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『アベンジャーズ/エンドゲーム』ネタバレビュー【後篇】

私の比較対象や判断材料はあくまでも「映画」で、
いくらコミックス原作とは言え、
映画でなんの前置きもなく、
いきなり「マンガ」や「テレビ」シリーズを出典にされるのは、
「映画」のルールに反するので感心できません。
 
というよりも、
MCU映画は22作もあって、それにさえ見逃しがあるのに、
さらに加えて、他の媒体なんて、とうてい追いきれません。
 
SW(スターウォーズ)だって、EU(拡張世界)を相手にしてたら、
ディズニー新体制の大幅改変で、
「それはなかったことに」とコケにされましたから、
やはり映画第一義なんですよ。
 
「映画だけ」の例を挙げると、
マーベルではなくDC映画だが、
『ダークナイト』(2008)で、
ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)の娘(メリンダ・マクグロー/Melinda McGraw)がチラ見せで危機にさらされますが、
なんでもアメコミでは彼女=バーバラ・ゴードンがバットガールだそうで、
イヴォンヌ・クレイグ(Yvonne Craig)の演じたテレビ版バットガール/バーバラ・ゴードン
 
そんなの、テレビ版「バットマン」(1966〜1968)にも原作マンガにも疎(うと)い私には掟破りに思われ、
あんのじょうルールは守られて?、『〜ライジング』(2012)では、
『バットマン リターンズ』(1992)つながり?で、
キャットウーマン(ザ・キャット/セリーナ・カイル=アン・ハサウェイ)どまりだった。
 
「あくまでも映画限定でお願いします」という点に話を絞れば、
かくいう私も、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画を、

2011

『マイティ・ソー』

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2013

『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』

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の2本以外は全作観たが、
それでも『エンドゲーム』を観ると、
(『ソー』2作を見逃して)しまった!」と思わされただけでなく、
他作だって一度見ただけではとても足りないなと感じた。
 
そう悔やませた最たる瞬間は、
アイアンマンの弔(とむら)い(葬式?)の場面で、
MCUゆかりの人々がほぼもれなく参列していて、
友人・知人・家族同士で群れなしているが、
それまでの劇中にも未登場で、誰だかわからない人たちが3人もでてきた。
 
スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)の背後に控える3人、
一番手前の若者は、
武田真治を縦に引き延ばしたみたいな、
やせっぽちの青年だけど……こいつ誰やねん?
 
どうやらMCUファンへのトリビアクイズになってたらしく、
『アイアンマン3』(2013)の少年と言い当てたツワモノ多数。
タイ・シンプキンス(『3』公開当時12歳)を演じたのは、ハーレー・キーナー。
『エンドゲーム』(2019)公開時には17歳だが、
スターク葬儀の時代設定は2023年なので21〜22歳の役?。
(『インフィニティ・ウォー』のサノスの指パッチンで消えてなければ、の話)
 
私はまったく思いつかず、
初回IMAX鑑賞後に、
隣の観客に問いかけて、あっさり明解な即答をもらった。
 
『アイアンマン3』はテレビ放送版しか見ておらず、
まさかそこからなんて、思いもしなかった。
 
ってことは、この隣の観客、
予習して(知識を仕入れて)から、
あえてネタバレの危機を冒して映画を見てるわけね。
 
それともこの人は、
5/1にもう小ネタをネットで調べても済む、
2回目以降の鑑賞だったのか?
 
でもって私は、タイ・シンプキンス青年の後に控えた、
口ひげの初老の紳士と、
その隣の、金髪が肩あたりまで伸びた女性もわからなかった。
 
『エンドゲーム』鑑賞翌日の5月2日(木) 21:00 〜 23:40、
初老の紳士はサディアス・“サンダーボルト”・ロス国務長官(ウィリアム・ハート)だとわかったが、
隣の金髪女性がわからない。
 
『シビル・ウォー』を観て、やはり金髪のシャロン・カーター / エージェント13
(スティーブ・ロジャーズ/キャプテン・アメリカのかつての想い人である“ペギー・カーター”の姪であり唯一の親族/エミリー・ヴァンキャンプ)ではないかと思った。
しかし彼女はトニー・スタークとの縁がほとんどなく、
(それを言ったら他にもそういうキャラはたくさんいたが)
とにかく実際は、諜報機関S.H.I.E.L.D.の一員、

マリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)なんだそうだが、

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『インフィニティ・ウォー』(2018)で消えた時とは、髪の色も髪型も違うんだけど…。

みんなはどうして、あれ(参列者)がシャロン・カーターではなく、
マリア・ヒルだと断言できるのか?
痩身長躯の体格から察したのか…。
 
あるいはひょっとして、
(『アイアンマン3』の少年同様)
エンドクレジットのキャスト表からの逆算に過ぎず、
劇中画面から判断しているわけじゃないんでは?
 
結局、私もマリア・ヒルとして話を続ける根拠となった、
昨今の主流、
YouTube投稿動画だが、
アメリカ本国では
「レビュー/ネタバレ有・無」
「解説動画」
「イースターエッグまとめ動画」
「映画のウソ タネ明かし動画」
等々が、
本編公開たちまちあふれるけど、
信憑性のほどは、どれほどなのか?
 
