前回(昨日)は、
番宣スポットを見て出来の良さを確信し、
村上信五が主演の実写版「ハクション大魔王」の
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11/17(日)の放送は、絶対に見逃すべきではないと、
当日を心待ちにしていた、というところまで。
タツノコプロのアニメによくあるパターンで、本来の主題歌のはずのこちらが、番組のエンディングに移行した。
さてさて、いざ番組が始まってみると、
期待に違(たが)わず、面白かった。
↓大魔王の体型はともかく、それ以外は驚異の再現度の主題歌ビジュアル。
以後、どこがどう気に入ったのかを書いては行くが、
世間に、そこそこ寛容に受け入れられている?
三谷幸喜作品をまるで受け付けず、
(※「ガッチャマン」同様に、テレビスポットCMで、試写会の反応、観客の生の感想や声が皆無なところで、そもそも信用していない)
一方で世間からは総スカンの、
松本人志の映画は全て気に入っている私の感想なので、
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それを頼りにあなたが「ハクション大魔王」実写版を見ても、
感心、納得するかは、保証できないので念のため。
結局、視聴率的には8.6パーセントと奮わず、
①そもそも主演の村上信五(関ジャニ∞)が、大魔王にはミスキャスト。
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ジャニーズ起用は安直で行き詰まり。
②44年前のアニメを引っ張り出して実写化することに無理がある。
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開始数分で、見るに堪えずにチャンネルを変えた。
ーーーー等々の、
低視聴率
↓
失敗
↓
駄作
という短絡的な図式から、わかったふうな意見が目立つが、
どっこい、そうした批判は、的外れもはなはだしい。
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番組を最後まで見れば分かるし、
そもそも本作を私が当たりと予想した
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番宣スポットでも明白だったが、
①については、村上はあくまでも客寄せパンダに過ぎず、
(だから極論めくが、
ハクション大魔王を誰が演じようとかまわず、
元キャラへの忠実度へのこだわりなど、
作品の成否を左右しないので、ないに等しい)
本作の実質的な主役は、
大魔王の一人娘のアクビ(姫)である。
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そしてこのアクビが、つくづく素晴らしい!
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「どこから見つけてきたのか」と感心しきりの、はまり役。
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『八日目の蝉』(2011)の、渡邉このみ。
アクビが出て来る場面はことごとく輝き、
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そうでないところ(2話)は、まったく精彩を欠く。
それだけに、アクビに頼りすぎなところが、
番組の弱点にもつながっている。
最初の話で、本作の仕組み、
すなわち、
魔法のツボが屋根裏にある家庭で、
誰かがクシャミをすれば、ハクション大魔王が出て来て召使い(家来)に、
あくびをすれば、アクビ(姫)が出て来て、
主人があくびをもう一度すると、アクビがツボに、
くしゃみをすれば、大魔王が戻る。
----という説明が展開する。
二つ目の話で、大魔王は主人公カンちゃんの学校でも、魔術師(奇術師/手品師)として認知されるようになり、
三つ目の話で、カンちゃんの両親も、大魔王とアクビの秘密を知ることになる。
問題は四つ目の話で、
アクビが出ずっぱりでないと成立しない話なので、
冒頭からツボから外に出ていて、
誰の召使いなのかも明らかでないまま、
最後まで、でっぱなし。
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なので親子の断絶と和解という感動の筋立てにも泣けずに、
ただひたすら「ヘンだろ、それ!」と心の中でツッコミを入れながら、
笑って見通しましたよ。
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一応、大魔王の「出る」「ひっこむ」は、
コショウでコントロールできるけど(この描写は今回の実写版にもある)、
あくびはそうはいかない、
っていう、「言外の前提」はあるにせよ。
もしも自分が脚本書くなら、
4つめの話の冒頭に、
カンちゃんが、夜寝る直前にあくびをしてしまい、
アクビがツボからせっかく出て来ても、
肝心のご主人様は眠りの国、
----とかの、ワンステップを踏むだろう。
まあ、だけど、そこの説明があろうがなかろうが、
ドラマ自体の出来には関係ないし、
せっかく久々の純然たる子供向けドラマの好企画を、
②単に自分向けでないからというだけで、頭ごなしに否定するのは、いかがなものか?
これは『ひみつのアッコちゃん』の時にも感じたが、
子供向けにかみくだいた作品を、
大人向けじゃないからけしからん、
っていうのは、まともな評価判断能力が欠如してるよ。
こういう無理解がまた、
完全な子供向け作品の製作、発表の機会をうばってもいるわけだし。
夕方や夜の6時や7時から、子供向け番組が駆逐されて久しい。
見ていて途中でピンと来たが、演出は、最初の実写「ちびまる子ちゃん」(2006)の、西浦正記。
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2006年4月18日放送のテレビドラマ版「ちびまる子ちゃん」の視聴率は、22.8%と『カスペ!』史上最高を記録。
同じ演出家の仕事で、作品の出来自体は大差ないのに、「大魔王」のそれが奮わなかったのは、ドラマ自体のせいじゃない。
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最後にハクション大魔王が、「またね」というけど、子供の成長は早いから、ホントにすぐに第2弾をやって欲しいよ。
「まる子」だって、森迫永依の次のヤツ(「まるまるちびまる子ちゃん」2007~2008)は、
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お母さん役が「あの人」だったこともあり、ほとんど、「なかったこと」にされている、実写版「まる子」第2弾。
ガッカリだった。
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そういや、たしかこの前、実写版「まる子」第3弾があったよな、と見逃していたのをネットで鑑賞(便利だ!)。
なんか無難すぎて、フィクションやマンガとしての飛躍がなくて、おもしろみに欠けた。
最後の話だけ、ちょっとよかった。
ただしあくまでもタイトルは「ハクション大魔王」なんだから、「怪物くん」みたいに、テレビから映画へなんて、分不相応な出世を望んではいけない。
「まる子」同様、永遠にテレビスペシャルでじゅうぶん。
タツノコアニメの実写化に話を絞れば、
フジは自局が放送していた「キャシャーン」の実写版はテレ朝に、
「ヤッターマン」「ガッチャマン」のそれは日テレに譲ってしまったが、
今回だけは逃さなかった。
そしてそれは正解だったよ。
オレは断固、支持するね。
最後の締めの歌は、アクビ娘の歌にして欲しくはあったけど。
上にも書いたが、こちらの歌がオープニングに移動した時点で、「ハクション大魔王」の実質的な主人公は、アクビ姫に変更されている。
ぜひとも第2弾で実現希望!
ドラマのキャストなんかに歌わせないで、ちゃんと(44年後の)堀江美都子でね。
以上、多分他のどこでも書かない、「ハクション大魔王」実写版のレビューでした。