1月27日はめずらしく外出していて、夕刻に帰宅して永井氏の急逝を知り、驚いた。
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画像はこちらより。
何の前触れもない(胸の痛みを奥さんに訴えていただけ)、突然死。
虚血性心疾患で、享年82歳。
若い頃から老(ふ)け声(磯野波平の声の初起用は、37歳の1969年)で、
老け役専門だったが、
近年はさすがに年相応のくたびれ感が増してはいたものの、
まだまだ立派に現役だったのに…。
2/9放送分までは収録が終わっている「サザエさん」も、
波平の代役/後継者探しに混乱していると聞く。
永井一郎は何役こなしても、どの役もことごとく永井一郎。
それだけにまた、いなくなって初めて、
永井一郎の代わりなんていないことに気づかされる。
あまりにも多岐にわたる経歴。
それを示すように、今日のテーマは、
↓「スター・ウォーズ」にしようか、
永井一郎がヨーダをアテたのは、1980年の『帝国の逆襲』劇場用吹替版、つまり奥田瑛二がルーク、森本レオがハン・ソロのバージョン。だから高木均、辻村真人がヨーダを演じた『ジェダイ』(83)はアテておらず、『エピソード1』~『3』で復帰した。
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「ヤマト」では、佐渡酒造と徳川彦左衛門の二役を担当。
↑「宇宙戦艦ヤマト」にしようか、
↓「機動戦士ガンダム」にしようか、
永井一郎の「ガンダム」起用は、ナレーションだけでなく、複数の脇役キャラの声をまとめて引き受けるためだった。
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テレビシリーズ「猿の惑星」のゼイウス議長は、永井一郎。
はたまた、さすがにそれはないにせよ、
↑「猿の惑星」にしようか迷って、
結局「アニメ」でくくったほどである。
ヨーダの地声、つまりフランク・オズの声色は、
実は永井一郎の声とはまったく異なり、
ホントならタモリあたりが演(や)った方が合っていたとは思うんだが、
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ヨーダが元ネタの「うる星やつら」の錯乱坊(チェリー)を永井氏が演じたことで、
「ヨーダは永井一郎」というイメージが固定化したように思う。
そういえば、SW商品の日本販売権がトミー時代に、
インタラクティブヨーダという商品があって、
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その日本語版のセリフを監修して、自分が書いたセリフを永井一郎氏がしゃべってくれるという名誉なこともあったんだっけ。
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長い間、お疲れ様でした。
安らかに。
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加藤精三氏の訃報に合わせ、来宮良子さんも亡くなっていたのを知ったのと同様、
今回は、
角田紘一(つのだ・こういち)氏も、14日に他界されたことを知った。
永井一郎氏と聞いて「誰それ?」って人は、ほとんどいないだろうが、
角田紘一と聞いて、ピンと来る人は少ないと思われる。
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私にとっての、子供時代のヒーローの一人。
スポーツが苦手で、絵が得意だった私には、
絵のうまい漫画家とアニメーターこそがヒーロー。
福岡の映画館で「マジンガーZ対デビルマン」(1973)をみて、
シネスコを生かした緻密な絵作りと共に、
大画面に映える大胆な構図と、
堂々たる骨格のしっかりしたキャラクター構築に、小学6年生ながら刮目。
失礼ながらテレビアニメの「デビルマン」も、
ふつうは、1話は気合いが入っているものなんだが…。くしくも永井一郎氏がアルフォンヌ役。
「マジンガーZ」も、
マジンガーZの1話は「まとも」なので、ガクンとクオリティの落ちた2話をご紹介。
作画的にはアレだったので、
「東映動画にも、
絵のうまいアニメーターがいるんじゃん!」
と再認識、作画監督の角田紘一氏の名前が、強く印象に残った。
1年後の「マジンガーZ対暗黒大将軍」(1974)で、前作「対デビルマン」に続き、角田氏が作画監督を担当。
マジンガー、人物キャラ共に頭身を上げ、
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この路線の究極点に上り詰めた。
「対デビルマン」の勝間田具治から、
これまた東映動画でほぼただ一人の「まともな」演出家、
西沢信孝に演出が交代したのも、内容向上に多大な貢献をしていることに気づくのは、もっとずっと大人になってから。
とにかく、これ以降の劇場版マジンガー、すなわち
「グレートマジンガー対ゲッターロボ」
「グレートマジンガー対ゲッターロボG空中大激突」
「UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー」
「グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー決戦!大海獣」
は、全て作画監督がテレビシリーズ担当者の続投で、作画面ではまったく期待はずれに終わり、奇跡の再現には至らなかった。
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それだけ角田氏は傑出したアニメーター、東映動画の劇場長編アニメの質の高さをしっかり受け継いでいた正統派でした。
アーティストとパフォーマー、つまり表現者は、本人が死すとも、作品は遺ります。
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