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誰も知らないスター・ウォーズ⑪

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本日のおつとめ(ツイキャス)

 

以下本題。

【コメント転載】
キッド
 
以前、ゴーストホストの投稿で大変お世話になりました。
ちょうどネット検索していた際に
PropStoreのオークションでツアー用のヘルメットが出品されていた履歴を見つけましたのでお知らせ致します。

すでにご存知かもしれませんが参考になれば幸いです
 
キッドさん、
ゴーストホストの件、
まったく覚えてないですが、
なにかのお役に立てたのなら幸いです。
 
このオークション出品、
ちっとも知りませんでした。
 
型取りには、リック・ベイカーだけでなく、
グレッグ・キャノン(Greg Cannom)も関わっていたと知れたのも収穫。
 
A Darth Vader helmet casting made for touring events and promotional appearances of the fearsome dark Lord following the opening of George Lucas’ 1977 sci-fi classic Star Wars! This piece was made by Greg Cannom, Rick Baker, and Rob Bottin for touring events following the release of the first film. Cast from the original Darth Vader helmet used in the film, this helmet comes in two pieces: a facemask and the dome. The dome and face are made with fine-weave finishing fiberglass cloth, and the piece has been partially painted with grey and beige tones, however the mask remains ultimately unfinished. This piece shows minor wear due to production use and age, however it remains in overall very good condition. Dimensions: 15" x 14" x14" (38 cm x 35 cm x 35 cm)
 

 

 

誰も知らないスター・ウォーズ⑪

 

 

ボバ・フェットの存在

 

SWのキャラクターで人気があるのは、当然主要な役割を担う主役級か準主役級がほとんどだが、劇中ではさしたる出番もなくセリフもわずか数行なのに、主役に匹敵する人気を博しているキャラクターがいる。

それはボバ・フェットというバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)で、映画デビューは第2作の『帝国の逆襲』からだった。

ところがアメリカ本国では、ボバ・フェットは『帝国』の2年前から一般大衆が目にする機会が多く、活躍が大いに期待されていた。

ボバ・フェットの平面デザインは、ジョー・ジョンストンが主導でマクォーリーが補佐をつとめ、2人の作業は 1978年の春までに終了している。ルーカスの指示により、ボバ・フェットはダース・ベイダーとは性質が異なる悪役とされ、西部劇の流れ者や日本の忍者のようなテイストが加味されたが、彼が身にまとっている兵装が元来は正規の軍装品だったことを示すため、現役の正規兵のストームトルーパーと何かしらの因縁が感じられるデザインに仕上げられた。78年6月28日に社内でコスチュームのプロトタイプが披露された時点では、カラリングもトルーパーに準じて全身白ずくめだった。

ボバ・フェットが一般市民に初お目見えしたのは、78年11月17日に放映された「SWホリデー・スペシ ャル」というできの悪いテレビ番組のアニメ部分だったが、その前に地域限定で、9月24日にはサン・アンセルモのカントリーフェアのパレードに、演者が着用したプロトタイプのコスチュームが登場していた。

最初期の白一色から一転し、彩度を落とした原色で各部を塗り分けたこのプロトタイプは、1979年には全米各地のショッピングセンターで、白黒スチルにサインをして翌年公開の映画の前宣伝につとめた。

79年夏のファンクラブ会報でのキャラクター紹介では、ボバ・フェットはいにしえの戦士、帝国軍ショックトルーパー (奇襲部隊/突撃兵)の装甲服の一部を身にまとっているという具体的な記述があり、これがファンの想像力をかきたてた。

 

ラルフ・マクォーリーが描いた、兵士デザインの一案。この時点では「マンダロリアン・ショック・トルーパー」(マンダロアの突撃兵)という名称だった。

ジョー・ジョンストンの描くボバ・フェット(FET と T が1つ抜けている)案3枚(左・中)ヘルメット上部のマーキングは目、額のくぼみが鼻の穴、ゴーグルが口に見立てられている。日付は78年6月/(右)忍者のように壁を這うボバ・フェット。つま先のスパイクの使い方がわかる。日付は78年2月

 

参考動画:ボバ・フェットのスタイル変遷

 

ボバ・フェットの10センチフィギュアは、79年度の第2シリーズとして、映画への出演を待たずに第1作のタイトルで発売されたが、この発売を前にプレゼント賞品として告知された時点では、背中のミサイルを発射する機構がついているはずだった。

しかしマテルの『宇宙空母ギャラクティカ』玩具のミサイルを小児が飲み込んで死亡する事故が起きたため、再発防止のためにボバのミサイル発射機構は省略されてしまい、 ここでもギャラクティカは、SWの前途を阻む厄介者だった。

