デアゴスティーニ・ジャパン (2016-08-23)
デアゴスティーニ・ジャパン (2016-08-30)
デアゴスティーニ・ジャパン (2016-09-06)
『ローグ・ワン』に登場するダース・ベイダーの姿(画像)が、
新たに公開されたそうですね。
それにちなんで?
今回もベイダーマスクについて。
2011年の、eFx(両端が小文字)のレジェンド
およびリミテッド
両エディションのANHダース・ベイダーヘルメット。
そして今年の、EFX(大文字)の、
スペシャルエディション
スタンダード・エディション
ダース・ベイダーANH PCRヘルメット
が人気なのは、
映画劇中そのものの実物を手にできるから、
というのも理由だろう。
厳密には、
実物の型取りを全面的にシリコンゴムで行ったために、
型がかなり収縮。
特にマスク(フェイスプレート)よりヘルメット(ドーム)の変形が顕著で、
「本物とちゃう!」とプロップフォーラム等で不満続出。
もっと本物に近いヘルメット探しが始まった。
原形をてがけた造形師、
ブライアン・ミュアーが
『ジェダイ』(1983)のベイダーマスク新造の芯にするため、
イギリスで実物ANHマスクから型取りした
1981〜82年製の石膏型(※記述あり)から抜いた成型品を入手。
これを原形に、
アルティメットベイダーを販売中なので、
これを買えば問題は解消。
スクリーン・アキュレット(アキュレート)、
つまり劇中そのままの姿ではないが、
なにしろANHベイダーは、
色々な事情で、この姿になっていただけで、
必ずしもベストな状態でもなく、
↓釣り鐘や鉄鍋みたいに、いかにも鋳造の、
鈍いつや消し黒の、この“鉄兜”(※あくまでも鉄兜「風」で、実際に鉄製ではない)こそが、
本来のダース・ベイダーの理想形だったようだし、
盲目的なプロップ原理主義者(後述)でもなければ、
これで手を打っておくのが無難だろう。
でもって、
前の記事で、
アルティメット・ベイダー製品自体も
石膏型からの成型品で、
だからこそ(EFX社製品のように)縮んでおらず、
まさに大きさでも決定版
だと勝手に決めつけたが、
ヤマダ・マサミさんから、
「最終製品まで石膏型から抜いた成型品とは考えづらい」
と、フェイスブックでコメントいただき、
なるほど、たしかにその通りだな、
と、あらためて再検証。
石膏型取りは、一発で抜けない立体ならば、
切り金(感光したフィルム片で代用することが多い)で分割型にするので、
成型品にはパーティングラインが無造作に走っているもの。
型から抜いて、分割線を処理するのは膨大な手間だから、
量産用の製造型は、
目立たないように分割線も配され、
成型品が抜きやすい、柔軟性のある素材が使われる。
ちゃんと、量産型と成型品は、どちらもFRP製と、書いてあるではないですか!
ここに訂正しておわびし、
いつもながら、
ヤマダ氏の
フォーラムではしかし、
眉間のトンガリを復活させ、
アゴ下の逆三角形を小さく戻したけど、
基本はROTJ(ジェダイ)のべイダーじゃん
と、これすらも不評。
↓(左)1作目ANH劇中で使用されたコスチューム。(右)ブライアン・アルティメット。
↑(左)3作目ROTJ劇中。(右)アルティメット・ベイダー。
もっともミュアーだって、「究極のベイダー」としつつも、
「究極のANHベイダー」とは言ってないけど。
同じアーティストが手がけながら、なぜ?
と思う人も多いだろうが、
造型の腕は当然推移するから、
内山まもるだって、
↑1975〜1979年頃。
↓2010年。
佐々木明だって、
佐々木明氏は、初代ウルトラマンの雛形の復元像を近年作成。
↑しかし実物(右)にはまったく似ていない。
むかしのままの作品は再現できず、
復元や修復は、別の専門家の仕事と言える。
いかにブライアン・ミュアーといえど、
ルーカスフィルムに現存する、
1作目劇中に使用された実物マスクの型取りはかなわない。
これができた社外の人物は、
長年、リック・ベイカーだけだと思っていたが、
それとは別に、ANHマスクの型取り、複製に関われた人たちが、
ルーカスフィルム/ILM社外にいた。
SWヘルメット、マスク研究では
他の追随を許さない、
SWヘルメッツドットコムの、
ベイダーマスクの項には、
ファンメイド(非正規・私家版)レプリカとして、
通称ゴーストホストANH(Ghost Host ANH)というマスクが紹介されている。
こりゃもう、どう見たって、
本物(ANHマスク)からの型取りでしょ!
ゴーグルの色は赤。メットとマスクを密着させるため、ベルクロ(マジックテープ)が3箇所に貼られているのは、劇中に使用されたものとは異なる。
このゴーストホストの起源については、
以下の解説が添えられている。
1977年のはじめ、劇中に使用されたダース・ベイダーのコスチューム(もしくは、布製部分をのぞく、ハードピース成型品=マスクとヘルメット、胸と肩のアーマー、すねあて等)一式が、
ドンポストスタジオ(Don Post's studio)の型取り職人数名に託された。
アーマー一式を13セット複製するためで、
SW1作目(ANH)の公開に合わせて、
各地でプロモーションとして開催される、
ダース・ベイダーのサイン会用、
つまり地方巡業用に用意するためだった。
この時、ドンポストに貸与されたコスチュームは、
ルーカスフィルム(もしくは20世紀フォックス)には返却されず、
最終的に個人コレクターの手に渡った。
ゴーストホストANHを制作した、
プロップメイカー(映画やテレビの小道具職人)は、
90年代はじめの一時期、
1977年当時のドンポストの型取り職人だった一人とたまたま仕事をする機会があり、
その頃に型取り複製したアーマー成型品一式はもちろん、
複製用の雌型のいくつかにまでたどりつくことができた。
これにあわせて、ドンポスト社に蓄積された、
膨大なスーツの情報と資料写真を参考に、
復元マスク、ゴーストホストANHが誕生した。
驚愕の事実だが、
実はこの情報には、
記憶違いで事実とは異なる部分も散見される。
そこで次回は、
情報の訂正と検証を行う予定。
キミは、
パープル表示の文字情報に潜むウソを
見破れたかな?
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