日本でもこれらをまねて、
『マトリックス』三部作の真の意味
と銘打った動画があり、
「つ…ついにやるのか?」と身構えたが、
見てみたら「コレジャナイ」内容でガッカリ。
 
『エンドゲーム』の謎解明動画も出そろってるが、
その中身が全て正しいと言う保証はどこにもない。
 
だから単なる他記事や動画の鵜呑みや引き写しではなく、
自分独自の判断基準と照らし合わせて、
「これについてはこのブログでも書くが、これは支持できない」
と、取捨選択をしなければならない。
 
そうやって自己判断で書き進めれば、
当然「そんなの、どこに書いてある?」という、
いわゆる定説とそれる場合が出て来たりもする。
 
ウィキペディアが独自研究をさげすみ、
信頼できるソースなき記述を削除する以上、
私のブログはほとんど独自研究だから絶対に転載されないが、
だから自分のブログを独自の方向で続けても意味がないなんて思わないし、
むしろ逆に、だからこそ意味がある。
と考えて、コツコツと続けているわけ。
 
なぜならウィキペディアの萎縮は、
訴えられたら厄介で面倒だから、
少しでもアブナイネタからは距離を置くという保身でしかなく、
そこに「まやかし」はあっても「真実」はないわけで、
本ブログを読み続けてくれる読者は、けっしてそんな「薄められた」ものが読みたいわけではない。
 
…はずなんだが、
前回の『エンドゲーム』記事に、こんな残念コメントをいただいてしまった。
 
hihi
無題
>同時に存在しないはずの過去と未来の同一人物が接触すると、
>物質/反物質反応のように、その世界は崩壊しかねない。
これに関してだけは例として不適切かと、バック・トゥ・ザ・フューチャーで言ってるだけで、別に普遍の法則でもなんでもありません。
 
私が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を例に出したのは、
『PART2』でドク(クリストファー・ロイド)が厳しく戒めた、
「違う時代の同一人物どうしの同時代での接触」が映画のサスペンスを高めており、
マーティ(マイケル・J・フォックス)、
ジェニファー(エリザベス・シュー)の善玉だけでなく、

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悪玉のビフ(トーマス・F・ウィルソン)も、

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それとは知らずに接触の危機に見舞われながら、

誰もが巧妙にかわすのに、
土壇場に来て、ドク自身がその危機にハマるから。
この映画を見た人なら当然、
『エンドゲーム』での類似のシチュエーションで、
似たような状況に同じサスペンスを感じるはずだし、
必ず『BTTF』を思い出すから例に出したまでのこと。
 
さらに言えば、『エンドゲーム』製作陣もそれを承知だからこそ、
「過去のタイムトラベル映画は全部デタラメ」と、
同じ展開にならないことを、先に予防線を張ってことわっている。
 
というわけで、
『エンドゲーム』という「変種のタイムトラベル映画」を深掘りする際、
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』の件は、
当然触れずにはおけないからこそ触れてるわけで、
「そんな定説がどこにもない」
「たかだか映画一本が勝手に言ってるだけ」
な程度で完全無視を決め込むのはどうかと思うし、
同様の御指摘をいただいたところで、
「なるほどおっしゃるとおり。ではその部分は撤回・削除します」
なんて、なるわけないじゃないですか。
 
そもそも記事を書いてた時点で、
これって時間理論の定説なのかな?
とチェックしようなんて思わなかったし、
もしチェックしたところで、
定説として見あたらないから、
記事からBTTF関連事項を、ごっそり削除するはずなんかありゃしない。
 
もしもですよ、たとえば他の誰かが同種の記事を書いたとして、
そこにBTTFへの言及がこれっぽっちもなかったら、
私は「おいおい、そこが欠けてるよ」と思ったに違いないはずですし。
 
そうだったにしても、
私はわざわざコメントで、
「ここが欠けてますよ」なんて、余計な指摘はしませんけどね。
 
そう考えると、
今回、「そんな定説はどこにもないから、
例に挙げるのはどうかと
的なコメントをわざわざ書きつけてくることこそ、いかがなものか?
 
「〜かと」なんて言う、
「よろしかったですか」や、
かつての2ちゃんの
「逝ってよし」
「ゆとりは黙ってろ」
同様に、世間が使ってる言葉を無批判に借りまねて、
よくもまあコメントしてくるよなと呆れてしまう。
 
そういや、
スティーブン・キングが講演の質疑応答で、
「どうしてあなたは好きこのんで、こわい話ばかり書くんですか?」
と問われるが、
「どうしてあなたは、私が好きこのんで書いている、と決めつけるのか?
ホラー志向は性癖であり、好む好まないの問題ではない」
と答えていた。(『深夜勤務』前書き)
 
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それになぞらえて、
「どうして普遍の法則ではなく、
映画1作が提唱していることなだけでは、例に挙げたらダメなんですか?」
と、こいつに訊き返したいぐらいだよ。
 
とにかく、
「たいしてわかっちゃいない」くせに
「わかっている」ような知ったかぶりをしても、
たちまち見透かされるんだから、
やらない方がよろしいかと
 
「MCUの話題なのに、
DC映画を持ち出すのは例として不適切かと」
——とか、コメントしてくるんじゃねえぞ!
 
 
さて、ネタバレ・タネ明かし動画に話を戻すと、
『エンドゲーム』公開直後にあふれかえるのには感心するが、
内容がすべて正しいという保証はどこにもないから、
「そうなんだ」ではなく「ホントかよ」と再チェックのつもりで考えるものに、
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の一番最後が挙げられよう。
 


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