24話の感想
これまでで、一番「まとも」でした。
クルーの水遊びに時間を割(さ)くんなら、
古代守に、もうちょっと時間を割いてもよかったんじゃないか、
とか、
なんで、しゃがんでんの?
とかぐらいは感じたが。
ただ、「ここに至るまで」がねえ。
当初、ユリーシャは森雪で、二人が似てるのは同一人物だから当然、
と思われた。
オリジナルではサーシャ1人で済んだのが、
イスカンダルの使者が2人に変更された理由にもなっていると思われた。
しかし。
たまたまそっくりな二人が、
同時に同じ事故に遭遇(17話で判明)
結局、雪とユリーシャが似ている理由の説明ではなく、
オリジナルで「たまたま似ていた」雪とサーシャ(イスカンダル人)にあやかっただけだったという。
……。
意識不明のユリーシャは、ヤマトの自動航法室に封印。
森雪や(もはやうろ覚え…違ってたかも)岬百合亜(17話~)に憑依を転々とし、
なぜか突然、意識を回復(20話)。
直後(21話)に、雪とユリーシャの人違い事件が起きる。
……。
イスカンダル到着時には、
それまで(23話ラスト)に、ヤマトに奪還されたユリーシャと森雪が、
スターシャの前に並び、
スターシャは、森雪をサーシャと見間違う。
……。
全ては、話の都合で、状況が直前までに整っている。
こういうのを「ご都合主義」と呼ぶのだと思われ。
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さて、今回は、予告しておいた「適性」について。
ただし、長くなるので、今回は「その1」
適性とは、先天的にセンスと才能に恵まれているか。
またそれを後天的に、努力と精進で伸ばしているか。
この観点に照らし合わせて、
出渕裕総監督は、演出家、脚本家に、まったく向いていない。
では、演出家、脚本家の仕事とは何か?
それは、作品を通して、
伝えるべき中身を、いかにわかりやすく相手に伝えるか
の一点に尽きる。
実は出渕氏本人も、総監督の座に不適任、力不足なのは重々承知していて、
「宇宙戦艦ヤマト」のリメイクは、
業界現役の演出家で、最も「ヤマトあってこその今の自分」を自認する、
庵野秀明氏が引き受けるだろうと考えていた。
↑故・西崎氏との関係も良好だった庵野氏。週刊プレイボーイ2008年2月25日号
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この時点で、出淵氏は、どうして自分に役目が回ってこないと思ったのか。
「庵野氏の方が適任だから」はもちろんだが、その「適任」を突き詰めれば、
自分は演出家でも脚本家でもないから、というのが頭をよぎったはずである。
氏の業界での位置づけメインは、あくまでも「デザイナー」
演出経験は、わずかに「ラーゼフォン」1作(TV 2002 映画2003)のみ。
不勉強にして未見だが、
もしも演出に光るものがあったら、
もう少し話題にのぼったのではないだろうか。
なによりも演出手腕が買われて、
「2199」発表まで10年おかずに、次回監督作があってもおかしくはない。
とにかく「2199」企画発端は2007年頃で、
庵野氏は『ヱヴァ』(序: 2007年9月1日公開/破: 2009年6月27日公開/Q: 2012年11月17日公開)制作中で、起用不可能。
業界人で、次に「ヤマト」に詳しいとのことで、(ヒマな)出渕氏が選ばれたらしい。
起用したのは、生前の西崎プロデューサー本人だと思われる。
そもそもの間違いは、この時点で始まっている。
「詳しい」のと、演出の腕は別物。
通常、知識で頭でっかちの、その作品のオタク(マニア)に、監督が務まるなんて判断は、されないもの。
「ヤマト」をまったく知らなくても、プロの演出家を招いた方が良かったと思う。
見たいなあ、宮崎駿版ヤマト!「今後は何をやるのも自由」なんだから。
『スタートレック2 カーンの逆襲』のニコラス・マイヤー(和文表記は「メイヤー」)は、スタートレックをほとんど知らないのに、最もスタトレっぽい映画を作った。
演出家/脚本家として一流だったからである。
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それに、作品を見る前から入ってくる事前情報で、
出渕氏(もしくは「2199」関連事項)は、いろいろと「外しまくってた」ので、
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(後部甲板の艦載機エレベーター構造とか、
ひとたび正解に行き着いてしまうと、
それ以外の解答がことごとく、パチモン臭く感じられることって、ありませんか?
私には、「2199」版のコスモゼロのカタパルト接続までの行程は、
ゴマカシ以外の何ものにも感じられず、
「模型多国籍軍」の、MKさんの、具体的な修正案が示された現在、
「2199」関連製品は、もはや「不良品」「欠陥品」である。
↓これ(超合金魂 宇宙戦艦ヤマト2199)だって、ダメである。
大きさ設定の中途半端さとか)
↓宇宙戦艦ヤマト(1974)当初想定全長550メートル
↑2199版宇宙戦艦ヤマト(2011)333メートル
後で、「戦艦大和と同じにしろ」と、西Pから横やりが入ったが、
スタジオぬえが納品当初の寸法はこれ
(全長550メートル/全幅65メートル/全高145メートル)だったと、
計算で割り出した人がいます。
「わかってる」「好き」「詳しい」といっても、
その理解度とか把握度は、
しょせんは中途半端なのが伝わって来て、
1990年の出渕氏のイラスト。一貫してヤマト(地球側)よりガミラス志向。
本編も同様に、勘違いした「ハズレ」作品になりはしないかという危惧はあった。
キムタク実写板ヤマトの悪夢再び?
いや、もちろん、
全長を正しく割り出せたり、
艦の構造を正しく把握できたからと言って、
物語をしっかり紡げる保証になりはしないが、
「当てる」人は確実に当てて、そこには「勘」と「経験値」が働いており、
外す人は、ことごとく外す傾向があることだけは否めない。
つづく。(今週中に全3回の予定)
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