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『デッドプール2』超ネタバレビュー!

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デッドプール2

 

2018/6/4(月) TOHOシネマズ西新井
11457 

スクリーン5 H-21

 

IMAX(2D)や

4DX/MX4D(どちらも2D吹替)上映もあるが、

個人的に『デッドプール』はそういう映画じゃないと思い、

諸事情もあって、通常2D字幕版を鑑賞。

 

それでも存分に堪能しました。

 

まずはネタバレなしの感想

どうしてこういう筋立てにしたのか、

クレジット挿入の「おまけ」の最後まで観て、ようやくわかる。

 

考え抜かれた脚本で、

映像は見せ場の連続。

 

中盤少しアクビが出たが、

タイクツは感じず、

1作目『デッドプール』(2016)に続いて、

いたって満足感心。

 

鑑賞後に思い出し笑いもあれこれ。

 

これに文句をつけるのはどうかしてるだろ、

と思いながら、

こりずにYahoo!レビューをのぞいてみたら、

的外れな低評価には、

「下品で品格を疑う」

と、『デッドプール(2)』という題名の映画に、

この人はいったい何を望んでいるの?

と首をかしげる。

それもあって、

題名が単なる「2」

副題やひねりもないのに。

 

ネタバレなしだと、

書けるのはこんなところ。

 

『デッドプール』について詳しく、細かくは、

これを聴いたり

↓これでも読めばいいのでは。

 

ここから超ネタバレビュー

 

以後のパープル文字は、

必ず鑑賞後にお読み下さい。

※画像にもプチネタバレが含まれますので、

本編未鑑賞の方は、ここまでで閲覧禁止!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンディングクレジットで、

デッドプールはケーブルの腕時計型タイムマシーン(時間移動装置)を、

NTW=ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(ブリアナ・ヒルデブランド・右)と、

ユキオ=雪緒?(忽那汐里・左)に修理させ、

使用回数制限も解除する。

 

忽那汐里(くつな・しおり)の出演、登場は出し抜けで、

『インランド・エンパイア』(2006)に裕木奈江が出てたくらいビックリ!

 

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鑑賞後に調べたら、

忽那はオーディションで役を勝ち取ったとか。

 

彼女はオーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニー、

キラニーハイツにて日系オーストラリア人3世として生まれた。

 

劇中のセリフ程度では、別に忽那ほど英語力がなくてもと言う気がするが、

オーディションを勝ち抜くには必要だったんだろう。

 

彼女の出演作品と言えば、

何をおいても、『家政婦のミタ』だが、

映画デビュー作の『守護天使』(2009)も実は観ている。

 

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その頃は、スリムながらもいくぶんふっくらした丸みがあったが、

今回、久しぶりにみた忽那は、

ものすごく細身に絞られていて

ますますSPEEDの hiro(島袋寛子)に似ていた。

 

また脱線したので、

ケーブルの腕時計型タイムトラベル装置に話を戻すと、

修理後はとにかく使い放題なので、

デッドプール/ウェイド・ウィルソン(演:ライアン・レイノルズ)は、

1回目でカノジョ(ヴァネッサ/演:モリーナ・バッカリン)を救い、

2回目でXフォースの犬死に隊員、

ピーター(ロブ・ディレイニー)を救う。

 

3回目で『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(X-Men Origins: Wolverine 2009)の時代に戻り、

旧バージョンのデッドプール/ウェイド・ウィルソン(演:ライアン・レイノルズ)を抹殺。
 
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4回目で『グリーン・ランタン』(2011)の撮影前の時代に行き、

抜擢に喜ぶカナダ出身の新人俳優(ハル・ジョーダン=グリーン・ランタン/演:ライアン・レイノルズ)

を背後から射殺。

 

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映画ではこれだけだが、

実はさらに時代を遡り、

赤ん坊のヒトラーを殺す場面もあるはずだった。

 

色々と物議を醸し出しそうだし、

『デッドプール2』本編の主旨ともズレる

(ラッセル=ファイヤーフィスト/演:ジュリアン・デニソンとの扱いが違う)ので、

取りやめになったらしいが、

本編でも若干触れられるそのエピソードで、

あれやこれやと思い出したことがある。

 

まずは映画『デッドゾーン』(1983)

deddo

主人公のジョン・スミス(クリストファー・ウォーケン)は、

主治医に、「過去にタイムトラベルできたらヒトラーを殺すか」と問いかけ、

うなずいたことに確信を得て、次の行動に移る。

 

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次に、『デッドプール2』のケーブル(ジョシュ・ブローリン)の元ネタ、

『ターミネーター』(1984)

