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3話雑感『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』

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3話雑感『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』

 

※基本的にネタバレはありませんが、具体的に作品内容に触れているので、

未鑑賞の方は閲覧をお控え下さい。

 

最近はすっかりYoutube全盛で、

『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』1・2話感想でも引用したとおり、高橋ヨシキ氏が一番の即応体制を整えておられ、

「ボバ・フェット」第3話についても早々と、

 

を公開済みなので、

ネタバレで良ければそちらを閲覧するに越したことはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

——となるとしかし、今後もこのブログで取りあげる必要もなくなってしまうから、

ここでは、他では発表されておらず、

誰も語らざる「ボバ・フェット」を述べていこうかな、なんて。

 

「ボバ・フェット」以降も

ディズニー新体制でのスター・ウォーズはテレビ実写作品番組企画が目白押しだが、

成功要因を分析すると、

どういう企画か、誰が演じるか、

ではなく、

誰がプロットを組み、その人が具体的にどんなドラマを紡ぐかこそが重要である。

 

この分析の元になった成功の殊勲者と言えば、

「マンダロリアン」

「ボバ・フェット」のジョン・ファヴロー。

 

 
「ボバ・フェット」観ました。
ジョン・ファヴローはいいですね^^ 
おっしゃるように、SWのツボを弁(わきま)えている。
シークエル・トリロジー(『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』『スカイウォーカーの夜明け』)は言うに及ばず、
プリクエル・トリロジー(『ファントム・メナス』『クローンの攻撃』『シスの復讐』)も、
とり
この方に任せるべきだったと思う。(もう遅いな~)
今後の、進展が楽しみです。

 

「マンドー」「ボバ」以前のディズニー新体制での殊勲者を挙げておけば、

成功作映画『ローグ・ワン』(2016)の原案が、

ILM(インダストリアル・ライト&マジック)のジョン・ノールだったことに尽きるだろう。

 

ノールと言えば、

実弟がフォトショップ開発者だったりと理系屈指の才人で、

SW〈特別篇〉(1997)DVD(2004/11)や

プリークエル(1999)での、

デジタルVFXの応用の手際の悪さに、

ファンが不満タラタラだった、同氏講演の場の雰囲気の険悪さを、

「あくまでもルーカスの指示に従ったまで」とかわし、

ジョン・ノールには本人なりのSW改変案があったことを暗にほのめかしていた。

 

 

つまり『ローグ・ワン』は、

ジョン・ノールが最新VFXを駆使して「自分の作りたいSWはこれだ」と意思表明したものであり、

シークエル三部作の「ファンはこういうSWが観たいんだろ」と接待映画化したのとは志(こころざし)が真逆だった。

 

別の言葉で言えば、

帝国軍的な体制側が、「ファンにはこういうSWを見せときゃ喜ぶんだろう」

と打算的に媚びへつらったファンサービス作品を公開したのに対し、

ジョン・ノールは「そんなSWは観たくない」とダメ出しし、「こういうSWなら見てみたい」という創作的見地から『ローグ・ワン』を生み出し、それこそが一般観客目線=反体制の反乱軍精神に則(のっと)っていた。

 

ひるがえって「ボバ・フェット」も、

ルーカスフィルムがディズニーに売却される前から、

スピンオフのテレビドラマが制作されると噂されていたのに一向に進展がなかった。

 

つまり、ボバ・フェットという過剰人気キャラを主役に据えれば、

ドラマの成功は間違いなしでも、

ではいざそれを具体的に誰がやるのかという話になると、

誰もが尻込みして引き受けなかった。

 

ディズニー体制に移行しても、

「ボバ」はお蔵入り同然の捨てゴマ企画だったため、

とにかく誰も引き受けると名乗りを上げなかった。

 

そこへ社内でもMCUで実績のあるジョン・ファヴローが名乗りを上げたので、

無競争でこの企画を勝ち取り、

無能な新社長のキャスリーン・ケネディのスタッフ不信の非情冷酷な交代劇も浴びることなく、

それでもいきなり「ボバ・フェット」から始めずに、

「マンダロリアン」という滑り出し/助走期間を経てのスタートとなった。

 

「マンドー」シーズン2第1話の最後に登場したボバ・フェットは、

はげ頭のテムエラ・モリソンが黒いサンドピープルの装束に身を包み、

同族の専用武器ガッフィスティックをしょっていたから、

すでに1年前には、「ボバ・フェット」第1・2話の構想はファヴローの脳内には出来上がっていたのだから恐れ入る。

 

今回はここまでです。

 

 


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