これ(ジェネレーション/THE FIRST・2つのMSV新刊)の続き。
遅ればせながらついに買って、
今では手元にありますよ。
MSV THE FIRST
双葉社 (2018-11-21)
売り上げランキング: 9,894
改めて手にして、
実際にポツポツとつまみ読みしてみると、
さすがはスキもムダもない充実の1冊。
「読めばわかる」内容をあれこれ取り沙汰しても仕方ないので、
ここからは追加説明につとめます。
※以下の画像は過去の本ブログ記事/ネットからの転載で、
「THE FIRST」からの直接転載ではありません。
はじまりの4機
後のMSV設定とは違う名前だが、
当時の現役ガンダムファンが目にしたザクバリエーション、
1981年5月15日付け発行(実際の発売日は4月15日)の
「劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック」
(講談社テレビマガジンデラックス4)
に掲載された、
最初の4機は、
湿地専用ザク
水中用ザク(ザク・マリンタイプ)
砂漠戦用ザク(ザク・デザートタイプ)
ザクキャノン
この4機について、
「連邦軍の意匠(デザイン)もちょっと入っていて苦労した」
(小田正弘氏)
そうだが、具体的にはどこが「ジオン」でなく「連邦」なのか。
水中用とキャノンのように、
太ももが角張っているのと、
キャノンの胸のスリットダクトは、
ジオンではゲルググまで未登場だった。
しかしMSV以後は、
後継企画MSXの、
ガッシャ
ガルバルディ(α)
——が設定され、ジオンにも胸スリットダクト機が増えた。
プロトガンダムの禍根
小田正弘氏の、大河原邦男氏へのプロトタイプガンダム発注は、
指示不足で意図通りには伝わらなかったんだとか。
「決定稿直前のちょっと太目のガンダムがやりたかったが、オーダーをしくじった」
小田氏の案は、
ガンダム・ボツ稿をMSVに編入することだった。
しかしこのボツ稿、
そもそも大河原氏ではなく、
安彦良和氏が描いたものだし、
↓直接目にした人も少ないのではないか。
「アニメージュ」誌に掲載されていたものを、
アニメージュ 1979年9月号
同じ徳間書店の「ガンダムロマンアルバム」掲載分は、
「アニメージュ」記事より、
うんと小さい図版だった。
それ以外ではこの絵柄を見た覚えがなく、
それは大河原氏も同様で、
小田氏の発注も把握し切れなかったんだろう。
ボツ稿は、
- 黄色いアンテナなど、顔の彩色が異なる
- 横2本線のチョビ髭なし
- シールドの形状が異なる
- ビームライフルが別形状
- 右腰のコントロールボックスが大きい→ホルスター?
- すねあてにスリットが追加
以外に、
決定稿より頭身が低く、ズングリ気味だが、
↓大河原版プロトガンダムは、決定稿と同じ頭身である。
そのため、頭の大きさを揃えて並べると、
大河原版の方が安彦版より大きくなる。
大河原スタイルの見直し
「MSV THE FIRST」に再録された、
モビルスーツの大判デザイン画を改めて見直すと、
立体再現が不可能な絵の矛盾に気づいてしまう。
たとえば
グフ重装型
左腕(画面右側)の据わりが悪い。
今ならフォトショで手軽に修正可能。
次に、
左脚(画面右側)が、いくらなんでも開きすぎでは?
↓修正してみた。
個人的には連載末期の「プラモガイド」の紹介(なぜこのタイミングで紹介したかが?)と「タミヤの社長に逢えて嬉しい」話は、いまいちですが…。少なくともこの本を読むと、あさの氏の本のいい加減さが見えてきます。