おつとめ
ここから本題。
すばらしき世界
2021/2/15 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン9 D-8
最近はコロナ禍でもあり、
個人的に多忙も極め、
すっかり映画を観なくなった。
しかし、2021年02月11日(木・祝)公開の、
『すばらしき世界』は、
多くのブロガーが記事にもしており、
評判も良さそうなため、
これは見るに限るよなと。
たまたま15日の月曜日は連勤から解放されたので、
この時とばかりに鑑賞。
最初から最後まで食い入るように画面を見つめ、
満足、充実してすっかり堪能。
予備知識なく観ていたため、
エンディングのスタッフクレジットで、「やはり」となるほど納得。
…なんですが、
未見の方の映画との鮮烈な出会いを邪魔したくないため、
まずは必見とだけ言っておき、
以下の赤字部分は鑑賞後にお読み下さい
とお断りしておきますし、
読んでも責任は負いませんので悪しからず。
エンディング近く、
自転車で橋を通りすがる主人公(役所広司)のスマホに、
元妻(安田成美)から電話が入り、
再会を約束し合うが、
むこうはどうやって、彼の電話番号を突き止めたのか?
どうやら思うに、
主人公は更正への努力で、
自分を社会の一コマにおさめようとするうちに人間性を失い、
自分ならではの人生を、自分を偽ることで失ってしまったのではないか。
だから本来の自分を犠牲にしたからこそ代償として手に入れる復縁や再開はあくまでも「幻想」で、
もうこの時点で彼の本当の人生は終わっていたようである。
そんな彼に「死に花」を贈ったのは、
主役が世間に自分を迎合し裏切った、自分と境遇の重なる「分身=似たもの通し」だった。
監督・脚本は、見終わってやはりの西川美和。
日本でまともな映画を撮りつづける数少ない人物の代表。
本作の長澤まさみは、ふくらはぎから顔の輪郭、二の腕まで、とにかく「丸く、ふくよかに」撮られていてある意味残酷。
西川美和作品は、
『ゆれる』(2006)
の3本しか観てないが、
『ゆれる』の時は超限定公開で、
わざわざ舞浜のイクスピアリまで見に行ったのが、
最近は近場のシネコンでも、
西川作品が広く公開されているとは感慨深い。
『すばらしき世界』お見逃しなく!