『マン・オブ・スティール』
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『スター・トレック イントゥ・ダークネス』に続いて鑑賞。
ここのところ、「映画断ち」の状態が続いてた(前の鑑賞は『桐島、部活やめるってよ』の、約半年前の今年3月)ので、ひさびさの劇場鑑賞に、『イントゥ・ダークネス』同様、こちらも満足、満喫するかと思ったが…。
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たしかに竜巻のあたりまでは、よかったんだが…。
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『マン・オブ・スティール』の製作・原案は、
『バットマン ビギンズ』(2005)
『ダークナイト』(2008)
『インセプション』(2010)
『ダークナイト ライジング』(2012)
の、クリストファー・ノーラン。
監督は、『300 〈スリーハンドレッド〉』(2007)
『ウォッチメン』 (2009)
『エンジェル ウォーズ』 (2011)
の、ザック・スナイダー。
というところから、およその予想はつくけど、
まさにその通りの内容で、私の期待には応えられなかった。
ノーランは『ビギンズ』で、リアルなヒーロー像を突き詰める路線を開拓。
『ダークナイト』でその路線の頂点をきわめ、ヒーローの別称への置き換え(バットマン→ダークナイト)というパターンも確立。
ところが、次回作『インセプション』では、最後に回転し続けるコマを出して、「それまでの話は全部夢の中」と、あろうことか自分がそこまで展開していた話を否定してしまう。
これで積み上げたものをひっくり返す快感に目覚めてしまったのか、
『ダークナイトライジング』でも、ラストのオチで、観客の感動と落涙をせせら笑うように、それまでの流れを打ち消してしまった。
せっかく『ビギンズ』味から脱して、『ダークナイト』に昇華したのに、3作目でまた1作目『ビギンズ』の要素を復活させたのも、後退の姿勢で残念だった。
一方でザック・スナイダーは、VFXの扱いはきわめてうまいが、話の中身にあまり興味が無いらしい。
こちらとしては、話の中身にこそ興味があるので、彼の監督作は、必ず途中で寝てしまう。
『300 〈スリーハンドレッド〉』も、『ウォッチメン』も途中で寝てしまい。
『エンジェル ウォーズ』が、最もスヤスヤ率が高かった。
見せ場がすごいのに、なぜか退屈。
さすがに『マン・オブ・スティール』は大丈夫だろうと思ったのに、よりによって終盤の怒濤の見せ場の連続で、気がつけば時折ウトウト。
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前半で、ていねいに積み上げたものを、自分でガラガラと突き崩してしまってる。
(以下ネタバレ 赤字部分)
ゾッド将軍の蛮行に、スーパーマン(カル・エル)はやむを得ぬ選択を迫られるが、
目の前で行われているとはいえ、ほんの家族数名の命の危機で動揺する以前に、すでにおびただしい人命が失われているはずだから、「なんで今さら?」と釈然とせず、彼の決断と選択も、真に迫らない。
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少年時代に、白いシャツに赤いマントで、両手を腰だめに、愛犬に向かってポーズを取るが、このヒーロー像の原形こそ、スーパーマン(マン・オブ・スティール=鋼鉄の男)なわけで、自分が将来、その理想像の見本になる前に、この少年は、いったい何を手本にこういう恰好をして、こういうポーズを取ったというのか?
ネタバレ終わり
というわけで、まじめに考えると、けっこういいかげんな映画なので、あまり感心しませんでした。
アメリカのレビューでも、同様に「あまり感心できない」旨のものが多く、アメリカの観客は目が肥えていてごまかせないな、と感じたし、また「見終わってみれば、前作『リターンズ』(2006)の方が、ましだった」と言う意見にも同感である。
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『マン・オブ・スティール』(2013)
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