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『大怪獣のあとしまつ』【後編】

これ(『大怪獣のあとしまつ』【前編】)と

これ(『大怪獣のあとしまつ』【中編】)の続きでようやく完結。

 

『大怪獣のあとしまつ』【後編】

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まずは【中編】にいただいたコメント(再掲)

 

ベラデン
柳下毅一郎ですか...
ハッキリ言って私は町山よりも大嫌いです!!
昔、映画秘宝でコイツが江戸木純とやっていた“日本映画縛り首”というコラムがありましたが、いや~本当に酷かったです。批評にかこつけた悪質な罵詈雑言誹謗中傷のオンパレードでした。取り上げる映画の内容よりも制作した監督やキャストへのバッシングにほぼ集中して異常なまでに攻撃していました。
特にターゲットとなっていたのは監督だと堤幸彦さん、俳優だと大沢たかおさんや竹内結子さんとかでした。もうホントに「何でここまで酷い事が言えるんだろ!?彼らに身内でも殺されたのかよ!?」と思うくらい異常な人間性に戦慄しました。
私が映画秘宝に幻滅した張本人ですよコイツは。

 

同氏は邦画を褒めるのは沽券に関わる(プライドや面目が保てないこと)と思っているようで、

どんな面白い映画でもしかめっ面で観て、
一般人がどこが良いのかさっぱりわからない『アワーミュージック』(2004・日本公開2005)をその年のベストに挙げていた。
この人がやんやの喝采で観る映画なんてあるんだろうかと訝(いぶか)しんでいたら、
たまたま『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)の試写室で居合わせて、
この映画には大ウケ反応していたのでちょっと認識を改めた。
 
日本では、アメリカ公開版『グラインドハウス』が2007年8月24日から31日までの8日間限定でTOHOシネマズ 六本木ヒルズとTOHOシネマズ なんばの2館で公開された。その後、9月1日から『デス・プルーフ in グラインドハウス』が、9月22日から『プラネット・テラー in グラインドハウス』が公開された。
 

「映画秘宝」にせよ町山智浩にせよ柳下毅一郎にせよ岡田斗司夫のYouTube動画にせよ、映画評論や分析は映画があってこそだし、作品は後世まで残っても批評は一過性の消えもので後まで残らない。

そこらへんをわきまえて映画へのリスペクトがあってしかるべきだし、主従関係の逆転はあり得ないことをわきまえるべきだが、そこをすっかり勘違いしてそうなのが嘆かわしいですね。

 

さて、ようやく『大怪獣のあとしまつ』に話を戻しますが、

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失敗作を見つけるとたちまち「どうしてこうなった」ともっともらしい分析動画が横行する嘆かわしい昨今だが、作り手は失敗作をわざと作ろうと思ってなどいないから「なるべくしてそうなっている」つもりであり、もちろん『あとしまつ』は決して褒められる出来ではなくても、この形に仕上がった経過は充分に理解できる。

 

『シン・ゴジラ』に続いて、あえて怪獣事件を原発事故のメタファーとしたのは、三木聡は『シン・ゴジラ』が怪獣映画の模範例として成立などしておらず、自分ならこうやるという別回答を示しているため。

  • 厄介な異物は水に流してしまえばよい。
  • 汚染の危険があっても、国民には知らせずにごまかせばよい。
  • 帰宅困難者が巷にあふれる。
  • 『シン』で怪獣を退治したはいいが、現実問題として死骸の処理はどうするのか?生物の巨体が放置されれば腐臭を放ち、体内にクジラの死骸のようにガスが溜まるはずなのに。
ーー等々をきちんと拾い、話の筋が伝わらないような早口セリフの羅列ではなく、ゆっくりと丁寧に、もったいぶってドラマが展開する。
 
山田涼介と土屋太鳳と濱田岳の三角関係が陳腐だが、
ジャニーズ山田(1993年5月9日・現29歳)は恋愛成就の筋立ては御法度だろうし、
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しかも身長が164cmなため、
相手役女優は小柄な土屋太鳳(11センチ低い153cm)、
恋敵も同年輩(1988年6月28日・現34歳)だと、身長160cmの濱田ぐらいしかいなかった。
 
他の候補:浅利陽介
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1987年8月14日(現・35歳)身長162cm
 
「ウ○コ」「ゲ□」はたしかに禁句だが、腐臭の凄まじさを具体的に生々しく伝えるワードとしてあえて選ばれたんだろうと理解はできるし、三木聡監督作としては異例破格の予算と規模で製作されたこの映画、だからと言っておっかなびっくりクソ真面目に作ったら自分味が全く出ないため、あえてふざけて見せただけ。キノコとチ○コの下ネタも同様だろう。
 
本作でキノコ問題は未解決なので、半分の予算で制作中?の続編は、きっとその話のつもりだったのだろう。
 
ラストの山田涼介のウルトラマン化は【前編】で述べたとおり、
松竹が東宝にウルトラマン映画の配給権を奪われたから、「せめてこれぐらいはやらせてもらいますよ」という宣言だろう。
 
そんなこんなで、私には納得の筋立てと出来栄えの作品で、
「徹頭徹尾良いところが一つもない」『デビルマン』(2004)になぞらえるのは、いくらなんでも不名誉すぎやしないか。
 
みんな実は、映画デビルマン級の超駄作の再来を待ち望んでいて、駄作や失敗作が出てくれば「待ってました!」とたちまち「令和(現代)のデビルマン」と囃(はや)し立てたいだけじゃないのか。
 

 

『大怪獣のあとしまつ』について、もうこれ以上語ることはありません。

 
 

 

 


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