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『大怪獣のあとしまつ』【前編】

『大怪獣のあとしまつ』【前編】

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2023/1/5〜10 Amazonプライム

 

2022年の12月からAmazonで配信開始された、

昨22年の日本映画界で、

ダントツ、サイテー映画の呼び声高かった、

『大怪獣のあとしまつ』(2022年2月4日劇場公開)

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「よし、見てみるか!」と思っても、12月中は500円と有料。

 

アマプラを解約しなかったら、

1月から追加料金なしで視聴可能になったため、

前評判どおり、どれだけひどいのか恐る恐る視聴。

 

ところが初回は開始数十分で眠りの国にまっしぐら。

 

目が覚めたら終盤のクライマックス展開で、

起きていて視聴できた部分だけの感想は、

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それほどクソ映画とかゴミ映画という感触はなかった。

 

ただ、作品が面白かったらオンライン視聴だろうがスマホで観ようが最後まで一気に見るのに、

『大怪獣のあとしまつ』を全編見通すのには3回もかかってしまった。

 

2回目はもう一度最初から見返したら、

初回で寝てしまったあたりの少し後までは見届けたものの、

それからすぐまた寝てしまい、今度は起きたらもう映画は終わっていた。

 

それで1月10日の3回目視聴では、

またはじめから見ればどうせ寝てしまうだろうから、

1、2回目で寝てしまったあたりまで早送りしてから、今度こそついに最後まで見通せた!

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この例が示すように、

『大怪獣のあとしまつ』は思わず一気見してしまうほど面白い作品ではなく、

映画館で集中して鑑賞できれば最後まで見通せる…かもしれないが、

ネット配信では見通すのが相当にキツいのだけは確か。

 

だがしかし、

  • 2022年公開作品のワースト
  • どうしてこうなった→からの分析
  • 『シン・ゴジラ』(2016)の逆張り劣化版
  • 脚本・監督・プロデューサーを批判、糾弾
ーーという流れや動きは、この手の映画なら当然出てきそうなところではあっても、
いざ実際のネットレビューを読んでみると、
「いや、そこじゃない」とか「それはさすがに的外れなんじゃないの」が大半だったので、
私なりに読み取り、
およそ他では見かけないレビューを書いておきましょう。
 
ただし全てのレビューにあたったわけではないので、
「それはここにありましたよ」的なご指摘はご遠慮ください。
 
本作は明らかに、対・アンチ『シン・ゴジラ』として制作されている。
 
つまり全編「あっちがこうなら、こっちはこうやる」で埋め尽くされているが、
それをもってして「怪獣災害を原発災害になぞらえているが、それなら『シン・ゴジラ』が上手く処理したのに、なんで手際よくこなせもしないのに、大きく見劣りするものをぶつけて来たのか?」と言う批判を見つけたが、「こいつ、何にも分かってねえな」と言う気はした。
 
まずは『大怪獣のあとしまつ』のタイトル前に、
配給会社として松竹のタイトルが登場。
間髪おかずに、東映のタイトルロゴも続く。


2021/11/30

 
つまり『大怪獣のあとしまつ』は、松竹と東映の
2大映画会社が共同配給する本格大作で、
そうまでして対抗する相手は、
『シン・ゴジラ』の東宝と、
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庵野秀明だった。
 
「この人、なに言ってんの? 庵野・東映作品なら、今年の3月に公開予定の『シン・仮面ライダー』があるのに、
東映が庵野対抗作品なんて加担するわけないじゃん」と思った、そこのあなた!
 