未来で、その時代の脅威となった者を、

敵勢力が過去に遡(さかのぼ)って、

母親や少年時代の本人を殺すという、

タイムマシンあってこその冷酷非情な問題解決方法は、

機械軍団だからこそ考えついたようなもの。

 

しかし何度やっても、

うまくいかない。
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未来に災厄をもたらす者を特定し、過去に遡って、

対象者の親/本人の若い頃に殺害するという話だと、

楳図(うめず)かずおのマンガに、

鮮烈な印象を与えるのがあった。

 

ところが封印されたのか、

あるいは封印情報さえ封印なのか、

ネットで検索してもひっかからない。

 

件(くだん)の漫画は、『アゲイン』の最終巻にページ合わせで掲載されてたような気がして、

でなけりゃ読む機会もなかった気がするが、

このブログに書けば、

きっと誰か詳しい人が教えてくれるさと甘えつつ、

その漫画の衝撃の内容について、

伝えておこう。

 

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ある病院で、

子供が生まれたばかりの夫婦の元に、

一人の男がやって来る。

 

男は、生まれたばかりの男の子を、

やむを得ない事情から、

殺したいと申し出る。

 

当然夫婦は、なにをバカなことをと怒って、

男を追い払う。

 

数年後、

その時の赤ん坊は順調に成長し、

幼稚園児か、小学校の低学年になっている。

 

道端でかがんでいるのを母親がみつけ、

背後からのぞきこむと、

男の子は、カエルを無残にも惨殺していた。

 

子供が小動物や虫を殺すのとは程度が異なり、

あまりにむごたらしいため、

母親は恐ろしくなって、声をかけずにその場を立ち去る。

 

その後も少年は素行がどんどん悪くなり、

成人すると、見るからに極悪人の風体に成り下がる。

 

暴力、殺害、その他思いつくかぎりの犯罪を犯して刑務所に。

しかし男は刑務所を脱走。

 

こんなことになったのは、親の育て方が悪かったんだと逆恨みし、

両親の家に戻ってきて、

二人を容赦なく殺してしまう。

 

恐怖と衝撃から意識が戻った夫婦は、

まだ子供を産んだばかりの時にいて、

この子を殺したいという男の話を聞いている最中だった。

 

男の申し出の理由に納得、

夫婦は男の提案を受け入れる。

 

さすがは楳図かずお

まさに天才である。

 

ではあるんだが、

たとえばヒトラーが大悪人だからと言って、

過去にひるがえって命を絶つというのは名案だろうか。

 

M78星雲、光の国(ウルトラの星)では、

何万年も犯罪が発生せず、

警察も廃止された。

 

しかしそんな光の国でも、

(「アメトーーク! ウルトラマン芸人」の回によれば)

26万年の歴史、200億人の中で、

ただ一人、ベリアルだけが悪のウルトラマンだった。

 

その他のウルトラマンたちは、

善悪の善の心しか持ち合わせておらず、

この中に一人だけ、チョイ悪もまぎれています。

 

ベリアルの悪の論理が理解できずに翻弄される。

 

正しい倫理観しか持ちあわせていないウルトラマンたちが、

ベリアルへの対処に苦慮するところが面白い。

 

ベリアルは倒されては蘇るをくり返し、

「ウルトラマンジード」冒頭では、

とうとう宇宙全体を消滅させる(=超時空消滅爆弾を起動する)暴挙に出る。

これには全ウルトラマンがなすすべもなく、

長老のウルトラマンキングが身を挺して、

かろうじて宇宙の崩壊を防ぎ、

それ以降の物語は、実体を失ったキングに支えられた新宇宙で展開している。

 

そんなベリアルでも、監獄に幽閉されこそすれ、

命までは奪われなかった。

 

先天的に犯罪を犯さずにはいられない人格障害があっても、

その者の生きる権利は奪えないから。

 

ではこの極悪人は、

人に迷惑をかけてばかりなのに、

何か社会的に存在意義があるのか。

 

絶対悪が存在しないと、究極絶対犯罪も生まれず、

罰したり、取り締まったり、防止する法律も作れない。

 

つまり警察や裁判所には、清廉潔白な善人ばかりではなく、

清濁併せ持つ人間だれしもにある、

暗くよどんだ悪の論理を持ち合わせた人がいなければ、

究極悪の心理が理解できず、悪のシナリオも読めないため、対処できない。

 

そんなこんなで、日本の現在の最悪な政情/国情も、

歴史の必然で、

再発防止のためには、同じ時代を生きる自分たちで、

自らの心の闇を用いて止めねばならない。

 

——というところまで、『デッドプール2』関連で思い至りましたとさ。

 

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