このようにアメリカ国内に限れば、映画公開前のボバの露出が彼の映画での活躍への期待を高め、劇中ではさしたる出番がなくても、ファンの心の中での補完像がそれを補い続ける状態が何年も続いていて、これこそがボバ・フェットの異常人気の原因だった。

ストームトルーパーが一般兵なら、ボバ・フェットは特殊部隊という位置づけで、共通点を示す意味からか、当初はボバも全身白ずくめだった。社内での初披露は78年6月28日78年9月24日に、地元の催しに姿を現した、プロトタイプのボバ。資料写真撮影時と同じ、すらりとした長身の男性が扮している。白いフェットの披露は、モノクロビデオに記録された。『帝国』版ボバのカラリングが異なるわけ

『帝国』映画本編に登場したボバ・フェットは、アーマーやジェットパックの塗装色がプロトタイプとは大幅に異なり、もともとは赤や青だった部分の大半が、彩度を落としたグリーンに塗り直されていた。これは撮影直前になって、スタジオで現場のスタッフが、画面映えするように土壇場で化粧直しを施したためで、 第1作でも黒一色で納品されたダース・ベイダーやタイ・ファイター・パイロットが、撮影現場でガンメタル(黒鉄色)のアクセントやマーキングを追加塗装されていたのと同様の処置であった。

 

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ボバ・フェットの場合、近接撮影の写真さえあれば、元来の塗装色と現場の修正部分を見分けるのは比較的容易である。アーマーの褪色やダメージ表現で本来のものは、表面の塗装色と下地の金属色のシルバーの間に、下地処理を模したカーキ色が加わって三層になっているのだが、追加塗装の方はそこまで丁寧ではなく、表面色と下地の銀の二層のみになっている。

こうしていったんは刷新されたはずのボバ・フェットのカラリングは、次回作『ジェダイ』では、なぜかプロトタイプや、それに準じたフィギュアと同じような塗り分けに戻ってしまう。『帝国』撮影時点ですでに人気キャラだったボバのコスチュームは盗難に遭ってしまい、演じたジェレミー・ブロックは疑われて大変だったそうだが、とにかく『ジェダイ』でコスチュームを新調する際に、『帝国』の撮影現場で塗装を変更したボバを撮影した写真の存在がLFL社内でも周知徹底されておらず、プロトタイプの写真を塗装の参考にするしかなかったためだ。

 

 

 

【参考動画】サイドショウの『帝国』版ボバ・フェット等身大フィギュア

 

追加撮影が生じた場合や、続編の可能性を考慮して各キャラクターの場面ごとの衣裳や髪型などを記録した資料写真を、コンティニュイティ(・ショット)と呼ぶが、このコンティニュイティ、つまり連続性への配慮が旧三部作ではいささか欠けており、『帝国』の劇中で艦長(キャプテン=海軍の階級なら大佐)から提督へと昇格したはずのピエットの胸の階級章は、『ジェダイ』ではなぜか再び艦長に降格している。これはおそらく、『帝国』での提督昇格前のスチルか、映画本編の前半が参照されてしまったためだろう。ミレニアム・ ファルコンを取り逃がした責任をとって、ピエットが自ら降格した可能性もなきにしもあらずだが、演者の ケネス・コーリーに直接これについて尋ねたところ、「どうしてマニアという者は、当事者でも気にも留めないことを尋ねてくるのかね」とあしらわれてしまい、具体的な回答は得られなかった。

 

↓オゼル提督(アドミラル)の紀章

上が赤方形6個、下が青方形が6個。コードシリンダー左胸2本、右胸1本。

↑オゼル提督(左)とキャプテン(艦長)ピエット(右)の紀章の違い。

↓『帝国の逆襲』(1980)提督時のピエット。

上が赤方形6個、下が青方形が6個。コードシリンダー左胸2本、右胸1本。

『ジェダイの復讐/帰還』(1983)時のピエット。キャプテンに降格?

 

ここからが本ブログの追記だが、

私見を述べれば、

ボバ・フェットのファンはSWファンと完全一致ではないという認識は常にあった。

 

その概念が覆る時が来るなどとは、

昨2019年末のこの時期には思いもよらなかった。

 

その認識が変わったのは、

「マンダロリアン」の第2シーズンを見通したからで、

同作品は、

全てのSWファンと、個々のSWキャラのファンを一つにつなぎまとめるものとして燦然と輝き、

それを見届けただけでも、

2020年はいい年だったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 


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