映画制作には時間がかかり、企画から撮影準備、本編の撮影、ポストプロダクションと大変な日数がかかることを忘れてはならない。
 
2015年頃、東映で企画が上がったが、当初は低予算の案もあったが、映画の規模を大きくしなければ面白くならないとして東映が松竹に話を持ち掛け、共同制作が決まった。
 

2020年3月にクランクイン、4月末にはクランクアップする予定であった。しかし新型コロナウイルスの影響で撮影が中断し、公開も延期となった。2021年1月に撮影を再開、3月にクランクアップした。

公開は2022年2月4日となった。

 
ーーとのことで、『あとしまつ』スタートは『シン・ゴジラ』公開の1年前であり、
それでも公開までには『シン・ゴジラ』から6年もかかってしまったため、
その間の映画界の諸事情が反映された内容だが、『シン・仮面ライダー』の制作事情は全てその後だから、
 

本作品の制作は、東映の子会社であるティ・ジョイがアニメーション映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年)を配給したことに際し、当時東映からティ・ジョイに出向していた紀伊宗之プロデューサーが、同作品の総監督も務めていた庵野と密な関係を構築したことにより、本作品の制作発表から遡ること6年前の2016年1月に庵野から最初の企画メモを渡されたことから始まる。その後、2018年2月7日に本作品の企画案が白倉と紀伊に渡された。公開時期は当初、仮面ライダー生誕50周年に当たる2021年を目指して準備を進めていたが、コロナ禍による影響で上映作品の玉突き現象が発生し、余裕を持って2023年公開にすることに決められた。

制作発表は、「仮面ライダー生誕50周年企画発表会見」と題され、かつて『仮面ライダー』の第1話が放送された日時である4月3日の19時30分より、丸の内TOEIにて行われた。この日は生誕50周年企画の発表として、『仮面ライダーW』の後日譚を描く漫画『風都探偵』のアニメ化、『仮面ライダーBLACK』のリブート作品となる『仮面ライダーBLACK SUN』と併せ、最後の目玉として本作品の制作が発表された。会見中には、庵野が構成を担当した『仮面ライダー』のメモリアル映像が公開されたほか、彼の企画による『仮面ライダー』の出版企画の検討を開始していることも発表された。

 
そこらへんは『大怪獣の』には全く影響を与えていない。
 
 
なんにせよ対東宝、対庵野秀明の視点はもっぱら松竹側からと思われる。
 
庵野秀明は過去の名作映画・TVタイトルに強く依存し、
『エヴァ』以降は自分オリジナル作品はこれ一本きりを新旧劇場版全7作で24年も引っ張り、
 
①シト新生
1997年3月15日、東映・東急系、渋谷東急、新宿東急他、全国東映洋画系ロードショー。

2部構成であり、DEATH編はテレビシリーズの総集編、REBIRTH編は完全新作の第25話前半部分まで。

1998年1月2日、WOWOWでの放送時に、DEATH編をDEATH (TRUE)と改訂したバージョンが放映された。

2015年8月28日、Blu-ray BOX発売記念として『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』(劇場公開版)がTOHOシネマズ新宿で上映された[1]

②Air/まごころを、君に

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1997年7月19日、東映・東急系、渋谷東急、新宿東急他、全国東映系ロードショー。

完全新作の第25話『Air』と第26話『まごころを、君に』(第25話『Air』は『シト新生』のREBIRTH編と重複するところがある)。

③DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に

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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』は、1998年3月7日、丸の内シャンゼリゼ他、全国洋画系ロードショー。

エヴァンゲリオン劇場版の本来の形とされる映画。『DEATH & REBIRTH』のDEATH編を再々修正した『DEATH (TRUE)2』と『Air / まごころを、君に』からなる。上映時間160分。

上映当時『DEATH (TRUE)2』の後には休憩(インターミッション)が挿入された。WOWOWでの放映時には、インターミッションや制作会社のロゴなど一部省略された部分があった。

 
④〈第1作 / 前編〉ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
  • 副題(英題):EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE.
  • 公開日:2007年9月1日(土)
  • 上映時間:98分
主人公の碇シンジが父ゲンドウに呼ばれて第3新東京市に来てから、ヤシマ作戦(第6の使徒との戦い)までを描く。
公開後2日間の観客動員数は23万6158人、興行収入は2億8000万円。最終興行収入は20億円。
 
