17. Let It Go [劇中歌/英語歌] [2部]
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毎回、May J.のアルバムを聴いて、
思う感想はほぼ同じなのに、
このブログで扱う場合はもったいぶって、
真っ先に頭に浮かんだ感想をつづらずに来てしまった。
今回こそは書いておくと、
May J.のカバーは、
まずは彼女本人が原曲を聴いて、
「歌ってみたい」と思うところから始まっている。
それはすなわち、
彼女がプロ歌手だからこそ、
「お客さんに聴かせたい」にも直結しており、
まずは「〜みたい」(願望)という企画力から、
実際に「歌う、聴かせる」までしっかりと実現する、
実行力までをトータルで大いに評価したい。
では日本語歌の方から。
受け手(消費者)が聴いてみると、
「なるほど、こういう歌だったんだ」
と、あらためて楽曲の良さに気がつき、
同時に元歌手のお粗末さにも思いが至る。
今回なら、
なんといっても、
元歌手の、井上あずみ(井上杏美)は、
1986年、『天空の城ラピュタ』のエンディングテーマ「君をのせて」と、
次作『となりのトトロ』(1988)では
主題歌「となりのトトロ」およびオープニングテーマ「さんぽ」を歌唱。
また、翌作の『魔女の宅急便』(1989)では
挿入歌『めぐる季節』『魔法のぬくもり』の2曲を歌唱する。
井上は後年にNHKみんなのうたに起用されるなど、
いかにものジブリ一発歌手の、クソつまらない垢抜けない歌い方なため、
May J.は、
「いやいや、この歌はそう唄っちゃダメでしょ」
あるいは
「この歌はこう唄うのが正解でしょ」
という別回答例を、このカバー歌唱で示しているんだろう。
ということはつまり、
日本語歌の場合の多くは、
オリジナル元歌手の方がMay J.より明らかに格下なわけである。
実際に、井上あずみバージョンでは、
聴き直す気にならなかった「君をのせて」を、
May J.バージョンですでに何度も聴き直している。
いや、何かと叩かれがちなMay J.だけに、
さすがにそんな本音をもらしたりはしませんが、
「今回、英語歌と日本語歌で歌い方を変えた」(ラジオ番組でのコメント)
ということは、
日本語歌は全力を絞りきらず、
しっとりと情感を込めて歌い上げることを意味しているんだろう。
「ひまわりの約束」も、
「深呼吸」も、
そんなしっとりとした歌い上げである。
では今度は、
May J.が英語歌を聴いて、
「自分も唄ってみたい」と感じた場合は、
挑戦のしがいのある、
その場の思いつきではとうてい実現し得ない、
全力投球でしか達成できない難題ばかりである。
つまり英語歌/イタリア語その他の他言語の場合は、
オリジナル曲と元歌手は、
May J.よりも格上なわけ。
だからビヨンセの“Listen”(『ドリームガールズ』2006)については、
さすがに原曲、元歌手には及ばなかったと感じる。
ただし企画倒れに終わらず、
挑戦課題は見事に達成できているから素晴らしい。
やはりしっかりとヘッドホンで聴かないと、
その真価は伝わらないが、
やっぱりNever Enoughは絶品でひたすら圧倒された。
そもそも、
『グレイテスト・ショーマン』を鑑賞して、
“Never Enough”に感銘を受ける人は多くても、
自分で歌ってみたい
CDで発表したい
ステージで生パフォーマンスを聴衆に披露したい
——と思う人がどれだけいて、
きちんと実現する人がどれだけいるのか?
せいぜい、“This Is Me”どまりでしょう。
だいたい、
自分を投影するのがフリークス集団でなく、
稀代なオペラ歌手なところに、
May J.の自己評価がよく表れているし、
自分をよく知ってもいる。
そうそう、
『グレイテスト・ショーマン』と“This Is Me”といえば、
ちょうどこんな記事が。
【以下転載】
アンジャ渡部の容姿イジリに批判殺到
「髭女」の渡辺直美へ言ってはいけない言葉を...
