Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2735

ペドロ・コスタ監督『ヴィタリナ』

※『テネット』について記事にするのは、来週以降になります。
 
 
2020年9月19日(土)公開
ペドロ・コスタ監督『ヴィタリナ』
2020/7/3 映画美学校
 
と同日に鑑賞。
 
いやあ、まいった、まいった。
 
『ヴィタリナ』は、私としてはどこも褒めるところが見あたらず、
『MOTHER マザー』ならまんじりともせずに見入ったというのに、
こちらは上映時間の大半を寝入ってしまい、
たまたま起きている間に見た内容も、
「なんやねん、いやがらせかよ!」
的なもたついた描写と展開でウンザリ、へきえき。
 
 
画角だけは私の大好物、
純正IMAXと同じスタンダードだったが、
横縦比=4:3=1.33:1≒1.43:1

グリーン表示はIMAXレーザーGTテクノロジーのみ

ブルー表示はIMAXレーザー/デジタルIMAX MPXシネコン仕様

レッド表示とブラック表示は、IMAX以外の通常作品でも映写可能。

 
 
これはペドロ・コスタ監督作品の常だそうで、
IMAXでなどあろうはずもなく。
 
 
制作国ならではの国情や国民性にはツボなのかも知れませんが、
 
これは私たちの物語
ポルトガルで2万人動員の異例の大ヒット!
リスボンの女性たちが涙した、痛みと波乱に満ちた暮らし、
そしてその先にある光
 
とにかく日本人が鑑賞するには、厳しすぎるのではないでしょうか。
 
興行側も、このままではマズイと、
各位に讃辞を求めるのだが、
  • 花嫁たりそびれた旧植民地生まれのヴィタリナが、花婿となるはずだった男の数十年後の死を契機に、初めて訪れた「何もない」ポルトガルで過ごす曖昧な時間を、贅沢きわまりないキャメラが時間を超えた生の持続としてスクリーンに炸裂させる。このコスタの魔術を、息を殺して見つめるが良い。

    蓮實重彦(映画評論家)

  • 目もくらむ陰影と、完璧な構図に配置された俳優たち、そして静寂の中から響いてくる声の陶酔。これは創世期の映画が夢見た、もうひとつの完璧な形式だ。映画はこのような方向に発展していくこともできたのだ。

    黒沢清(映画監督)

  • コロッサル・ユース (2006)は鮮やかな青空と白と届かない手紙を巡る映画だった。
    ヴィタリナ(2020)はそれとは対照的な黒を基調とした洞窟のような部屋で、届かない気持ちや間に合わなさを語る主人公を精緻な光の中でカメラが追っていく。
    しかし思い返せばペドロ・コスタがずっと撮り続けている「部屋」はプラトンの洞窟なのかもしれないと、この映画を観て初めて気づいた。
    現実は存在しない、部屋という洞窟に反響する影や記憶をいかに映画という実体に定着させるかという逆説的な挑戦の到達点が今作なのかもしれない。

    渋谷慶一郎(音楽家)

 

  • 画面からしたたる光と影の残酷さ。
    待ち続けたヴィタリナの30年間に射抜かれて私たちの日常が立ちすくむ。
    移民の生について、こんなにも雄弁な寡黙さは他にない。

    斎藤真理子(韓国語翻訳者)

  • ヴァンダのまなざしから受けたのが挑戦だとすると、ヴィタリナからはままならない人生における悲しみの同調。故郷の島の風景が目の前に開けたとき、やるせなさが最高潮に達して泣きそうになった。

    岡田カーヤ(ライター/ミュージシャン)

  • ヴィタリナ・ヴァレラは闘っている。死後も居座る愛憎の記憶と、亡霊のように佇む生者たち。ヴィタリナの悼みを撮すペドロ・コスタとクルーは、彼女を虚実の中で解放することも閉じ込めることもしない。その闘いに、同行している。

    小田香(映画作家/『セノーテ』『鉱 ARAGANE』)

 
——等々のコメントは、どれも私にはしっくりこず、
とにかくこんなに観客を突き放した作品を、
褒めそやすような役目を担うようになったら、
もうこのブログを続ける意味もなくなってしまうだろうな、
ぐらいは、思いを新たにした次第です。
 
↑こんなシーンがあったこと、全く覚えてません!
 
本日のおつとめ
2020/9/18
 
 
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2735

Trending Articles