『ライオン・キング』(2019) IMAX 3D
2019/8/22 グランドシネマサンシャイン シアター12 H-22
前回の鑑賞の反省を生かし、
少しだけ前寄りの席で鑑賞。
レーザーの光量の明るさがあり、
専用メガネをかけても画面が暗くならず、
鮮明きわまりなく、
かつ多くの場面で純正IMAX純正比率
4:3=1.33:1≒1.44:1の天地フル表示があり
その意味では映像としては最高の『ライオン・キング』を鑑賞した。
本編上映前のおなじみのIMAXデモ画面で、
別の観客が「細かいね」と感想を述べていたが、
音は粒立ちが鮮やかで、こもったり曖昧さはゼロ。
反対に低音圧や迫力に欠ける。
どうもグランドシネマサンシャインには、
私個人が過剰な期待や幻想を抱きすぎたようで、
今回は、
- 冷房が効きすぎ
- 音響で、歯車がきしむような定期連続ノイズが鳴りっぱなしだった。
——と、どうしても不備ばかりに気づいてしまう。
肝心の映画『ライオン・キング』本編の感想は?
感想のひと言は、
「子どもが大喜びです」
つまり、なんでも無批判に、
あるがままを受け入れる、
無邪気な子どもなら、
面白く楽しく見られることでしょう。
ただし、
こちらはいい年こいたジイサンなので、
そうはのめりこめず、
冷房の快適さも相まって、
中盤で少し寝た。
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オリジナルの2Dアニメ『ライオン・キング』(1994)には色々と不満があって、
『ジャングル大帝』のパクリという件は、
いまさらなので置いておくにしても、
根幹本筋の、長男の王位継承の伝統っていうのが、
最大の問題。
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アニメ版の時、
「スカーが悪いのは次男だから?」と納得が行かず、
それ以降、とにかく『ライオン・キング』の私の中の評価はかなり低く、
世間は劇団四季の舞台版で盛りあがり、
大西ライオンという派生タレントを生み出そうが、
「元がラインキングじゃなあ」
が素直な感想だった。
2019年版フルCG『ライオン・キング』は、
監督のジョン・ファブローが、
『ジャングル・ブック』(2016・未見)で、主人公の少年一人だけが実写で、
残りの画面は全てCGで埋めた経験から、
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「これなら実写ゼロでもいけるだろう」と見越して作ったわけだが、
果たしてその到達度と完成度はまさに究極、最高峰。
父ムファサが崖っぷちに追いつめられ、
落下していくのを、
崖の中腹で息子シンバが目撃。
シンバがアップで「パパ!」と叫ぶと、カメラが急速に引き、
落ちていく父シンバの視点になる場面は、
それまで、いくらCG映画とわかっていても、
実写映画のつもりで見ていたこちらが、
ふと我に返るシーンでクスリ。
えっ、わからない?
この場面、実写で子ライオンを撮影ではありえないからですよ。
まずホンモノの子ライオンは「パパ!」なんて叫ばず、
セリフのタイミングでカメラを引くなんて撮影もできっこない。
つまり実写ではなく、CG映像でしかあり得ない映像なわけで、
いい年こいたジジイだからこそ気づくわけ。
そんなジジイの私が、
パクリ元の『ジャングル大帝』の件を持ち出したくないのは、
「日本はじゃあ、ジャングル大帝の再生を、
これほどのレベルでやってますか?
やってないのに、いつまでも『ウチが本家だ』」の主張もないでしょう?」
——という意味です。
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さてでは、アニメ版の時に感じた、
「スカーはそんなに悪いのか」
だが、
2019年CG版では、悪辣ぶりがさらにパワーアップして、
悪人ならぬ悪獅子ぶりがすさまじい。
だがこれほどまでに屈折した原因が、「次男だったから」でしかないため、
彼にばかり責任があるとは思えず、
ラストも「結局は長男だけが王者のくり返しかよ」
と言う気にはなる。
しかしハンス・ジマーの名曲と盛り上げパターンはアニメとまったく同じなので、
結びはさすがに見事、ガッカリはせず、満足でしたが。
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ご判断はご自身の目でぜひどうぞ。