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窓の発光/電飾(2)・1/ 537エンプラ補完計画〈その12〉

前回=電飾(1)・1/ 537エンプラ補完計画〈その11〉は、
エンプラ実物(スタジオモデル)の電飾を7つに分類したので、
今回から順番に、1/537スケールのプラモ(初版amt・再版ERTL)
での再現について、述べていこう。

1.点状(小面積)の常時点灯
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とpんつー

丸窓と楕円窓、そのバリエーションの四角窓。

そもそもキットの構造からして、
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tmp


「窓」は「穴」に過ぎず、
そこから内部に仕込んだ光源の光が
漏れ出す仕組みだった。

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ささ


このくぼんだ穴を船体外殻とツライチにするには、
丸窓ならば光学繊維が使えようが、
エンプラには厄介な楕円(横長丸)窓や
レクデッキの四角窓があり、
そこには光学繊維が使えない。

第一船体の縁(へり)の窓なら、
↓DLM製の透明交換パーツがあるので、
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so-sa

↑窓部分だけマスキングして、
塗装後に剥がすという手段もあるが、
↓第二船体の窓は、大きさも位置も大幅な修正が必要だから、
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sannyou

↑(上)撮影用のスタジオモデル
(中)トルストゥン・ショルツ(Thorsten Scholz)の2004年の作例
(下)ブループリント
第2船体に走るパネルライン(設定ではディフレクターグリッド)が、微妙に異なる。
↓キットの第二船体の、窓の位置と大きさを修正した作例。

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ここ

修正後の窓の形と大きさに見合う透明パーツなんて、
おあつらえ向きに存在するわけがない。

最近は白色LEDも小型化したが、これを窓の数だけ直接ハメ込むのは難儀だし、窓明かりの間接光とは異なる、強烈な直接光になってしまう。

では、どうするか?

どうやらDLMのドン・マシスは、
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$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-donn

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$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-どん

解決法を見つけたらしい。

同氏の作例記事のレクデッキの四角窓には、窓枠の厚みが確認でき、
これは透明樹脂のムク(一体成型)ではありえないから、
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ぐひん

↑不透明樹脂のパーツ(左上)に、
ガラス状の透明なものが填(は)まっているらしい。

同じ方法を実践し、紹介した、ペインティングクリニック(ThePaintingClinic)の動画によれば、
↓使用キットは、AMT(大文字)/ラウンド2の、クリンゴン・バード・オブ・プレイ1/350スケール。

エポキシ樹脂を充填する手順の説明は、6:23あたりから。


二液混合で透明に固まるエポキシ樹脂
充填(じゅうてん)している。
樹脂のハミ出しを防ぐため、表側からメンディングテープを貼り、
内側から爪楊枝でチマチマと樹脂を塗りつけていく。
この樹脂の場合、完全硬化まで丸2日かかるらしい。

結局、内側から盛りつけるだけでは樹脂が表面まで回りきらず、
再度表側から盛りつけをくり返している。


日本での同等の製品は、
↓おそらくこれ。(※絶対の保証はありませんので、使用は自己責任で




ほんの小さな窓でも、隙間なく透明で満たすには、これだけの手間と時間がかかっている。

エポキシ樹脂を充填した作例画像は、
↓スタトレではこのヴォイジャーしか見つからず。
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ぼいじゃー


単艦で発売の、
↓ドイツレベル1/670ではなく、

3隻セットの1/1400の方だと言うから、オドロキ!
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trepid

もっとも小スケールの小型モデルだからこそ、
透明樹脂の回りも良好なのだろうが。

とにかくエポキシよりも、もっと手軽で、効果のある方法はないものか。

最近は、あるらしい。

使用するのは、キャノピーグルーという水溶性の接着剤で、白色の液体が乾燥すると、透明な薄膜状に硬化するもの。本来の使用法はこちら



これを窓の充填剤に転用することを思いついたのは、
このブログでも何度か登場済みの、
↓ピーター・ウェラー(右)の「いきなりそっくりさん」こと、
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うえら

トレックワークスのボイド氏(Boyd・左)。

とはいえ当初は、この接着剤は透明窓の素材としてではなく、パーツの継ぎ目の隙間埋めを、パテ埋めとペーパーがけよりも効率よく手軽に行う代用品扱いだった。

その際の使用キットは、エンプラと同じ1/537スケールの、クリンゴン・バトルクルーザーのカティンガ(「ク」ティンガにあらず)級。




説明は、6:45あたりから。

発光モデルのパーツの接着面の隙間から、光が漏れ出すのを防ぐシール剤として、フォーミュラ 560 キャノピーグルーを注入器に入れ替え、継ぎ目の隙間に流し込み、はみ出した液体はタオルで拭えば、それで完了。

※ただし物理的には光を遮ることができても、なにせ硬化部分は透明なため、光学的には内部の光が透けてしまうから、不透明塗料での上塗りが欠かせない。

キャノピーグルーの窓への応用の動画では、同じエンプラでも、ポーラーライツの1/350を使用している。

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キャノピーグルーの説明は、6:20あたりから。

キャノピーグルーと同じ効果のある製品には、
「マイクロ・クリスタル・クリアー」(Micro Kristal Klear)というものもあり、
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くりすたる

商品名の「クリスタル・クリアー」は、正しい綴りの“crystal clear”とは意図的に変えられている。
小スケールのキャノピー部分や、鉄道模型でよく使用されるらしい。

↓硬化途中では白く濁っているが、
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dfdered

↑完全硬化すると、ほぼ透明になる。


1/537スケールのリライアント製作記では、両製品がいっしょに紹介されている。

説明は3:17あたりから。



かくして、めでたく窓の透明部分を外殻とツライチに仕上げれば、角度によって窓明かりが見え隠れすることもない、リアルなエンプラが完成する。

↓表面まで透明部分が行き届いていると判別できる各種作例。
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たて

全て1/537スケール。


たった一つの要素の分析で、こんなにかかってしまったぜ!

冒険は続く…。
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ぼうけん


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