2018年7月26日 14時1分 J-CASTニュース
お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さん(45)が、映画「グレイテスト・ショーマン」に登場する髭女・レティに扮した渡辺直美さん(30)の容姿を茶化したことに、ネット上で批判が相次いでいる。
2018年7月25日に生放送された「FNSうたの夏まつり」での一幕だ。顔中にヒゲを生やした渡辺さんの姿を見て、番組司会の渡部さんは「その格好で、あんまり真面目な話しないで」と笑いながら告げたのだ。
「すごい違和感あるんですよ」
渡辺さんは同番組の「グレイテスト・ショーマン」の劇中歌メドレーに出演。ヒゲ面が印象的な歌姫・レティそっくりに扮し、映画の代表曲の1つ「This is me」を歌手のCrystal Kayさん(32)と共に歌い上げた。
同作は、髭女のレティや小人症の男性など世間から隠れるように生きていた人々を集めたサーカスが成功するまでを描いたストーリー。劇中歌の「This is me」は、周囲とは異なる容姿を受け入れて「これが私だ」と繰り返し訴える歌詞が印象的な一曲だ。
こうしたパフォーマンスを終えた直後の渡辺さんは、ステージから降りると「ちょっと本当に、(メークの)完成度が凄かった」と一言。その上で、
「歌がすごい心配だったんですけど、Crystal Kayさんが一緒に歌ってくださって、本当に心強かったです」 と話した。こうしたコメントを受けて、司会をつとめる渡部さんは、
「その格好で、あんまり真面目な話しないでくださいよ。すごい違和感あるんですよ」 と半笑いでツッコミ。周囲の共演者からは大きな笑いが起きたが、当の渡辺さんは「ごめんなさい、すいません」と小声で返していた。
「映画見てないのかな」
こうした渡部さんの一言が、映画のファンから大ヒンシュクを買うことになった。
髭女のレティに扮した渡辺さんの容姿を茶化すような形でイジったことが、グレイテスト・ショーマンや「This is me」のメッセージ性に反しているなどとして、ツイッターやネット掲示板に、
「渡部の一言で全て台無しだったと思う。関わった人々全員に謝ってください」 「渡辺直美がウケ狙いでレティの格好してると思ってんのか?マジ萎えたわ」 「映画見てないのかな。そういう差別偏見で人を見るな!私たちは美しいんだ!!!って話なのに」 「悲しくなってしまった。一番言ってはいけない言葉でしたね...」 との批判が相次いで寄せられる騒ぎとなったのだ。
さらには、渡部さんのツイッターアカウントにリプライ(返信)する形で、「グレイテスト・ショーマンちゃんと見ましたか?あと人を下げて笑いを取るのは芸人としてどうかと思います」などと直接苦言を呈する動きも出ている。
一方、渡部さんのイジリに対する渡辺さんの反応について、「渡部さんの発言に一切乗らないところが素敵でした!作品の意味をちゃんと分かってくれてる感じがしました」と高く評価するユーザーも現れていた。
【転載終わり】
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渡部建みたいに、中身の全くない上っ滑りなカッコマンに、
まともなコメントを期待する方がどうかしてるが、
そもそも大衆に熱狂的に受け入れられた『グレイテスト・ショーマン』と同じ熱度を、
庶民を脱したからこそ、
若くてきれいな女性をめとった彼に期待するのもお門違いというもの。
渡部建と言えば、
『行列のできる法律相談所』に俳優が出演し、
宣伝の口上が至らないと必ずこいつが出しゃばり、
映画のポイントをアピールする様子から、
よほどの映画通と誤解されてるみたいだが、
あんなの、用意されたセリフをしゃべってるだけで、
本人の資質じゃないじゃん。
さてさて、
放送日の7/25といえば、
ちょうどMay J.のアルバム“Cinema Song Covers”発売日だから、
番組で彼女が“Never Enough”を披露できる絶好の機会なのに、
それはなかった。
全体の流れと異質だからとか、
言い訳はいくらでも浮かぶが、
May J.がテレビから姿を消した真相とも大きく関わっている。
彼女にケチがついたのは、
『アナ雪』で松たか子に張り合ったと不当なレッテルを貼られ、
アンチの意見や評価が固定されたからだが、
そこには、彼女がテレビ枠にうまく填(は)まらないから、
つまり明らかにテレビの規格外だからというテレビ界の判断があった。
May J.のパフォーマンスは傑出しており、
抜きんでているので、
テレビを満たす程度のアイドル歌唱とは足並みが揃わない。
他の歌手が見劣り(聴き劣り)するので、
のきなみ“かすんでしまう”のを怖れて、
いっしょには出せないわけ。
かくしてMay J.は、
「アナ雪」のつまずきを挽回しようと、
ディズニーアルバムを出したり、
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共演がうまくいかないわけではないと、
デュエットアルバムも出した。
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ところがテレビは、彼女のこうした動きを徹底無視。
明確な妨害意図があるとしか思えない。
だけどテレビの欺瞞なんて、
今や誰の目にも明らか。
May J.は世界を相手にしていればいいいのだ。
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