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成功要因と立ち位置/週報『ローグ・ワン』第3号






『ローグ・ワン』の成功要因は、ひとえに『フィースの覚醒』の逆を行ったことである。

例えば、毎年SWの新作が公開されるというスケジューリングなら、
『ローグ・ワン』の冒頭に『エピソード8』の予告をつけて、
とにかくSWで一まとめのダンゴ状態でひたすら売り込むという戦略だってあったはず。


実際、元々は『エピソード8』は、2017年夏に公開予定だったから、
(2017年末に変更)
そのままだったら尚更、
『8』予告編込みの『ローグ・ワン』公開は当然だったろう。

しかし『ローグ・ワン』を見終えて、
なるほど、この映画のメインサーガ(エピソード7以降)とのセット売りはありえないなと納得した。

なぜなら『ローグ・ワン』は、
1作目『スター・ウォーズ』の根本理念、
すなわち、強大な権力や体制に、
脆弱に思われる民衆が反旗を翻し、一矢報いる話に立ち返っており、
そこで象徴される強大な帝国とは、
旧三部作〈特別篇〉を含む新三部作時代(1997〜2005)のルーカスフィルムでもあり、
『フォースの覚醒』以降のディズニーでもあるからだ。

だから『ローグワン』は、
『エピソード4 新たなる希望』のプロットの弱かった部分を、実に40年ぶりに裏打ちすると共に、
昨年公開の『』の筋立てや状況設定、
SF考証がどれだけいいかげんかを、
チクリチクリとくさしてもいる。

具体例を挙げれば、
1.デス・スターの弱点は、意図的に仕組まれていた。
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1600


デス・スターの完成に欠かせない人材として徴用されたゲイレン・アーソは、
実際は自分がいなくても完成すると察するや、
攻略可能な構造的欠陥を、意図的に基本設計に盛り込んだ。

だから当然、
『ジェダイの復讐』(公開当時邦題・1983)の第2デス・スターからは、
その欠陥は排除され、
反乱軍は中央反応炉の直接破壊を迫られる。

なのに、それから30年後のスターキラー・ベースには、
「ここを攻めてくれればいんですよ」
とばかりに、あからさまな攻略ポイントが設けられていた。

バカなの?

2.デス・スターはハイパースペース航行が可能

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huper


状況からみて当然だから、あえて『新たなる希望』では言及されなかったのかも知れないが、
デス・スター自体がハイパースペース航行が可能だと言うことが、
『ローグ・ワン』では、きちんとセリフで説明されている。

これによって、
『フォースの覚醒』のスター・キラーベースが、
自らはその場を動かず、
複数の惑星を同時に破壊するビームだけをハイパースペース経由で飛ばすという戦法が、
いかに珍妙かを暗にクサしている。

正月さぼりで、ここで更新時間が来たので、残りは来週に回すが、
とにかくこの観点を抜きにした、
『ローグ・ワン』レビューは的外れにならざるを得ず、
いかに追加動画で言い訳しようと、
恥の上塗りである。








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