この記事より(以下・転載)
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「仮面ライダー」プロデューサー、平山亨氏死去
元東映プロデューサーの平山亨(ひらやま・とおる)氏が7月31日、心不全で死去した。84歳。
告別式は近親者のみで行う。後日しのぶ会を開く。喪主は次男、満(みつる)氏。
1954年に東映入社。71年、プロデューサーとしてテレビ番組「仮面ライダー」を大ヒットさせ、以後も同シリーズを手がけた。ほかにも「秘密戦隊ゴレンジャー」「仮面の忍者 赤影」「ジャイアントロボ」など多くの作品の製作を手がけ、特撮ヒーロー番組の礎を築いた。
(2013年8月1日 読売新聞)
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(転載おわり)
平山亨氏はファンのイベントにも出席されることがひんぱんで、
私も1999年頃の、ある記念パーティーで、
帰りのエレベーターでいっしょになったことがある。
その時だけたまたまだったのかも知れないが、破李拳竜氏が、後ろ盾のように付き添っておられた。
平山氏は見るからに人の良さがにじみ出た方で、誰にでも腰が低く、偉ぶったところが全くなかった。
人間かくあるべしという、生きた手本のような…
ほんのわずか空間を共有しただけで、
そう感じさせてくださる方だった。
話変わって、
東映ヒーロー作品と言えば、
『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーが、「変身忍者嵐」の血車魔神斎、
↓魔神斎(左)のスタイルは、劇中のベイダー(右)よりも、
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↑ジョン・モロのスケッチに、より顕著である。なによりも、魔神斎の胸の紋章を生かそうとした形跡に注目。
ストームトルーパーが「イナズマンF(フラッシュ)」のマシンガンデスパーを
↓ストームトルーパーの頭部造形を担当したリズ・ムーアに渡されたデスパーの写真は、正面顔のみ。
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↑したがって、横顔の造形が似通っているのは、まったくの偶然。
造形の参考にしたのは一目瞭然だが、
平山氏は、「嵐」も「イナズマン」も海外放送の実績がない旨を、出版関係者のインタビューに、律儀にお答えくださったとも聞く。
事実は、ケイブンシャの「全怪獣怪人大百科」の
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1ページが、
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『スター・ウォーズ』のコスチュームデザイナー、ジョン・モロの手にルーカスから渡ったのだと、個人的な見解に行き着いたのは、ようやく2010年のこと。
とはいえ、こうした些細な事柄にも、めんどくさがらずに対応してくださるところが素晴らしい。
ふつうは、まともにとりあってもらえませんからね。
(経験者は語る・笑)
ここからは思い切り私見だが、
「仮面ライダー」というタイトルへの作品的評価は、
実は当初から現代まで一貫して高くない。
自分だけかと思ったが、
「フィギュア王」編集部で、特撮ライターが、
「昔は仮面ライダーが好きなんて、広言するのは勇気がいった」
と漏らしていた。
「ライダー」は明らかに円谷ウルトラへの東映の対抗策であり、
さりとて当初は、いかにも「チャチ」で、到底太刀打ちできるようなシロモノじゃなかった。
だけど子供には圧倒的に人気が出た。
それもあって、平成以降も新たなファン層の獲得も功を奏し、
最成功ヒーロータイトルとして君臨し続けてはいるが、
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個人的には
「子供はともかく、こんなのに夢中になれる、大のオトナの気が知れない」
というのが本音。
だったはずなのに、最新ウルトラマンの「ギンガ」は、
明らかに平成ライダーのマネでなり立っており、
なげかわしいこと、しきり。
東映は昔から、予算がカツカツで画面はチープなぶん、アイデア勝負なところがあって、平山氏が初期に手がけた、ドラマ重視の作品群の印象は、今でも強烈。
なにより話に引きこまれて、30分があっという間だった。
おかしさと不気味さがないまぜだった「悪魔くん」
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あまりに恐すぎて、たった1話だけで見るのをやめた「河童の三平」
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「どうせ時代劇だろ」と思ったら、近代兵器や怪獣がバンバン出て来て、夢中で最終話まで見通した「仮面の忍者 赤影」
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70年代の夏休みには、「サリーちゃん」と抱き合わせで、くり返し放送された「ジャイアントロボ」には、ロボの律儀さに感動するエピソードが多かった。
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「悪魔くん」も「河童の三平」も「赤影」も「ジャイアントロボ」も、
再放送を何度見ても面白かったし、ってことは今見ても面白いはずだし、今の子供に見せたって、ドラマの面白さは伝わると思うよ。
ドラマ重視の平山スピリッツはだから、「ライダー」シリーズよりも、「人造人間キカイダー」の方に生きていたと思う。
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(とはいえ「01」には、あまり生きてないと思う)
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そんなこんなで、現代でも平山作品の形(スタイル)こそ器用にマネされ、継承されてはいるが、ドラマの正統な後継者といえる現役クリエイターなんて、誰もいない気がする。
ということは、氏の寛容で惜しみない無限の献身に、誰もまだ、真の意味で恩返しできていないのではあるまいか。
などとエラソーに語ってみました。