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THX劇場の行方/シネコンウォーズ・13

 

本日のおつとめ

2020/10/31

 

今回の記事は、

この記事(『ようこそ映画音響の世界へ』)の続報ですが、

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シネコンウォーズ・13

としてお送りします。

 

題して、

THX劇場の行方

 

タイトルにも挙げましたが、

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THXシアターって、今や完全に行方知れずですよね。

 

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2012/04/24

 

どうなってしまったんでしょうか?

 

調べてみると、

 

日本で最初にTHX認定を受けた一般映画館は、ワーナー・マイカル・シネマズ海老名(現イオンシネマ海老名)の7番スクリーンである。(1993年)

 

その他、シネプレックス幕張の10番スクリーンなど、

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2013年から経営母体が角川からユナイテッドに。

 

日本では、シネマコンプレックスのメイン・スクリーンに導入されている例が多い。

 

稀少な例として、過去にTOHOシネマズ市川コルトンプラザ、

↓ヴァージンシネマズ市川コルトンプラザ(1999年11月27日〜2004年2月27日)

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ごりり

↑TOHOシネマズ市川コルトンプラザ(2004年2月28日〜)

 

TOHOシネマズ海老名、

TOHOシネマズ六本木ヒルズの

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3サイトは、全館THX認定を受けていた。

 

2000年代からは、IMAX等を中心にTHXに匹敵する設計の映画館が増えた事で、年1回の認定費用が発生するTHXの採用を取り止める映画館が増えた。

 

——とのことで、今ではすっかり廃(すた)れたもよう。

 

そもそも会社組織のTHXが、

2002年にはルーカスフィルムから分離している。

 

1983年、ジョージ・ルーカスによって創業され、ルーカスフィルムの一部門として始まり、2002年にスピンオフした際に独立した。2012年にシンガポールのデジタル機器メーカーのクリエイティブ・テクノロジーが買収、その後2016年、シンガポールのRazer社によって買収された。

 

今回の『ようこそ映画音響の世界へ』鑑賞で思い出した、

過去に会ったことのあるサウンドスタッフは、

前回がベン・バートだったが、

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ば0と

 

ベン・バートによるSWサウンドの詳解

2019/04/02

 

今回はトム・ホルマン。

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2009/10/07

 

この人に会ったのは、ウルトラマンフェスティバルで有名な、

池袋サンシャインシティ文化会館

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全日本オーディオフェアの、

たしか1988年か1989年だったと思う。

 

ナショナルがパナソニックにブランドを変更し、

キャンペーンキャラクターにジョージ・ルーカスとSWを起用したのが、

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SW10周年の1987年の秋。

 

このキャンペーンは大好評で、

1992年まで5年間は継続された。

 

パナソニックはルーカスがらみでついには、

THXの家庭用システムまで発売した。

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ホームTHXコントロールアンプ SU-TX50 生産終了

 

AV機器は、デノンオンキヨーパイオニアパナソニックヤマハシャープと提携し、THX承認済みのアンプやスピーカー、デジタルテレビが数多く発売されている。制作者が作ったCDやDVDが、きちんとしたクオリティで再生できているのかをチェックし、問題がない機器には「THXマーク」が表記される。

 

また、THX社はホームシアターも認定の対象にしている。

日本で最初にTHX認定を受けたホームシアターは、小倉智昭が私有する北海道のスタジオであるとされている。

 

2019/11/07

 

そのプロモーションで、

THX部門の総括責任者、

トム・ホルマン氏をオーディオフェアの講師として招待。

 

AV(オーディオ&ヴィジュアル アダルトビデオにあらず)雑誌の情報を頼りに、

その招待講演に行ってみたわけよ。

 

会場は通常の展示室の壁際に、

反響板や吸収板が立ち並び、

急場のTHX空間が設置されて準備は万端。

 

そこでホルマン氏が、

映画の世界の現場スタジオ収録の生音と、

音響効果が加わった、

完成版のビフォー/アフター比較動画をプロジェクター投影で披露して、

それに適宜解説を加えていった。

 

↓同じ映像/音声ではありませんが、少しだけこれとかぶります。

↓当日の講演内容の一部は、このTHXデモ動画と重なります。

 

ホルマン氏の解説は当然英語なため、

私には概ね理解できるものの、

その他の日本人聴衆には負担がかかるため、

後追い通訳が付き添っていたわけだが…

 

この通訳、

どうやらパナソニックの技術社員で、

プロの通訳者ではないため、

気持ちの伝わらない無味乾燥な技術翻訳は、

ここぞとばかりの時には不発。

 

ビフォー/アフターの比較動画の後に、

ホルマン氏が得意気に、

「ね? ほら、こんなに違うでしょ?」と問いかけるのに、

通訳は「ええっと、まあ…そういうことです」

 

????????

 

ちゃんと訳せよ!

 

ところが自分の専門の周波数特性グラフが画面に出ると、

ホルマン氏がしゃべっていないことまで立て板に水のごとく語っていた。

 

これだからオタクは…

 

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tate

困っちゃうなあ…

 

さて、THX社の語源はもちろん、

ルーカスの劇場映画第1作『THX-1138』に基づくわけだが、

 

 

 

 

トム・ホルマン氏のイニシャルTHとも符合していて、

同氏は長くこの部門に君臨していた。

 

ところがTHXの技術認定と、1年ごとの定期更新にかかる費用と、

取り消しを怖れての認定技師への劇場側の過剰接待が問題化し、

THX部門は2002年にルーカスフィルムから分社独立。

 

やがて映画館の音響システムと言えば

ドルビーがのし上がり、

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ドルビーアトモス(2012〜)

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ドルビーシネマ(日本では2018〜)

 

今さら高価で手間のかかるTHXを整備しても、集客にはつながらなくなった。

 

私のTHX初体験は、

ロスのサンスイート邸初訪問の、1986年。

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sedes

↑1992年撮影

 

『リトルショップ・オブ・ホラーズ』を観た劇場だった。

 

 

 

それから、レーザーディスクでTHX盤が発売され、

そのうちVHSにも応用され、

ヴァージンシネマズ市川コルトンプラザで映画を観れば、

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まるまく

全館THXなため、

必ず例のデモ映像に出くわすようになりはしたものの、

 

2016/01/10

 

本編上映中に、

「さすがはTHX!」と感心したことは、実は一度もなかった。

 

トム・ホルマンの消息も久しく聞かず終(じま)い。

 

そしたら、映画『ようこそ映画音響の世界へ』で、

30年ぶりかの再会!

 

肩書き字幕でもわかりますが、

現アップル勤務だそうです。(2011年より)

 

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