この記事(私だけの『ブレードランナー』(1982)体験〈その1〉 )の続き。
『ブレードランナー』は、
一度観ただけでは腑に落ちないところが多く、
封切り公開終了後に、何度も名画座めぐりをした。
と二本立てで、新宿の名画座(新宿武蔵野館?)で観た時は、
なぜか隣に座ってきた酔客が、
上映中にガーガーいびきを立てて寝てしまい、
ほんとに迷惑した。
今のシネコンみたいに座席指定じゃないから、
移動すりゃいいんだけど、
ブリッジ上部、ワープナセル後端、第二船体終端と船底部に位置するナビゲーションライトは、船の大きさと位置を示すため、衝突防止の急速点滅をくり返す。
その席がベストポジションだったんだよなあ。
そういや、
『アメリカン・グラフィティ』(1973)を東武松原シネマで観た時も、
勝手に酒(ウィスキー?)を持ち込んで飲んでる人の隣だったため、
ニオイにヘキエキしたっけな。
それもあって、本作の評価は△。
友だちの映画好きに「つまらないよ」と伝えたが、
彼は運動部の部活がない、
高校の文化祭時期に見てきて、
「おもしろいじゃないか」と猛抗議された。
彼に言わせると、
町をたむろするチンピラ集団と、
魅入られながらもはぐらかす秀才学生カート(リチャード・ドレイファス)の関係性がサイコーだとか。
高校2年の時だから、1978年に見たわけ。
後年の知人から、
私は『アメグラ』のドレイファスに似てるよね
と言われたが、
2才若い妹には、
『マトリックス』のローレンス・フィッシュバーンに、
9才若い妹には、
ザキヤマに似てると言われる。
……
話を戻して、
同じ松原シネマで『ブレードランナー』を観たのは、
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ディスプレイのグラフィック流用に気づいたりした。
映画本編を観て得られる情報は限られているので、
関連書籍から情報を得よう…とするのだが、
とにかく『ブレードランナー』には、
関連グッズが欠けていた。
まずはエンディングでポリドールから発売と告知されながら、
サントラLPレコード(※CDは1983年より)が出ない!
ジャック・エリオット指揮による
ニュー・アメリカン・オーケストラ盤(8曲入)
の音はチープ。
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『スターログ』誌上で、
「ついにホンモノのサントラ発売!」
とフェイク記事(読者のエイプリルフール投稿)が出ると、
渋谷のサントラ専門店すみやに問い合わせが殺到。
1984年に知り合った、
大聖堂で有名なケルン在住のドイツ人SWコレクター、
ウォルフガング(ドイツ人は、やたらとこの名前)、
ボーカウト、
ローナルドの3人は、
たしか1989年頃に来日したが、
新宿のアルタビジョンや、
1980年3月26日オープンから1992年に2代目に交代するまでは、
白熱電球のモノクロタイプだった。
渋谷駅前交差点の四面大型モニター連動に、
当初は1面→2面と次第に増えて行った?よね、たしか。
ブレードランナーの現実化と狂喜して、
カメラのシャッターを切りまくっていた。
この3人組はかなりの情報通で、
ネットのない時代にどう知ったのか、
日本には、『ブレードランナー』のサントラ盤があるはずだと主張する。
「いや、それはスターログのガセネタだから」
と納得させたが、
そんなこと、日本人のどれだけが知っとんねん!
どうやらヒトは国や海を越えても、
知りあうべき絶妙な相手とは、
しっかりと知りあえるようだ。
ウォルフガングの手紙が、
郵便配達員のミスで別の住所に届けられたのに、
その誤配先にも、私が住んでいたという奇跡を、
前にこの記事で書いたことがある。
当時は『ターミネーター』(1984)などの映画のガレージキットもぼちぼち発売されていたので、
3人組を浅草の玩具問屋街にも案内したが、
こうした海外からの来客に備えて、
フィリピン人の若い女性を店員に雇っている問屋があった。
その後、私は、
1992年に『カルトQ』SF映画の回で優勝。
翌1993年かに、
再来日したウォルフガングとボーカウトと再び玩具問屋街を訪問すると、
例のフィリピーナが私に向かい、
「なんかテレビに出てたでしょ。カルト?」
と思いがけず覚えていたから、オドロキ。
『ブレードランナー』の真正サントラに話を戻すと、
1989年にリリースされたヴァンゲリスのベスト盤
『THEMES/ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス』に、
映画に使用された楽曲のうち3曲だけが収録された。
- ブレードランナー(エンド・タイトルズ) - End Titles from "Bladerunner" (4:59)
- ミッシング(メイン・テーマ) - Main Theme from "Missing" (4:01)
- 子供 - L'Enfant (5:02)
- 讃歌 - Hymn (2:47)
- チャイナ - Chung Kuo (5:32)
- タオ・オブ・ラヴ - The Tao of Love (2:47)
- 南極物語 - Theme from "Antarctica" (3:54)
- ブレードランナー(ラヴ・テーマ) - Love Theme from "Bladerunner" (5:00)
- ミュティニイ・オン・ザ・バウンティ(オープニング・タイトルズ) - Opening Titles from "Mutiny on The Bounty" (4:18)
- ミュティニイ・オン・ザ・バウンティ(クロージング・タイトルズ) - Closing Titles from "Mutiny on The Bounty" (5:00)
- メモリーズ・オブ・グリーン - Memories of Green (5:44)
- 海辺の少女 - La Petite Fille de La Mer (5:54)
- 五輪 - Five Circles (5:20)
- 炎のランナー - Chariots of Fire (3:31)
- 1./7.は曲の一部を収録。10.は映画本篇用の約21分の曲のうち主題的な部分5分間をアルバム用に再演奏したもので、当該本篇用原曲から見れば一部収録となるが、再演奏版としては完全収録である。
- 1./8.は1982年の映画「ブレードランナー」の、2.は1982年の映画「ミッシング」の、9./10.は1984年の映画「バウンティ/愛と反乱の航海」の、それぞれサウンドトラックで、いずれもそれまで発売されていなかった未発表曲である。
- 8.の冒頭に編集ミスがある。
- 14.は元のアルバム「炎のランナー」では「タイトルズ - Titles」の曲名で収録。
邦題は再発時期によって変化している。
1989年盤は「ブレードランナー / ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス」
1998年盤は「ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス~ブレードランナー」
2001年盤/2007年盤は「ブレードランナー~ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス」
となっている。
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