2011年4月5日放送開始なので、まるまる2年放送が続き、3年目に突入した、
マツコ&有吉の怒り新党
当初の視聴者の興味は、何にでも舌鋒スルドク斬り込み、
トンガリまくりだった有吉と
マツコが、
互いにうまくやっていけるのか、
さらに日テレを追放された夏目三久アナを、
すんなり受け入れるのか、であって、
これには有吉もマツコも
「仲良く無難にこなしてガッカリとか言われるが、同じ番組を作る仲間と、ケンカなんかするわけないだろ!」
と無責任な視聴者の声に呆れていて、
特に夏目アナは、
表向きは2人にイジられながらも、
マツコが「ホンマでッか」でカトパンをいじるよりもソフトで、
「そこに触れちゃダメ」には絶対に近づきもしない、
愛ある環境に、テレ朝という新天地も含め、
生き返った気持ちではなかったろうか。
ただ番組のつくりとしては、3人のパーソナリティやしゃべり能力、相性に頼りっきりで、何の工夫もない撮りっぱなし、流しっぱなしに、正直あまり興味が持てなかった。
そしたら、さすがに手抜きが過ぎると考えたのか、
火曜深夜枠から水曜午後11:15放送開始に移動(2011年10月5日)してから始まった新コーナー、
新・3大〇〇調査会
は見所があり、これが始まってからは、このコーナー目当てで見るようになった。
大別すれば、アニメ、特撮番組は、トホホぶりを嗤い、
スポーツの時には、知られざる選手の生き様を改めて浮き彫りにする。
スポーツにほとんど興味が無い自分は、もちろん前者狙いで見るんだが、
最近はスポーツの方に見入ってしまうようになっていた。
真実の持つ重み。
この逆転現象は、4月10日の放送回でも別の形で起きて、
新・3大〇〇調査会
の方が、初めてマツコと有吉の話術や個性に頼り切りだった番組の構造を覆し、
夏目アナを含めた3人を圧倒してしまった、記念すべき回となった。
注;ここから先は、必ず番組をご覧になってからお読み下さい。
(※もう見た方でも、できれば番組後半の同コーナーをもう一度ご覧になってからお読みください。
またリンク先は削除の可能性濃厚--実際にYoukuは即座に抹殺された--ですので、お早めに!)
見終わって、マツコと夏目は泣いてしまって言葉が出ず、
泣いている2人が意外そうだった有吉が、夏目のアナウンス部分を引き継いだ。
この反応は、スルヤ・ボナリーの選手人生を、どう捉えるかの違いである。
マツコはフィギュアスケートの通だから、その筋の玄人(くろうと)なりに、傍観者、観客、ファンの代表としてこの事実に一番素直な反応をする、いわば模範的なファンの鑑(かがみ)。
夏目ミクは、明らかにボナリーに自らを重ね合わせた当事者目線で、ボナリーの不遇とイジメられ続きの境遇に、涙なしには見られない。
アナウンス技術とはまるで無関係のスキャンダルで日テレを追い出され、しかしこの4月から、「バンキシャ」で凱旋。
初回放送では、それはもう恐ろしいまでに慎重に、アナウンサーとしての職責を果たすことに気を遣い通しだった。
有吉が泣かなかったのは、意地を張ってるわけでも何でもない。
実際に、好きな野球の回では、泣いていたことがあるのを覚えてる。
彼にとっては、夏目と同じ当事者目線(自分を重ね合わせる)で見通したボナリーの人生ドラマは輝かしい勝利で終わり、ちっとも悲劇ではない。
だから同じように苦汁をなめてこその今がある彼には、ハッピーエンドにしか映らなかったわけである。
くしくも、彼の目線と同じ締めくくりのアナウンス(オリンピック以後のプロスケーターとしてこそ、ボナリーの真価が発揮されている)を受け持った、巧まざる偶然の奇跡!
もちろん、こんな奇跡回は、そうそうお目にかかれるとは思ってないが、
以上の観点から本番組を、優良番組選定委員会の、11番目のオススメといたします。
ご静聴、ありがとうございました!
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マツコ&有吉の怒り新党/優良番組選定委員会(11)
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