⑤〈第2作 / 中編〉 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
  • 副題(英題):EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE.
  • 公開日:2009年6月27日(土)
  • 上映時間:108分
旧北極基地でのマリと第3の使徒との戦いで始まり、アスカ登場から第10の使徒との戦いにおけるエヴァ初号機の覚醒(ニアサードインパクトの始まり)までを描く。
公開後2日間の観客動員数は35万4852人、興行収入は5億1218万円。最終興行収入は40億円。
 
⑥〈第3作 / 後編〉ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
  • 副題(英題):EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO.
  • 公開日:2012年11月17日(土)
  • 上映時間:95分
ニアサードインパクトから14年後の世界において繰り広げられる、ミサト率いる反ネルフ組織「ヴィレ」とネルフの戦いや、エヴァ第13号機によるフォースインパクトの発動を描く。特撮短編映画『巨神兵東京に現わる 劇場版』と同時上映。
公開後2日間の観客動員数は77万1764人、興行収入は11億3100万円。最終興行収入は52.6億円[2][注 1]
 
⑦〈第4作 / 完結編〉シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
  • 副題(英題):EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME
  • 公開日:2021年3月8日(月)
  • 上映時間:155分
本編開始前に庵野の編集によるダイジェスト映像「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」(3分41秒)が上映される。本編は151分00秒。
 
それ以降は『シン・ゴジラ』(2016・樋口真嗣監督)『シン・ウルトラマン』(2022・樋口真嗣監督)『シン・仮面ライダー』(2023)と他作品のリブート・リメイクばかりで、さらにあろうことか、
 
庵野秀明“ユニバース”始動。「シン・」シリーズ4作がコラボ
 
東宝・カラー・円谷プロダクション・東映の4社は2月14日、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」の4作品がコラボレーションするプロジェクト「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」を始動した。今後、同プロジェクトではイベント・商品化など、多岐にわたる内容を計画中という。
 
庵野はこれらをまとめた新展開構想まで発表。
実体は新作映画ではなくパチンコ企画だったりとショボいから相手にしなければいいものを、
かつての同志岡田斗司夫がよせばいいのに「そう来たか!」と持ち上げるなど、
コネヨイショの横行にはウンザリした。
 
世の中が全て、庵野秀明のやることなすこと全肯定だなんて勘違いもいいところで、
彼の作品の横行で、ヘキエキしている映画関係者も多い。
  • 邦画市場では興行成績が良好でも、海外の観客は国際市場で通用する映画に慣れ親しんでいるため、庵野調の独特の語り口に戸惑うばかりで、『シン・ゴジラ』は大コケに終わった。
  • 彼がリメイク・リブートを引き受けると後続が絶たれがち。東宝は2016年の『シン・ゴジラ』以降、実写のゴジラ・特撮作品が続けられず、本2023年11月にようやく山﨑貴監督のゴジラ新作が公開されるまで7年もかかった。
東宝と庵野作品の煽りを喰らったのは松竹で、
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テレビ番組「ウルトラマンZ」2020/6/20-12/26は、 
当初は2021年の初夏辺りに『シン・ウルトラマン』が公開される予定であったことから、本作品では、劇場版が製作されないことが当初から決まっていた。
 
次回作「ウルトラマントリガー」 2021/7/10

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では、映画(劇場版)『ウルトラマントリガー エピソードZ』

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2022/3/18

ーーは、松竹系公開を取りやめ、

ツブイマ(TSUBURAYA IMAGINATION)ネット同時配信で、

劇場配給はバンダイナムコに変更された。

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つまり松竹は東宝系『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』連続公開の余波で、

ウルトラマン映画の配給権を失ってしまったから、

せめて『大怪獣のあとしまつ』でそれをほのめかし、

「ウチはもうウルトラマン映画はできないけれど、せめてこれぐらいはやらせてもらいます」と宣言したわけである。

 

ずいぶん長くなったので、

【後編】に続く。

 


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