『ボルテスV:レガシー』と『シン・仮面ライダー』の対比
以前にフィリピン製の『ボルテスV:レガシー』の動静に興味あり、と書いたが、
と思ったら、すぐさま削除されてしまった。
幸い私は間に合って視聴し、アニメ「超電磁マシーンボルテスV」の実写+CG徹底再現に努めたその内容にひたすら感心。
これはよほど原作愛と観客へのサービス精神に溢れなければできない偉業で、視聴者の誰もが納得感心こそすれ、文句を言ったり不満を抱く人はまずいないのではないか。
とにかくキャスティングがドンピシャリで、
ド・ズール
プリンス・ハイネル
リー・カザリーン
ルイ・ジャンギャル
ド・ベルガン
皇帝ズ・ザンバジル
剛 光代
浜口博士
ボルテスチーム
剛 健一
峰 一平
剛 大次郎
剛 日吉
岡 めぐみ
よくある「アニメの実写化なら白人に演じさせときゃ間違いない」という勘違いから繰り返され続けた、
「ガンダム」等のミスキャスト乱れ打ちの悪しき先例に堕すことなく、これまた誰からも文句の出ない雑妙な配役。
セリフはタガログ語と英語がごちゃ混ぜ(フィリピン作品の典型例)だが、アニメの第1話に即しているのでセリフが分からずとも理解はできるし、肝の合体シーンで流れる「ボルテスVのうた」はしっかり日本語歌詞なのでえらく感動。
気がつくと涙が…。
こういう見事な現代版復活作品を見ると、
果たして本家東映が、
2025年春に実写化するという「ゲッターロボ」が、このクオリティを超えられるかはかなり怪しいと予想するし、
「これこれ、こういう風にやって欲しかったよな」と今更ながらに悔やまれるのは、
何をおいても『シン・仮面ライダー』である。
この作品について否定的なレビューを挙げると、
庵野信者が群がって「お前は何も分かってない」とバッシングするらしいが、
まともな劇映画として「てんでなってない」惨状は『シン・ゴジラ』(2016)以来変わらず、
しかも回を追うごとに事態は悪化し、
それを如実に反映する興収が、実写映画では『シン・ゴジラ』の82.5億円から約半減の『シン・ウルトラマン』の44.4億円。
さらに約半減の『シン・仮面ライダー』の22.2億円(2022/5/7まで)とまるで奮わず、
観客にはっきりと庵野作品疲れ・呆れ・失望が見えているのに、
「公開のたびに色々言われる」「次回作構想は既にある」と自己擁護が止まらない庵野暴走をそのままにしていいのか?
まともな映画を見慣れているアメリカ市場では庵野作品はまるで奮わず国際興行力はさっぱりだし、
逆説的にフィリピン版『ボルテスV:レガシー』が、もしも庵野作品みたいにグダグダだったら、
世間から猛反発を下ったろうと推測すれば、自ずと失敗作と成功作の見分けもつくだろう。
そうこうしてたら、オリジナルの仮面ライダー2号/一文字隼人役の佐々木剛氏が、「正直、別物で不愉快だったね。なにか作りたいものがあるなら一から新しく作れと言いたい」と表明し、まさに我が意を得たりとこの意見表明を歓迎した。
庵野信者が信奉するのはその人たちの選択なんで「どうぞご自由に」でかまわないけど、そうでない人の意見や信念にまでつべこべ言うのはやめて欲しいよ。
私は『シン・仮面ライダー2