『わたしの幸せな結婚』
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2023/4/4 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン8 D列 6席
同じ3月17日公開作で、本命と目されていた『シン・仮面ライダー』の興収を破って1位になった映画。
それだけなら「どうせジャニタレのアイドル恋愛映画だろ。そんなの観るかよ」くらいにしか思わなかったが、
2023/03/24
「いやこれは、何がなんでもみなければ!」と。
4月4日は通院日で、
予約時間がわからず朝イチから並んだものの、午後2時からと判明。
時間潰しにまだ春休み最後の数日で早朝上映真っ盛りのイオンシネマに立ち寄る。
10時40分の回を取り、10時開店のレイクタウン店内を一巡り後に戻ったら、不覚にも上映が始まっていて、
オープニングの数分を見逃してしまった!
こんなの、
- 『日本沈没』(2006)
- 『そのときは彼によろしく』(2007)
- 『奥様は魔女』(2005)
- 『さかなのこ』(2022)
ーーと、48年の映画館鑑賞歴で、ほんの数えるほどの珍事。
鑑賞の冒頭シーンは、タイムトンネルかワームホール内のような光景にナレーションがかぶっていた。
すぐに本編が始まり、
幸い俳優の演技部分には間に合ったようで、
内容理解に苦しむこともなく、
最後までどっぷり堪能。
※ここから映画の内容に触れますので、鑑賞後に読まれる方がよろしいかと。
本作は若手アイドル俳優による女子高生向けの恋愛映画だと思っていたが、
上掲動画によれば「伝奇ロマン」(初耳)と称されるジャンルの作品で、
自分なりの分類では異能もの・異世界もののファンタジー作品だったことに、
「こういう作品だったのか」とまずは驚き。
つまり競合作品だった『シン・仮面ライダー』と同傾向、類似ジャンルの作品で、
現実世界とは時代や世界観が異なる舞台設定で、
これまた現実にはあり得ない、ガチリアルとは微妙にズレた展開を、
そういう設定に放り込まれた俳優がそれ準拠の絵づくりの中で演技する。
なんだけど、『シンライダー』で何一つ満足にこなせなかったことごとくが、
こちらでは見事に決まっており、
撮影、セット、衣装、VFXと絶妙に融合して、
単なる恋愛映画としてではなく、本格的なファンタジーとしても立派に成功していた。
ただし音楽だけはちょっと調子っぱずれな気だけはして、無理やりケチをつけるとすればそこぐらい。
これは他でも評価ポイントに挙げられてるけど、
主役の二人が抜擢大成功。
私はテレビを見ず、
ジャニオタでもないので目黒蓮は初見。
それでも人気も実力も認めたし、
今田美桜を映画で認知したのはこれが初めてだが、こちらも役柄にドンピシャリ。
さらに他のどのキャストも役にドハマりで、ミスキャストや違和感が皆無。
原作はネット小説らしいが、
よくも映画の題材に好適なそれを見つけ、
そのポテンシャルを存分かつ過不足なく引き出し、
誰からも不満や文句が出ないレベルで完成させた、その手腕に恐れ入る。
そりゃあもう、
公開規模(館数)が少なかろうが、上映回数のハンデに味方されたかもでも、
『わたしの幸せな結婚』の(鑑賞後に確認した)配給元の東宝は
明らかに東映配給・製作の
『シン・仮面ライダー』への対抗策として意図的にぶつけてきたのは間違いなく、
果たして東宝はその勝負に大勝利したわけである。
エンドクレジットで監督の塚原あゆ子の名前を確かめても見覚えがなく、帰宅後に調べたら過去作で観たのは『コーヒーが冷めないうちに』(2018)だけ。
そういえばあの映画も、「どうせお涙頂戴のわざとらしい映画なんだろ」と見くびっていたが意外に良作だった。
各映画会社も庵野秀明に10年に1本実写映画を撮らせるギャンブルするより、勝ち馬確定の塚原あゆ子に年一本撮らせた方が、安全安心確実だと思います。
なにしろ私は、庵野秀明の次回作を観るかはともかく、塚原あゆ子の次回作なら必ず観ますよ!