Body of Lies(2008年) - 兼 製作
- ロビン・フッド Robin Hood(2010年) - 兼 製作
- 悪の法則 The Counselor(2013年) - 兼 製作/同・エクステンデッド・エディション The Counselor Unrated Extended Cut(2013年)
- エクソダス:神と王 Exodus:Gods and Kings(2014年) - 兼 製作
- ゲティ家の身代金 All the Money in the World(2017年) - 兼 製作
- ハウス・オブ・グッチ House of Gucci(2021年) - 兼 製作
の18作品となり、
それに対して鑑賞済み作品は、
- エイリアン Alien(1979年)
- エイリアン ディレクターズ・カット Alien: The Director's Cut(2003年)
- ブレードランナー Blade Runner(1982年)
- ディレクターズカット ブレードランナー 最終版 Blade Runner:The Directors' Cut(1992年)
- ブレードランナー ファイナル・カット Blade Runner: The Final Cut(2007年)
- ブラック・レイン Black Rain(1989年)
- グラディエーター Gladiator (2000年) アカデミー作品賞
- グラディエーター エクステンデッド・エディション Gladiator Extended Cut(2005年)
- ハンニバル Hannibal(2001年) - 兼 製作
- ブラックホーク・ダウン Black Hawk Down(2001年) - 兼 製作
- ブラックホーク・ダウン エクステンデッド・カット Black Hawk Down Extended Cut
- プロメテウス Prometheus(2012年) - 兼 製作
- オデッセイ The Martian(2015年) - 兼 製作(※テレビ放送吹替版を視聴:2018年8月3日)
- The Martian: Extended Edition(2016年)- 日本未公開
- エイリアン: コヴェナント Alien: Covenant(2017年) - 兼 製作
- 最後の決闘裁判 The Last Duel(2021年) - 兼 製作
- ナポレオン Napoleon(2023年) - 兼 製作
と、見た本数の方が少ないことが今さら判明。
にしてもリドリー・スコット、常に第一線で活躍し続ける監督なんて、近年めっきり衰えたスピルバーグやスコセッシよりも盛んで、イーストウッドに匹敵するのではないか。
はてさて、肝心の『ブラック・レイン』だけど、デジタルVFXが映画界に導入される以前に撮影された断末魔の生撮り映画で、それだけに全てがド迫力!
松田優作の鬼気迫る演技と身のこなしとアクション。
たまたまこれに先駆けて視聴した配信ドラマ
「ケンシロウによろしく」(たしか4話まで視聴)の主演、
息子の松田龍平と顔つきこそ瓜二つだが、
父親のドスの効いた低音の声色は、息子のなんとなくいじけたひねくれ声とは似ても似つかない。
他の出演者では、「カーク・ダグラスの息子」評価から、『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(1984)『危険な情事』(1987)等ですっかり脱却していたマイケル・ダグラス。
『アンタッチャブル』(1987)で見かけたことをすっかり忘れ、本作『ブラック・レイン』に出ていたことも知らなかったため、『ゴッドファーザー PART III』(1990)で見かけても「こいつ誰やねん」だったアンディ・ガルシア。
いつでも安定演技の高倉健。
【吹替情報】松本役は高倉健がギャラとスケジュールの関係から起用が見送られ、日本語の台詞も含め大塚明夫が吹き替えた(DVD版は立木文彦)。
これまた、いまだ未見!の『太陽の帝国』(1987)以来か、アメリカ大作映画に出演が目立つガッツ石松。
キツい顔の美人、ケイト・キャプショーなんて、
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)と『スペースキャンプ』(1986)以外で見た覚えがなかったが、1991年にスピルバーグ夫人に収まる前に、本作に出ていたとはね!
いやもう、ほんとに、「午前十時の映画祭」では上映終了かもしれんけど、
※グループBは2023年12月21日まで!
とにかく『ブラック・レイン』未見の方は、原語音声字幕版でご鑑賞ください。