デッドプール2
スクリーン5 H-21
IMAX(2D)や
4DX/MX4D(どちらも2D吹替)上映もあるが、
個人的に『デッドプール』はそういう映画じゃないと思い、
諸事情もあって、通常2D字幕版を鑑賞。
それでも存分に堪能しました。
まずはネタバレなしの感想
どうしてこういう筋立てにしたのか、
クレジット挿入の「おまけ」の最後まで観て、ようやくわかる。
考え抜かれた脚本で、
映像は見せ場の連続。
中盤少しアクビが出たが、
タイクツは感じず、
1作目『デッドプール』(2016)に続いて、
いたって満足感心。
鑑賞後に思い出し笑いもあれこれ。
これに文句をつけるのはどうかしてるだろ、
と思いながら、
こりずにYahoo!レビューをのぞいてみたら、
的外れな低評価には、
「下品で品格を疑う」
と、『デッドプール(2)』という題名の映画に、
この人はいったい何を望んでいるの?
と首をかしげる。
それもあって、
題名が単なる「2」
副題やひねりもないのに。
ネタバレなしだと、
書けるのはこんなところ。
『デッドプール』について詳しく、細かくは、
↓これでも読めばいいのでは。
ここから超ネタバレビュー
以後のパープル文字は、
必ず鑑賞後にお読み下さい。
※画像にもプチネタバレが含まれますので、
本編未鑑賞の方は、ここまでで閲覧禁止!
エンディングクレジットで、
デッドプールはケーブルの腕時計型タイムマシーン(時間移動装置)を、
NTW=ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(ブリアナ・ヒルデブランド・右)と、
ユキオ=雪緒?(忽那汐里・左)に修理させ、
使用回数制限も解除する。
忽那汐里(くつな・しおり)の出演、登場は出し抜けで、
『インランド・エンパイア』(2006)に裕木奈江が出てたくらいビックリ!
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鑑賞後に調べたら、
忽那はオーディションで役を勝ち取ったとか。
彼女はオーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニー、
キラニーハイツにて日系オーストラリア人3世として生まれた。
劇中のセリフ程度では、別に忽那ほど英語力がなくてもと言う気がするが、
オーディションを勝ち抜くには必要だったんだろう。
彼女の出演作品と言えば、
何をおいても、『家政婦のミタ』だが、
映画デビュー作の『守護天使』(2009)も実は観ている。
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その頃は、スリムながらもいくぶんふっくらした丸みがあったが、
今回、久しぶりにみた忽那は、
ますますSPEEDの hiro(島袋寛子)に似ていた。
また脱線したので、
ケーブルの腕時計型タイムトラベル装置に話を戻すと、
修理後はとにかく使い放題なので、
デッドプール/ウェイド・ウィルソン(演:ライアン・レイノルズ)は、
1回目でカノジョ(ヴァネッサ/演:モリーナ・バッカリン)を救い、
2回目でXフォースの犬死に隊員、
ピーター(ロブ・ディレイニー)を救う。
3回目で『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(X-Men Origins: Wolverine 2009)の時代に戻り、
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抜擢に喜ぶカナダ出身の新人俳優(ハル・ジョーダン=グリーン・ランタン/演:ライアン・レイノルズ)
を背後から射殺。
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映画ではこれだけだが、
実はさらに時代を遡り、
赤ん坊のヒトラーを殺す場面もあるはずだった。
色々と物議を醸し出しそうだし、
『デッドプール2』本編の主旨ともズレる
(ラッセル=ファイヤーフィスト/演:ジュリアン・デニソンとの扱いが違う)ので、
取りやめになったらしいが、
本編でも若干触れられるそのエピソードで、
あれやこれやと思い出したことがある。
まずは映画『デッドゾーン』(1983)
主人公のジョン・スミス(クリストファー・ウォーケン)は、
