誰も知らないスター・ウォーズ⑮【補完記事】
- 誰も知らないスター・ウォーズ①
- 誰も知らないスター・ウォーズ②
- 誰も知らないスター・ウォーズ③
- 誰も知らないスター・ウォーズ④
- 4人の証人/誰も知らないスター・ウォーズ
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑤
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑥
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑦
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑧
- 【定例まとめ】誰も知らないスター・ウォーズ⑨
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑩
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑪
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑫
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑬
- 日本語化への懐疑/誰も知らないスター・ウォーズ
- 誰も知らないスター・ウォーズ⑭
エピソード4のメリハリのない編集を打開するためにルーカスが呼んだのは、P・ハーシュ、R・チューの二人に加え、スコセッシと仕事中だったマーシャ夫人、計三人の編集者でした。
ですので、離婚後スコセッシがマーシャと仕事が出来なくなって困ったという話は、町山智浩氏の解説と矛盾ありません、済みません。
残る謎としましては、スターウォーズ三部作の功労者はこの三人という事になるのか、あるいは町山氏の言うように天才編集者マーシャ一人の功績によるものか、と言う事になります。
訂正させていただきます。
『スター・ウォーズ』の撮影後の編集過程で、ジョージは妻のマーシャに編集を託す気はなく、『タクシー・ドライバー』(1976)編集を終えたマーシャは出産を予定していた。
しかし結局妊娠・出産は実現しなかったが、ジョージは代理で撮影地元の英国組合員のジョン・ジンプソンを編集に選んだ。ところが粗編集の出来が散々で、
カンティーナのシーンも不完全だったため、追加撮影が行われたうえに、
ジンプソンは解雇され、急遽マーシャが引き継ぎ、〈ヤヴィンの戦い〉デス・スター攻略シーンを担当、脚本の同シーンの描写を大胆に改変した。
同シーンは複雑極まりなかったためマーシャはかかりきりで、彼女は「どたんばでファルコンとソロが援軍に駆けつけるシーンで観客が歓声を上げなくちゃ、映画は大失敗に終わっちゃう」とも忠告していた。とにかくジョージは、ジンプソン粗編集版の修正のためにリチャード・チュウを起用。それでも人手が足りず、3人目の編集者としてポール・ハーシュも参入。
1976年のクリスマス後、マーシャは『スター・ウォーズ』編集から離れ、スコセッシの『ニューヨーク、ニューヨーク』(1977)に参加。前任のアーヴィング・ラーナーの急死を受けてのことだった。
第50回アカデミー賞で、マーシャは夫ジョージを差し置き、ハーシュやチュウと合同で編集賞を受賞。
『スター・ウォーズ』の成功後、マーシャは育児と家業に専念し、かたわらにスカイウォーカー・ランチの内装や装飾に指示を出した。
『レイダース/失われたアーク(聖櫃)』(1981)の粗編集版をみたマーシャは、エンディングにマリオンが未登場なため、情感的な締めくくりがないと指摘。これを聞き入れたスピルバーグが、インディとマリオンが再会するように撮り直した。
1982年には、マーシャはドゥエイン・ダナム(旧表記は「ダンハム」)、ショーン・バートンに続く3人目の編集者として『ジェダイの復讐/帰還』編集に参加。
妻の映画への貢献について尋ねられた夫ジョージは、感情の極みのシーン、生きるか死ぬかの瀬戸際だとか、抑えていた感情が噴き出して泣き叫んだりする場面にこそ、彼女は俄然力を発揮すると答えている。
——というわけで、マーシャ・ルーカスがトリロジー特典ディスクに未登場なのは、ジョージ・ルーカスとの関係が最悪なため絶交状態で、わざわざ出演を請えなかったため。
プリークエルトリロジーでもマーシャがいたら、と言う仮説には、
ジョージのエゴを貫いた結果が『エピソード1・2・3』だっただけに、
あり得ない状況を想像したって意味がなかろうとだけ考えます。
ところが町山智浩氏のラジオ番組たまむすび出演時の話によると、
町山智浩氏は、離婚後ルーカスはスコセッシやスピルバーグなど監督仲間にマーシャを使わないでくれと触れ回し(これは真実ならあまり男らしくないですね)、スコセッシはこれまでマーシャに世話になっていたので困ったとも語っていますが、トリロジーではスコセッシの編集担当だったのは別の男性編集者だった筈です。
この辺りの食い違いにも光を当てていただければと思います。よろしくお願いいたします。
また、このコメントを転載した記事(誰も知らないスター・ウォーズ⑭)には、