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『ロストケア』必見の衝撃作

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必見の衝撃作『ロストケア』

2023/4/10 テラスモール松戸 1スクリーン B-08

 

この日の鑑賞メインは、あくまでもダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』の方で、

 

それが終映午後11時の超・最終回だったため、

その前にテラスモールに着いたら、

ついでに他の映画も観ておくかと。

 

到着間際の時間だと、

『ノック 終末の訪問者』も鑑賞可能ではあったんだが、

もう上映が始まってたんで、

先日の『わたしの幸せな結婚』(途中入場)みたいになっちゃイカンとも思い、

 

となると、『ダンジョンズ〜』の前に鑑賞できるのは一本だけ。

ならば注目していた『ロストケア』にしようかなと。

 

内容については事前に情報収集しないので、

おぼろげに「あの事件の映画化だろ」と思ってみたが、

色々とそれは異なっており、

経緯は最近恒例の、

↓この動画でようやく明らかになった。

2023/03/31

 

それを抜きにして映画『ロストケア』の感想を述べると、

思い切り見応えのある鑑賞体験にアクビも全く出ず、

冒頭の数カ所では仕掛けられた笑いの小ネタに小気味よく反応。

 

だが話が進むにつれて、

どんどん内容が深刻になっていき、今度は悶え苦しむうなり声だとか、

同意のうなずき声、感極まっての号泣の嗚咽と、

とにかく声を出しまくって観てしまった。

 

最前列で周りに誰もいないからこそ、そういう鑑賞態度もできたわけだが、

それぐらい観客の心と反応を揺さぶる映画だったことは間違いない。

 

冒頭から出てくる長澤まさみも近年の他作品より

MOTHER マザー(2020年7月3日公開)

コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年7月23日公開)

すばらしき世界(2021年2月11日公開)

シン・ウルトラマン(2022年5月13日公開)

 

研ぎ澄まされて美しいが、

 

個人的にはひさびさ(GANTZ PERFECT ANSWER・2011以来12年ぶり?)の

まつけん

かまえ

ほのお

松山ケンイチのなりきりぶりにも圧倒された。

笑いと涙の波状攻撃は、

ドラマが進むにつれて深刻な涙ばかりの連続に移っていき、

ところが最後近くで皮肉な笑いの揺れ戻しが1回あって、

『万引き家族』(2018)の松岡茉優みたいな役柄で、

悲惨な衝撃体験でぶっ壊れた人間のその後のグレ方が『ひろしま』(1953)を想起させる

足立由紀役の加藤菜津が絶妙!

 

いやはや、つくづく凄まじい映画です。

 

あるカップルが、どの映画を観るかで揉めて、

女性側が長澤まさみのファンだったので『ロストケア』を鑑賞、

男性側が『シン・仮面ライダー』を観たそうだが、

結果論として『シン』の方を見たって長澤まさみも出てきたし、

キャストかぶり(かすり)について言えば、

一文字隼人役の柄本佑(たすく)と縁のある人が、

『ロストケア』には出てきてさすがの名演を見せてくれます。

 

ついでながら『シン・仮面ライダー』のアップデート。

 

この記事(ドキュメント「シン・仮面ライダー」~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~)についたコメント

ベラデン 

私もシン仮面ライダーの出来には不満でしたが、こういった背景を知ったら余り責められないですね。
今回の不幸は巷でよく言われていますが、庵野監督の盟友・樋口真嗣監督が不在だった事に尽きると思います。
シン・ゴジラもシン・ウルトラマンも実質、樋口監督との共同作業でしたから万人受けする作品に仕上げられたんだと思います。樋口監督は庵野監督の意図をよく読み取った上で難解な庵野カラーを上手く調整して観客に楽しめる様に仕上げてくれてるので庵野監督もやりやすかったんでしょう。
今回は残念ながら頼みの樋口監督が不在だった為(時期的に仮面ライダーBLACK SUN制作に携わっていたと思われ)に全て庵野監督一人でやらなければならなかったので相当プレッシャーが半端無かったでしょうね。そう思ったら本当に気の毒です。
樋口監督がいたらもう少しマシな出来映えになったと思うと非常に残念です。

既に続編制作を立ててるらしいですが、次は樋口監督と共同でやってくれる事を願ってなりません
ADDICTOE
>ベラデンさん

樋口真嗣って、高校時代から学生服にチャリで砧の東宝撮影所に出入りしてたんで、ガチの東宝監督で、ガメラこそ大映、さくや妖怪伝はワーナーですけど、東映単独の映画には参加しないんじゃないでしょうかね?
 