主治医に、「過去にタイムトラベルできたらヒトラーを殺すか」と問いかけ、
うなずいたことに確信を得て、次の行動に移る。
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次に、『デッドプール2』のケーブル(ジョシュ・ブローリン)の元ネタ、
『ターミネーター』(1984)
未来で、その時代の脅威となった者を、
敵勢力が過去に遡(さかのぼ)って、
母親や少年時代の本人を殺すという、
タイムマシンあってこその冷酷非情な問題解決方法は、
機械軍団だからこそ考えついたようなもの。
しかし何度やっても、
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未来に災厄をもたらす者を特定し、過去に遡って、
対象者の親/本人の若い頃に殺害するという話だと、
楳図(うめず)かずおのマンガに、
鮮烈な印象を与えるのがあった。
ところが封印されたのか、
あるいは封印情報さえ封印なのか、
ネットで検索してもひっかからない。
件(くだん)の漫画は、『アゲイン』の最終巻にページ合わせで掲載されてたような気がして、
でなけりゃ読む機会もなかった気がするが、
このブログに書けば、
きっと誰か詳しい人が教えてくれるさと甘えつつ、
その漫画の衝撃の内容について、
伝えておこう。
小学館
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ある病院で、
子供が生まれたばかりの夫婦の元に、
一人の男がやって来る。
男は、生まれたばかりの男の子を、
やむを得ない事情から、
殺したいと申し出る。
当然夫婦は、なにをバカなことをと怒って、
男を追い払う。
数年後、
その時の赤ん坊は順調に成長し、
幼稚園児か、小学校の低学年になっている。
道端でかがんでいるのを母親がみつけ、
背後からのぞきこむと、
男の子は、カエルを無残にも惨殺していた。
子供が小動物や虫を殺すのとは程度が異なり、
あまりにむごたらしいため、
母親は恐ろしくなって、声をかけずにその場を立ち去る。
その後も少年は素行がどんどん悪くなり、
成人すると、見るからに極悪人の風体に成り下がる。
暴力、殺害、その他思いつくかぎりの犯罪を犯して刑務所に。
しかし男は刑務所を脱走。
こんなことになったのは、親の育て方が悪かったんだと逆恨みし、
両親の家に戻ってきて、
二人を容赦なく殺してしまう。
恐怖と衝撃から意識が戻った夫婦は、
まだ子供を産んだばかりの時にいて、
この子を殺したいという男の話を聞いている最中だった。
男の申し出の理由に納得、
夫婦は男の提案を受け入れる。
さすがは楳図かずお、
まさに天才である。
ではあるんだが、
たとえばヒトラーが大悪人だからと言って、
過去にひるがえって命を絶つというのは名案だろうか。
M78星雲、光の国(ウルトラの星)では、
何万年も犯罪が発生せず、
警察も廃止された。
しかしそんな光の国でも、
(「アメトーーク! ウルトラマン芸人」の回によれば)
26万年の歴史、200億人の中で、
ただ一人、ベリアルだけが悪のウルトラマンだった。
その他のウルトラマンたちは、
善悪の善の心しか持ち合わせておらず、
この中に一人だけ、チョイ悪もまぎれています。
ベリアルの悪の論理が理解できずに翻弄される。
正しい倫理観しか持ちあわせていないウルトラマンたちが、
そんなベリアルでも、監獄に幽閉されこそすれ、
命までは奪われなかった。
先天的に犯罪を犯さずにはいられない人格障害があっても、
その者の生きる権利は奪えないから。
ではこの極悪人は、
人に迷惑をかけてばかりなのに、
何か社会的に存在意義があるのか。
絶対悪が存在しないと、究極絶対犯罪も生まれず、
罰したり、取り締まったり、防止する法律も作れない。
つまり警察や裁判所には、清廉潔白な善人ばかりではなく、
清濁併せ持つ人間だれしもにある、
暗くよどんだ悪の論理を持ち合わせた人がいなければ、
究極悪の心理が理解できず、悪のシナリオも読めないため、対処できない。
そんなこんなで、日本の現在の最悪な政情/国情も、
歴史の必然で、
再発防止のためには、同じ時代を生きる自分たちで、
自らの心の闇を用いて止めねばならない。
——というところまで、『デッドプール2』関連で思い至りましたとさ。
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