ようやく納得のSWユーチューバー
『エピソード3 シスの復讐』(2005)を観て思ったのは、
不測の事態で左腕と両脚を切断され、
全身大ヤケドで重傷を負ったアナキン・スカイウォーカー=シスの暗黒卿ベイダーは、
ダース・シディアスに発見され、首都惑星コルサントに連れ戻されて、
ドロイド医療隊の応急手術を経て、
誰もが知る恐怖の象徴、ダース・ベイダーへの変貌を遂げる。
「ずいぶんと準備が良すぎやしませんか?」
布製の衣装は出来合いでも、マスクやヘルメット、胸やベルトの生命維持装置は、
アナキンが重傷を負ってからあわてて製造したって間に合わないだろうに。
今だったら高速の3Dプリンターで出力したのかも…と思わないでもないが、
2005年当時にそんなものはなく、別の銀河、別の時代のテクノロジーだから、
2005年の地球文明にないテクノロジーがあっても全然構わないにせよ。
ダース・ベイダーのヘルメットとマスクのデザインは、デザイナーの腕の結晶で、
製造には一定の期間が欠かせないだろうに。
まあこれとて、2023年現代の地球的観点で見れば、
AIにデザインさせたのかも知れませんが。
とにかくその準備の良さがご都合主義に感じたし、
メイキング映像でベイダーマスク造形担当が、
「史上初の左右完全対称形のベイダーマスク」と誇らしげに語っているのを「バカじゃないの?」と蔑(さげす)んでいた。
ベイダーマスクの造形的な魅力とは、
演者デビッド(デイブ)・プラウズの顔面に合わせて、
左右非対称な歪みがあって、だからこそ個性があって魅力的だった。
ああ、それなのに…。
左が左右対称形の『エピソード3 シスの復讐』(2005)版、右が『エピソード4 新たなる希望』(1977)版。
そうした疑念の数々が、今回の動画で晴らされたとでも言いましょうか…
2023/03/11
『キャシアン・アンドー』については、おそらく初の「大人向けの」スター・ウォーズだったわけだが、どこらへんが具体的に大人向けなのかといえば、独裁政権の圧政と横暴にさらされた人民は、その体制にあてがわれた展望にすがって希望を抱きがちだが、その展望や希望はどのみち打ちひしがれるという大意にこそあり、本作の主導者トニー・ギルロイと脚本家たちは、人生の辛酸を舐めたからこそ、こんなに人々の身に沁みるドラマを紡いでくれたのだなあを、具体例で示したわけでございますです。
【関連おまけ動画】
2023/03/10 ※この動画は2023年2月26日に撮影されたものです。