と返事してしまいましたが、
確かに「仮面ライダーBLACK SUN」には、コンセプトビジュアルで樋口真嗣氏も名を連ねていましたので前言を撤回します。
すみません。
浜辺美波だってガチの東宝女優(第7回『東宝シンデレラオーディション』に応募、ニュージェネレーション賞を受賞し芸能界入り。東宝芸能のシンデレラルーム所属となる)なのに、東映『シンライダー』起用のきっかけは、庵野氏が東宝カレンダーで目に止めたそうですから、映画会社の壁は現在では関係なさそうですね。
 
しかし樋口氏が「BLACK SUN」に参加しなければ『シンライダー』に参加できたかというと話はそう単純なものではない。
のろわれた
そこで間違えた舌の根も乾かぬうちにまたエラソーに勝手分析しますと、
庵野氏が自分で司会を買って出ての「満員御礼舞台挨拶」は、
2023/04/09
2023/04/09
多分に自己正当化と作品批判封じ(「色々言われちゃうんで」)によるロンダリング感満載で、
庵野氏本人としては東映の『シンライダー』と同体制を引き継ぐ形での続編『マスカーワールド(仮)』制作を切望しており、
樋口真嗣氏の介入がなく、自分の意図通りに誰の手出しもなく完成した作品が、『シンゴジ』『シンウル』よりも気に入っているだけに、次回作は『シンウル』第2・3弾ではという世間の勘ぐりで『シンライダー』続編制作が危ぶまれるのを防ぐ目的だったようですが、だからゴーサインってことにはならないと思いますよ。
 
話をようやく『ロストケア』に戻せば、脚本(龍居由佳里、前田哲)がこれまた見事で、
役者がセリフを区切ってしゃべると、
観客は次にどう言うかが容易に予想でき、
その通りの内容が語られるので、ますます頷きと唸り声が増すと言う構造。
 
この手の社会派の映画は難解に陥りやすいが、『ロストケア』にはそんなところは全くない。
現実に即した内容だと、どうしても事実に即しているかがネックになる。
実際に一部の介護職経験のある人たちからの採点は辛いようだが、
介護の現場がリアルに描かれれば必ずしも良い映画とはならないので、この人に全く刺さらず批判的に敵意むき出しでしか
見てもらえなかったのがとても残念。
同じ立場からでも、
↓こう言う正反対の評価だってありますしね。
 
似たような題材をかすった『PLAN 75』(2022)の映画としての中途半端さや
『百花』(2022)での添え物・隠し味みたいな扱いと比べれば、

主題に真っ向から取り組んで目を背けない本作は、
鑑賞の合間に書店でチラ読みした葉真中顕(はまなか・あき)原作小説の、
最初から最後まで力のこもった文字がギッシリ詰まった内容をいたずらになぞる愚行には至らず、
監督の前田哲作品は、
がyんぐ
しか観てないが、
原作に大問題の『陽気な〜』を抜きにすれば、
本数を重ねるごとに見応えのある作品を次々に生み出し、
質の向上が目覚ましいのに、作品ジャンルが様々に異なる上に、
断固たる存在意義と存在価値があるので、
同時期公開の、あんな映画、
すなわち「本数、年数を重ねるごとに質の低下が著(いちじる)しく、似たようなジャンルで同じような作品ばかりを送り出している」作品よりも、何億千倍も価値のある、
最優先で必見の大充実作!
 
成人は必ずご覧ください。
 

 


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